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探求学習は家でこそ実施しようー(後編 そのメリットー)

 

これまで、このテーマで、前篇では、我が家で取り組んだ内容の一部の紹介を、中編ではその効果と思われるものをまとめてきた。

後編では、本人や家族にとってよかったこと、また他のご家庭で取り組まれても共通してもたらすメリットをまとめてみたい。

その1.生活力がつく

生きる力とは金を稼ぐことだけではない。困難にめげない、感動する、幸せをしっかり感じる、自分や人の成功を喜ぶ、工夫する、しっかりと人から教わる、人と協力する、人に感謝する、自分をほめる、理想や理念を考える、現実的なプランを計画する、ほか、よりよく生きるには、これらの力が必要だ。

いわゆる探求塾は、将来の研究者はつくれるかも知れない。でも、研究者でさえ生活のために頑張っているのだ。そして、そこでも知的な面の探求活動以外の、上述の生きる力が大きく関与するのだ現実だ。

研究者にならなくても、これからのAI時代では、これらの力がますます必要になってくるだろう。家庭内の生活課題の探求は、これらの力が自然と強められていくようである。

その2.家庭だと課題を継続できる

外部の探求塾だと、単元のような、先に用意された理科や歴史などのテーマがあり、一回ではなく何回にも分けて1つのテーマを追うという本格的なものもある。だとしても、単元ごとであり、また週に一回である。

 でも、家事や日曜大工のように生活に直結した課題だと、毎日であり、また何年も続く。同じ課題を継続的に深めていけることで、レベルがどんどん上がっていき、それを本人も実感でき、親も継続的にそれを観察できる。

その3 家事が楽になる 

家事だと、結果がすぐ出る(おいしくなる。きれいになる。片付く)ので、子どもも楽しめる。我が家は、最初は手伝いとしてくれるので、お小遣い制にしていた。

でも、探求モードになったものは、こちらがお駄賃を渡し忘れても、彼らはもらい忘れっぱなしが増えた。責任をもって任されて自由に、そして工夫してできたことで満足してくれているようだ。

その4 親子関係がよくなる 

やらせるのではなく、自分からやってくれるから。そもそも家族は、天候や外的から守るために団結し、知恵と力を助けあって生き延びてきたはずだ。例えば、昔だったら、たまたま手に入ったもの、目に入ったものが、「これって食べられるのか」、「食べられるようだけど、どうしたら硬さを無くせるか・美味しくなるか」などが日々の生存のための課題だっただろう。

現代でも、生活場面で実際に起こっていることへの問題解決型の探求をすると、親が教えるというスタイルではなく、家族が自然とフラットな関係になり、結果的に親子関係がよくなる気がする。

その5 スマホを渡せば、何でもすぐに調べて教えてくれる

  これは、解説が不要だろう。

その6 受験にも出る(らしい)

都立中学の適性試験でGパンの干し方が出たり、開成中学の社会だったか、地下鉄都営大江戸線の向きが出たり、中学受験も、生活課題と絡んだ問題が出ているようだ。

我が家は受験は意識してこなかったので、このあたりは、下記のより詳しいサイトをご参考に。

さあ、あなたもやってみよう

このようにメリットは多いので、是非、やってみよう。上のスタイルはあくまで私のもので、それぞれの家庭や親の強みを生かして取り組んでほしい。私のスタイルは1つの例に過ぎない。ただ、教育方法学や認知科学を学び、その後も公衆衛生学や予防医学など、生活習慣や生活環境に関わる分野で、研究者として探求してきたことで得られた理論やノウハウも生きているかも知れない。

サポートを計画中

前編の記事を読んでくださった方から、「このような探求を家庭で行う上で、何らかの形でサポートがもらえないか」といったメッセージを頂いた。なんとも嬉しいお申し出である。といっても、我が家の賄い食なので、他のご家庭用で、継続的に実践できるような教材にしたり、Q&Aの仕組みは、これから急いで構築いなければならない。

でも、当面、仕組みができるまでは、お試し的に格安で提供したいと思います。吸収できるだけしてもらった、いずれ自立して実践できるように、またお知り合いの他のご家庭にも広めていただけるようにも支援していきます。

まずはサービスができるまで、あるいはそれに参加しなくても、各家庭で具体的にできるように、今後の記事で、我が家で取り組んだ内容をもっと具体的に解説したり、背景にあった理論や、家庭で探求塾をする意義を公開していけたらと思います。