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美術の時間〜聖母マリアの好きな服の色は青〜

美術を楽しむためには、
・理屈抜きに、感覚的に楽しむ部分(右脳)
・知識を使って、ロジカルに楽しむ部分(左脳)
の両面がある。

余談になりますが、
美術高校や、美術大学に進学する学生は、
小さいときに美術が好きだった人が多いため、
右脳として美術の楽しさに気づいた人が多く、
“感覚派”の人が多い。

一方、大学院になると、後天的に美術を好きになった人が多くなり、
“理論派”の人が多い印象でした。

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その両面を磨けば、これまで以上に美術をたのしむことが、
きっとできるはず。

では、本題。
美術の大きな文脈を捉えるために、
ピントはだいぶゆるく絞って、
大づかみで整理していこうと思います。

まず、大きく5つに時代を分けます。
①キリスト誕生〜1300年 ⇒ 中世
②1300年〜1600年 ⇒ ルネサンス
③1800年〜1900年 ⇒ 印象派
④1900年〜1940年 ⇒ 第一次世界大戦
⑤1941年〜 ⇒ 第二次世界大戦


なぜ急に戦争の話が入ってきているのかと思うかも知れないですが、
美術と時代背景は切っても切れない関係だからです。
※ここが、特に左脳を使う楽しみ方の部分になってきます。

まず、紀元前の話は置いておいて、
①キリスト誕生〜1300年について。

中世では、美術(絵)といえば「型をなぞること」。
作者名も個性も求められておらず、創造は神のみが成し得る、
という考え方が常識。

絵画といえば基本的に宗教画で、「型」を踏襲することが最優先でした。

たとえばイエス・キリストを表すならば必ず頭上に光輪を入れ、
服装や立ち位置はあらかじめ決まっている。

聖母子像ならポーズはこう、などと慣習的にルールが定められていた。
個性やオリジナリティなんて、だれも求めていなかったのです。

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上記の絵は、聖母マリアがキリストを身籠もっていると天使から告げられるシーン
『受胎告知』です。
テーマにもモチーフのルールがあり、
・天使がいること
・マリアがいること
・白い百合があること(純血の暗喩です)
です。

いろんな画家が描いてますが、それぞれ百合の登場のさせかたなどに
個性があって(ググるだけでたくさん出てくる)、見ていて楽しいです。

そして、個人的に面白いのは、マリア様が青い服を必ず身につけている点。
青がテーマカラーなんですね。なんとなく白いイメージでしたが、確かにいろいろ見ていくと青い服ばかりです。

この時代はここまで。
次回は、次の時代の話にフォーカスします。

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