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親の生活習慣の改善に子どもをコーチにしてみたら・・・(後編 子供達の変化、親子関係の変化)

この記事には、前半があり、そちらは「親の変化」を扱った。長くなったので2つに分けたのが実情だが、後半から読んでもらって、「ではなぜ、そうなったのか?」と、前半は後から読んでもらってもいいかもしれない。とりあえず、リンクを貼りますね。



子ども達の変化

 前半の記事で記述したように、コペルニクス的な転換までして自分の生活習慣を変えようと努力する姿を子どもに見せたのは、それによって、子どもが自らの生活習慣を改善する力が高まるか、という仮説を実験で検証してみることが動機だった。そして、その先には、生活習慣が良くなれば、それだけで学校の成績も上がるという仮説の検証もあった。

しかし、次男については、朝、起こすとしぶしぶ起き、寝ろといったら寝るので、生活習慣を改善する力がついたかはわからない。風呂はいやがるから、改善はしないのかも知れない。

長女は生活習慣としては何の問題がなく、自分から寝起きや入浴、歯磨き、そして洗濯までするので伸びしろがないために、仮説との関係は不明。

成績についても、二人ともまだ小学校なので、成績も中学校のように明瞭でなく、順位などもわからないので学力への影響があるかも不明。

でも、

それぞれの子は、自分の頭で考えて行動する姿勢は強まったようだ。また、具体的な問題解決のために調べた知識を自分なりに組み合わせて、工夫する姿勢も高まったようだ。

それまでは、すごい物知りであるパパ、何でも的確な判断をすぐ下せるパパ、それを説得力と自信をもって説明できるパパ(と子どもが思っていると勝手に想像しているだけですが・・・)が傍にいるので、困ったこと、知らないことがあれば何でもパパに聞けばよかった。

そのパパが、ダメで弱い面を克服しようとしているのを見て、「自分がパパを助けてあげている」と本気で思い始めたのだ。実際、ダイエットや筋トレでマッサージでは、掛け値なしにそのとおりだ。当然、そのための方法はパパは知らないはずだから、自分がしっかりしなくてはならないと、考えたり、調べたり、工夫することになるのだろう。

もっともこれとて、この子らのもともとの性格や特性があったかも知れないし、それに学生への長年の教育方法から言っても、生徒に先生役をさせるスタイルなので、私のそのような性格や信念による接し方は、この夏や秋の仮説実験的なダイエットや筋トレ以前から、彼らに作用していないとは言えないだろう。

 でも、確実に変わったのは、親子の関係である。

親子関係の変化

 以前は、端的にいえば、子どもらしかった。何かしてほしいことがあればお願いされ、また不安があるときは「~していい?」といちいち許可を求めてきた。それに対して私も、子どもの願いをできるだけ叶えてやるのが愛情で、でも、本人にとって最適かどうかは、大人として判断して、ダメなときは、機嫌を損ねないように、説明する方法に腐心していた。

でも、子どもをコーチ役にしてみるようになってから、良くも悪くも、子どもらしくなくなった。対等な関係になったと言ったらいいだろうか。

 長女の場合、「パパ、そろそろ起きて、〇〇した方がいいんじゃないのお?」とか「これやってみたいけど、パパのお金が減るのはもったいないから、こんな一瞬で終わるものではなく、〇〇の方にお金つかった方がいいから我慢する」などと言う。まだ10歳なのに、これでは、まるで奥さんのようだ。

 先日など、「私はパパの先生だからね」と言ってきた。どんな顔をして言っているのかと覗き込んだら真顔だった。なので、こっちが聞き違えたのかと思って、

「ええー? じゃあ、パパは世の中では「先生」って呼ばれることが多いから、そしたら、「先生の先生」になるじゃん。すごい偉いねー!」

 と、試しに言ってみた。聞き違いだったら、「え、何言ってんの? そんなはずないでしょ!」と答えると思ったからだ。そうしたら、娘は、

「そうだよ。」

といった表情で、納得したような満足しているような表情をしていた。それには、こっちも驚いた。

この時以外も、日ごろは、まるで私が毎週、会っている女子大学生と会話している感じだから、少なくとも10歳分ぐらいは成長してしまった感じだ!

 これまでのように、何か事あるごとに「ねえ、これ何?」「これしていい?」と聞いてくれた可愛い娘とは、もう会えないのだろうか。

女の子は精神面の発達が男のよりも早いといわれるし、もともとの娘の性格もあるだろう。だから、これは、コーチ役をしてもらったことの寄与がどれだけかはわからない。

 いずれにせよ、自分で判断して、行動してくれるのはいい。子育てという点では、とっても楽だ。何なら、今度、こっちから相談事を持ちかけて助けてもらうか。

至福の時間

 次男の方といえば、こちらも自分の頭で考える傾向は強まったようには思うが、私に対して、「そんなこともわからないの?」などと、対等を超えて、こちらをバカにする発言が多くなった気がする。私は、あまり人からバカにされた記憶がないので、これには正直、カチンとくる。彼は12歳になったところだから、反抗期に入り始めた可能性もあり、コーチ役をしてもらったことの寄与がどれほどなのかはわからない。

ただ、嬉しいこともある。筋トレのコーチをしてくれていた頃からの習慣だが、彼は、筋肉をほぐすマッサージがとても上手い。こちらの身体を感じとる才能があるのか、と思うぐらい。最初は1分間10円だったのに、褒めると20円が普通になり、だんだんとこちらがお願いしてやってもらう関係になった。それでも、プロにやってもらうよりも激安だし、自宅だとそのままヨダレを垂らした感じで眠りにつけるのだ! 

話が横道にそれたが、息子もお金の交渉をしているように見せかけつつ、自分の価値を自覚していく過程での照れであろう。また、基本的にパパを気持ちよくしてやろう、という純粋な気持ちが指からふくらはぎに伝わり、とにかく言葉には表現できない至福を味わえる。

この記事の前半を書き始めた時は、子どもの生活習慣を改善するための秘訣、みたいなことで、私の経験がお役に立てば、と考えていたが、書き進めるうちに、仮説の検証ができているかどうかは、たかが2つの事例、それも当事者である親の観察では証明できないし、そんなことよりも、親子関係がどんどん変わって、仮説なんてどうでもいいぐらい、幸せな経験をさせてもらったことを思い出せた。

前半からの方は、こんな長い記事を最後まで読んでくださったのですから、ぜひ、次はその果実を得るべく、お子さんがおられる方は、これをご参考に、お子さんをコーチにしてください。自分の弱みをどこまでさらけ出せるか、が肝心になると思いますが、きっと思いもよらないことが、あれこれ起きると思います。

その時は、お知らせくださいね。一緒に泣き笑いしましょう。