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【未来を創る】名古屋大学 宇佐美・黒川研究室学生インタビュー

深谷 昌平 
―世界でまだ誰も知らないことを、僕が見つけたい。―

【目次】

1.  深谷君の研究
 ー専門知識がない方にも分かりやすく、解説していただきました-
2.研究にかける想い

【1.深谷君の研究】

今ある太陽電池の性能を上げ、かつ、安く作れるようにするための研究を行っています。

具体的には、現状として価格が高い素材を、化粧品から光触媒などに広く用いられる酸化チタンという物質に置き換えることで安価で高性能な太陽電池の開発を行っています。既に酸化チタンを利用した太陽電池構造では高い性能は確認できていますが、作製工程には必須である“金属電極の成膜”を行うことで、それまでの作製過程で確認されていた高い性能が劇的に低下してしまうという問題が起きてしまいます。なぜこのようなことが起こるのかということは未解明であるため、その原因の解明と、性能低下の抑制を目指して、研究を行っています。

太陽電池が注目される背景のひとつには、世界のトレンドである脱炭素化と今後のIoT社会の普及による電力需要の増加があります。温室効果ガスの削減を行いつつ世界の電力を賄っていくためには、自然エネルギーの存在は欠かせません。実は、現在の日本では、水力や風力を含む自然エネルギー発電の中でも太陽光による発電量が一番多いです。なので、研究を通して今後のさらなる太陽電池のコスト低下と性能向上を図ることで、今後の日本を支える技術になると思っています。

現時点では酸化チタンを用いて実験を繰り返していますが、「より性能の良い太陽電池の実現」というゴールに近づくのであれば、方法にはこだわらず、なんでも取り入れていきたいと考えています。


【2.研究にかける想い】

-高校生の頃の自分・今の自分-
高校生の頃は、将来についてそこまで具体的に考えることはなく、バンドを組んでギターに熱中していて、ギターは今も続けています。
僕にとっては、音楽と研究のどちらも熱中して集中できるということが共通点です。純粋に楽しくて、夢中になれるものなのです。
 
-大学院からのチャレンジ-
僕は、大学までは別の大学で学び、大学院から宇佐美・黒川研に来ました。
宇佐美研には優秀な学生が集まっています。
僕はその中では、自分はそこまで優秀ではないと思っているので、「できなくでも別に恥ずかしくない」という気持ちで、いろんなことにチャレンジできていています。

また、先生方は全員優しくて、主体性を尊重してくれ、環境的にとても恵まれていると感じています。ですので、こんなに恵まれた環境で結果が出せなかったら言い訳できない。という気持ちにもなります(笑)
 
-世界でまだ誰も知らないことを-
 -「実験がうまくいかないときはどうしていますか?」
実験で想定される結果が出なかったとしても、それは失敗ではないと考えています。あくまで得られたデータをどのように解釈するのか、ということが非常に大事であるということです。

僕たちのやっている研究は、それまで行ってきた勉強とは違い、ある程度の予想はありますが、先生でさえも答えを知りません。
世界でまだ誰も知らないことに取り組んでいるので、予想通りの結果を得られなくても、着実に結果へと近づいていると信じており、その積み重ねをもとに、さらなる科学の発展に貢献していきたいと考えています。
 
-日本だけでなく、世界のどこでも通用する人間になりたい-
まずは、宇佐美・黒川研で博士後期課程に進学をする予定で、その後は海外の研究機関で働きたいと漠然と考えています。

コロナ禍以前にベトナム・ラオス・タイを1人で2週間ほどかけて旅行したのですが、その時に、現地の強いエネルギーを感じた経験が、海外で働いてみたいという気持ちに影響していると思います。

昔から「今はできないけど、やってみたい」が強く、高いレベルの中に身を置いて、上を目指したい気持ちが強いです。
宇佐美・黒川研で自分自身にもっと能力・実力をつけて、日本だけでなく世界のどこでも通用する人間になりたいと思っています。


名古屋大学 宇佐美・黒川研究室HP


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