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ライティング、だけに限らない良書

英文を書くとき、どうしても日本語に引きずられてしまって、おかしな英文になったりすること、ありませんか?

「あれ、なんかめちゃめちゃぎこちない・・・・・・?」
とか
「元の日本語が透けて見えるようだ」
などなど、私でもよくあります。

私たちは日本語が母国語なので、どうしても日本語をベースにした発想になってしまうのは、ある程度は仕方がないことです。でも、ちょっとしたコツを押さえておくと、英語らしい、締まった英文を作ることができるようになるんですよ。

今回は、たまたまAmazonで気になった本を買ってみたら、思いの外によい本だったので、ご紹介します。

「英語っぽい英文を書くには?」と聞かれると、

・主語を人でないものにする(無生物主語)
・受動態ではなく、能動態にする

などはよく言われていることですが、それだけでなく、

・強い動詞を使う
・要素を効果的に使う(Given→New、つまり既知のものから新規のものへ)
・具体的に書く
・肯定的に書く

など、言われてみればなるほど、と思うスキルが極めて明瞭に説明されています。英語中上級者向けではありますが、日本語で思ったことがスラッと欠けない、言えない、という意識がある方は一読することをお勧めします。

実際、英日にしても日英にしても、どうしても訳文の方が長くなりがちなのですが、本書に書かれているコツを実装することで簡潔な英文が書けるようになるでしょう。

さらに。
ライティングだけではなく、スピーキングにもとても有効だと思います。書くにしろ、話すにしろ、シンプルかつクリアに意図を伝えることが目的なのですから、分かりやすい表現をストックしておくことは大きなアドバンテージとなります。

私が同時通訳者の視点から見ても、「これは使える!」と思えるテクニックが結構ありました。特に「強い動詞を選ぶ」という章では、汎用的な動詞+副詞という組み合わせで表現するより、ドンピシャなニュアンスを持つ動詞1語を使った方が、意図を的確に伝えられるし、文自体も簡潔にすることが可能です。

ひとつ例をあげましょう。

「車で仕事に行く」と聞くと、ついそのまま、"go to work by car"と日本人なら訳してしまいそうです。ですが、それよりも"drive to work"と言ってしまえば3語で表現できるし、文そのものもキリッと締まります。通訳の場面なら、短く済ませることができてずいぶん余裕が出ます。

日本語ではオノマトペで副詞的に表現される言葉も、英語ではひとつの動詞で表現されます。

これについても、

「歩く」ならwalkですが、日本語なら「じりじり、ドスドス、うろうろ」などのオノマトペでニュアンスを足すところの言葉が、英語では、"edge"、"
stomp"、"wander"とそのままずばりの1語で言い表す言葉でき、英語として意味もストレートに分かりやすいものとなります。

このオノマトペ表現が動詞でしか表せなかったりするので、私自身どうしても英語が使い切れる気がいつまでもしない原因なのですけどね。まだまだ、勉強することが多いです。

そして、主語の入れ替えや受動態ではなく能動態でという章もありますが、そこは『英語のハノン初級』で繰り返すことでしっかり身につきますよ。

ハノンは最強です!


とにかく、英文を書く上で、

「英語らしい英語を」

と切望しているアナタ!
是非、手に入れて読んで見てくださいね。
一読の価値ありですよ。

模範解答が必ず書いてはありますが、その前に自分で訳をするように空欄が設けてあります。そこはやはり、自分で書いてみてトライ&エラーで英文の極意を己の血肉と化してください。

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