見出し画像

【中国語講座】感謝してるのかな

いきなりですが、「花が咲く」って中国語でどういうかご存知でしょうか?

日本語は「咲く」という、花にしか使えない特別な動詞を使いますが、中国語では:
 

kāi

开放
kāifàng

こういう動詞を使うのでしたね。なんか味気ない気がするのは伊藤だけ?(笑)

花が咲くことを“开放”という動詞で述べるというのを見て、ふとこんな言葉を思い出しました。皆さん聞いたことありますかね?

百花斉放(ひゃっかせいほう)
百花齐放
băihuā qí fàng

これ、“百家争鳴(ひゃっかそうめい、百家争鸣băijiā zhēngmíng)”とセットでよく聞きました。中国共産党のスローガンです。調べると、1956年に打ち出したスローガンらしいので古い話ですね(苦笑)。興味のある人は色々調べてみてください。ここで色々書き始めると長くなりますので(笑)、書くのはやめておきます。

まぁとにかく僕が言いたいのは、花が咲く時に“齐放”っていうのも使えるなぁということです。一斉に咲くような場合にしか使えませんが。

さて、ちょっとここで日本の方に目を向けてみます。「咲く」という動詞に使われる、この「咲」という漢字、実は多くの中国人は知りません。日本で作られた漢字「国字」だと思っている人も結構います。よって当然読み方を知る中国人もあまりいません。

しかし、実はこれはれっきとした漢字。中国で作られた漢字の1つなのですね。では、どういう意味でどういう音なのでしょうか。

じつは、、、前にも書いたことあるかもしれませんが(笑)、これって:

咲 = 笑

そう、“笑xiào”の異体字なのです。つまり、発音は xiào で、意味も「笑う」という意味なのです。

日本の漢和辞典を見ても、「咲」は「笑」の古字と書いてあったりします。音読みはもちろん「ショウ」。ビックリですね。

そして僕はこういう時、色々想像するのです。昔の日本人は、花が咲くのを「あ~、花が笑ったよ」って思ったのかなぁって。なんか昔の日本人のそういう感性が、いいなぁって思うのですね。しらんけど(笑)。

さて、花は咲いたら、いずれしぼんで散りますね。寂しいですが、諸行無常です。。。

では、「花がしぼむ」は中国語では?

花谢了
Huā xiè le.
 
さぁ、伊藤は今度は中国人のことを想像します。中国人って花がしぼんだ時、「皆さん、僕をめでてくれてありがとう!」とか「虫さん、受粉を手伝ってくれてありがとう!」とか言っているように感じたのかなぁと思うのですよ(笑)。しらんけど。

まぁ本当のところは「しらんけど」、そうやって考えると、人生楽しいですよって話ですね。語学の勉強も大変なことが多いですが、こうやって覚えると楽しんで勉強できちゃうかもしれませんよ~。

通訳・翻訳家 伊藤祥雄
1968年生まれ 兵庫県出身
大阪外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業、在学中に北京師範大学中文系留学、大阪大学大学院 文学研究科 博士前期課程修了
サイマルアカデミー中国語通訳者養成コース修了
通訳・翻訳業を行うかたわら、中国語講師、NHK国際放送局の中国語放送の番組作成、ナレーションを担当
「文法から学べる中国語」等、著書多数

2021年5月までの記事は弊社の「翻訳コラム」でお読みいただけます。