S.Toma

アートとか広告とか、決まったテーマはありません。

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最近の記事

美術の時間〜聖母マリアの好きな服の色は青〜

美術を楽しむためには、 ・理屈抜きに、感覚的に楽しむ部分(右脳) ・知識を使って、ロジカルに楽しむ部分(左脳) の両面がある。 余談になりますが、 美術高校や、美術大学に進学する学生は、 小さいときに美術が好きだった人が多いため、 右脳として美術の楽しさに気づいた人が多く、 “感覚派”の人が多い。 一方、大学院になると、後天的に美術を好きになった人が多くなり、 “理論派”の人が多い印象でした。 その両面を磨けば、これまで以上に美術をたのしむことが、 きっとできるはず。

    • 六本木クロッシング2019展:つないでみる #2

      前記事に引き続き、 六本木クロッシング2019展:つないでみる のレポートです。 《景体》by目 について。 作家曰く、 「私たちは海の景色そのものに近づくことはできない。  近づけば波になり、さらに近づけば水になる」 たしかに、その通りだ。 海というのは、景色であるから、 実は、海というイメージに物理的に近づくことができない。 こういう現象って、結構他にもある。 例えば、雲。 山登りをしていると、雲の中に入ることがある。 しかし、触れるほどの距離に行くと、それ

      • 六本木クロッシング2019展:つないでみる

        表題の展覧会を見てきたので、 そちらのレポートをします。 僕が面白かった作品は2つ。 1つ目は、 《デコレータークラブ―ピンクの猫の小林さん―》by飯川雄大。 一言でいうと、超巨大な猫の置物。 キャプションには、 「この猫は写真に全身を収めることができませんよ」という意味の記載がある。 試してみたが、たしかにうまく収まらないサイズ。 鑑賞者自身が感じた驚きを、写真に収められない、 ということを狙っている作品らしい。 (実際の見た目の発色が、スマホのカメラでは再現で

        • 未来を創造するテクノロジーカルチャーの祭典「Media Ambition Tokyo 2019」

          表題のこちらのレポートを。 私が気になった作品は、 ビジュアルデザインスタジオ WOW 『YADORU』。 作品を一言で言うと、 こけしにプロジェクションマッピングを施した! というもの。 こけしの形をした像に、 こけしの表情が映され(怒ったり、笑ったりする)、目まぐるしく変わる。 (中には、高速に回転しているものも!) ポイントは、実際の人間の顔(こけしの本場、山形の方々か、来場者の方)が投影されること。 並べられたこけしの他に、備え付けのカメラがあり、 来場者は自

        美術の時間〜聖母マリアの好きな服の色は青〜

        • 六本木クロッシング2019展:つないでみる #2

        • 六本木クロッシング2019展:つないでみる

        • 未来を創造するテクノロジーカルチャーの祭典「Media Ambition Tokyo 2019」

          不確実性の時代にアート思考をどう活かすか #2

          さて、前回に引き続き、 不確実性の時代にアート思考をどう活かすか のセミナーの続きを。 前回だけを見ると、 「アート思考の何がいいの?(笑)」 という印象しか持たないと思います。 ずばり、アートがデザインとロジックより強力な部分は、 情動力だといいます。 ここで、Amazonの事例を。 Amazonは、今でこそ日用品から家電や自転車なんてものまで、 幅広く商品を取り揃えていますが立ち上げ時は本しか取り扱っていませんでした。 ただ、普通の本ではなく、超マニアックな本。

          不確実性の時代にアート思考をどう活かすか #2

          不確実性の時代にアート思考をどう活かすか

          原宿駅からほど近い、 THINK OF THINGSというスペースにて開催された、 表題のセミナーについて、私見交えてレポートいたします。 モデレーターは、 uni'pue代表:若宮和男さん。 ゲストは、 メディアアーティスト:市原えつこさん。 資生堂 R&D戦略部 R&D戦略G マネージャー:中西裕子さん。 まず、アート思考を考える前に、 アートについて、整理したい。 よく引き合いに出されるのが、 デザインだ。 そして、このセミナーでは 『ロジック』も同じ視座で捉

          不確実性の時代にアート思考をどう活かすか

          CES2019について

          CES報告会に参加したので、その中で面白かった事例を1つ共有します。 そもそも、CESってなんだ? という方もいらっしゃることかと思いますので、概要です。 ラスベガスで開催される家電製品中心の業界向けの見本市。 展示会には多くの新製品が出品され、プロトタイプ(試作品)も多い。 つまり、最先端の家電が発表される場所なんですね。 さて、その報告会の中で、個人的に一番気になった事例をご紹介。 ◇P&G 「Opte Precision Skincare System」 細かい

          CES2019について

          『UNDERTALE』というゲームについて。

          前回記事にて、ゲームにて書いたこともあり、 先日クリアしたゲームについて書いていきます。 『UNDERTALE』とは、2015年に、アメリカのインディーズゲームが発端で、 100万本以上の売り上げを記録。 爆発的人気(日本でいう、ポケモンぐらい売れた)を誇り、今では、任天堂スイッチに移植版が発売されているほど。 資金はクラウドファンディングで調達し、 ほぼ1人で制作したというのも驚きです。 ゲームのお話は、 地上から隔絶された地底世界 (the Underground)

