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【読書】戦争は女の顔をしていない


第二次世界大戦のロシアとドイツ(ヒトラー)の戦いに参加した,「女性兵士」の証言を聞きまわって本にした。日本で言えば「きけ わだつみのこえ」が有名であるが,あれは多分全員男性の証言であろう。この本は全員が女性。しかも看護婦とかまかない的な後方支援で戦争に言ったのではなく,兵士として参加していた人たちの証言だから,読んでて「もう勘弁してください…」という感じになる。お腹いっぱいという感じ。

しかしあの悪い軍隊の見本的な日本軍でも女性が戦ていたという話は聞いたことがない。ロシアは実際に15歳くらいの女性が何百万人も戦争に出てたいたらしい。というのはもう男性が出払ってしまい,それでもドイツが攻めてくるので,国を守るためには女性も出ていけみたいな感じで。実際にライフルやマシンガンでドイツ兵を撃ち殺したり,地雷を戦車に投げつけたりというような戦闘行為の話が延々と語られる。

読んでいて,やはり戦争だけは絶対にやってはいけないという事をますます感じるようになるので,反戦教育の教材としては大変すばらしいと思う。一つ一つの描写が(実話なので当り前だが),あまりにもリアルで,夢にまで出てきそうな感じ。しかもこの時は,ソ連対ドイツという事で,ロシア兵とウクライナ兵も一緒に戦っているのだが,今まさにロシアとウクライナが戦っているというのも,感慨深いしやってられない。

ロシアでは戦争に行ったら恩給とかもらってある程度有利に暮らせたらしいのだが,流石に女性で戦争に行きましたと言うのを表に出すと,嫁の貰い手がないとか言う理由で隠していた人などもいて,このヒアリングが始まったのが終戦後20年以上たってからという事もすごい事だ。とにかく女性が戦っていた…という事を初めて知ったのでそれだけでも大驚きの本。

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