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ウクライナ、ザポロジエの欧州最大級の原発にロシアが砲撃

事実関係(2022年3月4日)

分析はしないことにしている当ブログですが、これだけは。ロシアはジュネーブ第1追加議定書の加盟国ですが、そこにこのように規定されています。確かに原発を攻撃した国はロシアが初めてですね。

第56条 危険な力を内蔵する工作物及び施設の保護
1 危険な力を内蔵する工作物及び施設、すなわち、ダム、堤防及び原子力発電所は、これらの物が軍事目標である場合であっても、これらを攻撃することが危険な力の放出を引き起こし、その結果文民たる住民の間に重大な損失をもたらすときは、攻撃の対象としてはならない。これらの工作物又は施設の場所又は近傍に位置する他の軍事目標は、当該他の軍事目標に対する攻撃がこれらの工作物又は施設からの危険な力の放出を引き起こし、その結果文民たる住民の間に重大な損失をもたらす場合には、攻撃の対象としてはならない。
2 1に規定する攻撃からの特別の保護は、次の場合にのみ消滅する。
(b)原子力発電所については、これが軍事行動に対し常時の、重要なかつ直接の支援を行うために電力を供給しており、これに対する攻撃がそのような支援を終了させるための唯一の実行可能な方法である場合
・・・
5 紛争当事者は、1に規定する工作物又は施設の近傍にいかなる軍事目標も設けることを避けるよう努める。もっとも、保護される工作物又は施設を攻撃から防御することのみを目的として構築される施設は、許容されるものとし、攻撃の対象としてはならない。ただし、これらの構築される施設が、保護される工作物又は施設に対する攻撃に対処するために必要な防御措置のためのものである場合を除くほか、敵対行為において利用されず、かつ、これらの構築される施設の装備が保護される工作物又は施設に対する敵対行為を撃退することのみが可能な兵器に限られていることを条件とする。

国際原子力機関(IAEA)

IAEA総会(General Conference)ではこれまでにも"any armed attack on and threat against nuclear facilities devoted to peaceful purposes constitutes a violation of the principles of the United Nations Charter, international law and the Statute of the Agency"とする決議が採択されています。ただしここでのarmed attackはjus ad bellum上のそれだと思われます。武力紛争におけるattackは別物です。

今回の攻撃に対する事務総長のコメントはこちらです。

Ukrainian counterparts informed the IAEA that a projectile overnight had hit a training building in the vicinity of one of the plant’s reactor units, causing a localized fire that was later extinguished.
The safety systems of the plant’s six reactors had not been affected and there has been no release of radioactive material.
Radiation monitoring systems at the site are fully functional.
However, the operator has reported that the situation remains very challenging and therefore it has not yet been possible to access the whole site to assess that all safety systems are fully functional.
Of the plant’s reactor units, Unit 1 is shut down for maintenance, Units 2 and 3 have undergone a controlled shut down, Unit 4 is operating at 60 percent power and Units 5 and 6 are being held “in reserve” in low power mode.

https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-11-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine

今回の攻撃がジュネーブ第1追加議定書に違反するかについての評価は分かれているようです。




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