          『UNDERTALE』というゲームについて。

          In a Gamescape 〜ヴィデオ・ゲームの風景、リアリティ、物語、自我〜について

          ICCで開催されている、表題の企画展を観てきた。 展覧会概要としては、ヴィデオ・ゲームは現代の社会のありようを見出すもの。 ということらしい。 ヴィデオ・ゲームがもたらす世界観について考えることが、展覧会の狙い。 流行としても、ゲーム文化は、今脚光を浴びている。 文化庁メディア芸術祭においては、度々ゲームの姿を見るし、今年、 東京芸大の大学院映像研究科に、「ゲームコース」が新設されたことからも、 その影響は伺える。 さて、本題に戻る、面白かったゲームについて。 ルーカ

          In a Gamescape 〜ヴィデオ・ゲームの風景、リアリティ、物語、自我〜について

          落合さんと同世代から見た、 『質量への憧憬〜前計算機自然のパースペクティブ~』について

          先日、滑り込みで表題の展示を見てきた。 展示タイトルは、質量への憧憬。 展示テーマを簡潔にいうと、、 「あらゆるものがデジタルになっているが故に、デジタルの世界からものを見ていると、  アナログの世界にあった小さな違和感とか、ふだん僕らが見てこなかった美しさとかが  見つかるんじゃないかと。それを探しているんですよね。」という落合さん。 確かにその感覚はあるし、私と同世代の落合さんの感じる美しさには共感できる。 キャプションは、やはり落合さんらしく、難解な単語が続く、、

          落合さんと同世代から見た、 『質量への憧憬〜前計算機自然のパースペクティブ~』について

          アナログとデジタル、どちらが尊いか

          こんにちは。 アナログとデジタルの話を『描く』という行為をテーマに書き始めたいと思います。 最近、打ち合わせでよくみるiPad。 正直、1万円の『Apple Pencil』にはひるみますが、、、なんだか使い勝手がよさそう。 一方、紙でもいいんでないかなぁ、とか思ってしまう自分もいる。 先日、こんな記事を見つけました。 iPadに落ちた水滴が、まるでアナログの紙ににじむインクのような 効果を生み出した事例とのこと。 バグらしいのですが、見事に現実とリンクした現象。 デジタ

          アナログとデジタル、どちらが尊いか

          「終わりのむこうへ:廃墟の美術史」

          こんばんは。 表題の展覧会を見て、思ったことを書いていきます。 渋谷区立松濤美術館という、中々ディープなところで開催されている、 ニッチなテーマの展示会。 気になってしまったので、足を運びました。 テーマはずばり、廃墟の絵。 時代は、大きく言うと2つ。 ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージという、 16世紀の版画家の巨匠の作品と、 現代の廃墟の画家、元田久治氏の作品。 「古代アッピア街道とアルデアティーナ街道の交差点」1756 こちらの作品は、実際の廃墟をもと

          「終わりのむこうへ:廃墟の美術史」

          水戸芸術館 霧の抵抗について

          水戸芸術館で行われている展示、 『霧の抵抗』by中谷芙二子さん について書きたいと思います。 ※展示期間は本日までとなっております。 中谷さんといえば、霧を発生させる作品で有名(霧の彫刻)です。 大阪万博から始まり、世界各地で霧の彫刻を発表されている巨匠の一人。 展示は、屋外のインスタレーションから始まり、 霧の彫刻のスケッチなどの制作プロセスや、プロポーザルが展示されています。 アーティストとしてすばらしい姿勢だなと思ったのが、 環境にやさしくするため、霧の成分を水

          水戸芸術館 霧の抵抗について

          フォーエバー現代美術館

          WACOL STUDYHALL KYOTOで行われている、 「神楽岡 久美 個展 身体と世界の対話 vol.2」に行くつもりが、 タイミングが合わず、代わりに、 2019年2月28日(木)をもって、閉館してしまう、 京都は祗園にある、フォーエバー現代美術館(https://fmoca.jp)へ行って参りました。 こちらでは、草間彌生「永遠の南瓜展」が開催されておりましたので、 そちらのレポートをいたします。 初期の作品から、昨今の作品まで幅広く展示されていました。 そんな

          フォーエバー現代美術館

          展覧会を観に行く

          年末ですね。。 京都で行われているこの展示、 https://www.wacoal.jp/studyhall/gallery/event/article88482 に行ってきたいと思います。 後ほどレビューいたします!!

          展覧会を観に行く

          番外編 セミナーレポート#3

          【セミナーレポート】 六本木アートカレッジ2018「自分と、アートと、ビジネスと。」 第2回セミナーテーマ ビジネスがアートから学ぶべきこととは? こんばんは。 表題のレポートを共有します。 六本木アートカレッジ art.academyhills.com モデレーターは、 スマイルズ代表:遠山正道さん。 ゲストは、 一橋大学教授:楠木健さん、 俳優:山田孝之さん。 各々、アートとビジネスの関係性を軸にお話しされました。 お三方のご意見を、私見絡めながらまとめていきます。

          番外編 セミナーレポート#3