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ペルー:なぜロックダウンしても感染止まらない?

ペルーではなぜ新型コロナウイルスの蔓延が止まらないのか。

ペルーはアメリカ大陸の中でも、最も早くコロナ対策を取り入れた国だった。
自宅待機令、夜間外出禁止令、国境封鎖などを直ちに行った。
にもかかわらず、現在は感染者の数が最も高い国になっている。

5月25日(月)にペルーでは、約12万4千人の感染者と3千6百人の死者が出ていた。南米では、感染者数、死者数共にブラジルに次いで第2位となっている。

この2国の対策は全く真逆であった。
ブラジルの大統領はコロナ対策を軽視し、
ペルーの大統領は3月15日に国家緊急事態宣言を発令している。
発令と同時に自宅待機義務を課し、国境を封鎖している。

しかしながら、ペルーでは爆発的に感染者が増えている。
現在ペルーでは、集中治療室の85%のベッド(人工呼吸器付)が使用中である。

なぜこのような状況になってしまったのだろうか。

ペルー人の著名な医師によると、この原因は、ペルーの深刻な格差にあるとしている。
多くのペルー人は、出かけなければならない、働かなければならない、銀行に行かなくてはならない状況に強いられているという。

例えば、2017年の国税調査によると、ペルーの家庭で冷蔵庫、若しくは冷凍庫を持っているのは、たったの49%である。この61%は都市部の過程である。
つまり、多くの人々が市場(いちば:〆られた牛や鳥肉が生でぶら下がっている昔ながらのいちば)に行き、食料を買わなければならない生活スタイルであるという事が伺える。

これでは、自宅待機をして、人に会わないようにする。ということが出来ない。

また、ペルー政府はこのような貧困層救済の為に、経済的支援を行った。
貧困層に属する国民が政府からお金がもらえるというものだ。
ただ、銀行業界からの情報によると、ペルーの成人の38%がで銀行口座を持っているとのことである。
その為、政府からの支援金を受けるために、銀行に人々が殺到し、
人工的に密を作ってしまった状態になった。

また、72%以上の人々がインフォーマルセクターで労働をしており、
その日暮らしをしている国民が多い。
つまり、毎日働かなければ、食べていかれない。
彼らの家も、部屋が分かれておらず、
一つの空間に家族全員が食事をし、寝る。というタイプのものが多い。

現在、自宅待機令と夜間外出禁止令は6月30日まで延長されており、
これは5回目の延長となる。
しかしながら、理髪店、食品デリバリー、歯医者などの活動は再開してもよいとしている。

また、規制を守る国民を育てることも重要である。
大統領の4月の報告では、自宅待機令が発令して1週間後に、
待機を守らず逮捕された者が約3000人であったとしている。
大統領はまた、このような人々の文化が現在の大きな被害につながっており、
国民の習慣と文化を変えなければならないと示唆している。

https://cnnespanol.cnn.com/2020/05/26/peru-parecia-estar-haciendo-todo-bien-entonces-como-se-convirtio-en-un-punto-critico-de-covid-19/#0

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