【場の空気を支配する】
ズームで逐次通訳をした。
今までの対面リアル通訳と違い、
オンライン通訳の違いは、
自分を見ながら通訳できること。
自分の目線、表情、動きを見ながらしゃべることが出来る。
これは結構参考になる。
視覚から入る情報は結構侮れない。
口調をまねることを心掛けているつもりだが、
今回は、手振りを真似てみた。
身振り手振りの手振りね。
対面と違い、
オンラインではやはり伝わりにくい部分がある。
人が発する雰囲気だったり、
見える、聴こえるもの以外のものが薄れるからだ。
裏を返せば、
人間はかなり見えないものを使って
コミュニケーションをしているということ。
この「なんだか薄れているもの」を
補うために、
手振りをコピーしてみた。
ただコピーするのではなく、
単語、表現、タイミングとセットにして。
例えば、
話者が「丸いものがあって」
と両手で丸を作るなら、
その表現をするときに、
その単語を使うときに、
同じようにする。
話者が喋り終わった後に、
通訳をしている最中、
あなたが喋った「丸いもの」
の部分を今訳してますよ~。
とアピールにもなる。
お互いに一言も交わしていないのに、
初めて会った話者とも、
信頼関係が作れたりする。
上手くいけば、
アイコンタクトが出来るようになったり。
(人間てすげえな。)
時々、
「重なる」時があるんですよね。
場の雰囲気というか、
一人一人の意図とか、重いとか、
話題に「ばちっ」と重なる。
ああ、皆今同じテーマについて考えているな。
同じ方向を向いているな。
っていう不思議な一体感。
目に見えない何らかの絶対感。
その状態になると、
裏方に徹している通訳が、
いきなり表に出ることもできるんですよねー。
コインの裏表が一体みたいな。
場を操作できる権利がもらえるというか、
場を操作できる力を得るというか。
台の上に皆さんが乗っていて、
誰も落ちないように支えている。
台の中心、
一番バランスの取りやすい中心の真下で
台を支えている。
それが、
ある時ひょっこり台の上にでる。みたいな。
出るも出ないも思いのまま。みたいな。
笑いを誘って緊張をほぐすこともできるし、
食い違いを、たった一言でぶち破ることもできたりする。
自分の役目じゃないと思うときは、
引き続き下に居ればいい。
まあ、通訳じゃなくても、
色んな現場で、職業でありますよね。
「あ、今この場を牛耳った。」
っていう感覚と瞬間が。
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