【読書】アクトレス
ひと言で言ってしまえば,国民的人気の女性歌手の姉が,妹を絞め殺す話。
しかしこう書くと身もふたもないが,例えばトップガンは,「腕のいい飛行操縦士が教官と出来てしまう映画」だし,あの名作マディソン郡の橋は,「欲求不満の男女が旅の恥は掻き捨てみたいにやる話」である(そうなのか)。
最近映画の短縮バージョンのサイトが問題になっていたが,私に任せてもらえばすべてひと言で表現して見せよう(笑)
さてこの本は誉田哲也らしくない。そう言い切るほど私が誉田哲也の本を読んでいるのかと言われれば,ほとんど読んでない(笑)。ただ私が一市民として新聞や図書館で知っている誉田哲也のイメージとは違うという事だ。何か私のイメージは,ハードボイルドの作家なのだが…。
主要な登場人物がすべて若い女性で,そこに芸能人がいて芸名が絡んでたりして,誰が何なのかさっぱりわからずに,全然話も見えなくて途中で読むのをやめようかとも思ったが,だんだんと人間関係がわかって来て,最終的にどうなるのか知りたくて読んでしまった。
主人公はモデル事務所に属してシナリオなども書いている女性。この子が書いた小説を,ある人が気に入って,かといってこのまま出しても売れないので,同じ事務所で国民的人気のある歌手が書いたとして売り出そうとする。書いた本人も納得してOKしている。その本は紙の書籍ではなく,Kindle的電子書籍で小出しに発表される形式。しかしその小説に書かれている事を真似した事件が起こり,これはこの小説を読んだファンが気を引こうと事件を起こしているのか…的に世の中が騒ぎ出すのだが,真相はそうではなかった。
この謎を解こうと,本当の作者である主人公が色々な手を使って,犯人を見つけ出し,家に行ったらそのまま監禁されてしまう。一人で動いていたので,回りの友人とか会社の人にしたら,いきなり連絡がつかなくなり失踪したのか…という事で,警察も動いて大事件的になるのだが…。
この消えた作家は実家もあるのでそこを当たってみたら,もと世界的な名声を得ていたバレリーナがお母さんで,家族に対する大変極端な考え方を持っており,それはそれで考えさせられる。家族だからと言って,相手をおもんばかるというのは,あまりにも理想の夢みたいな話で,結局は血がつながっていようがいまいが一人の人間として独立した生き物であり,期待するのはどっちにとっても無駄だ…的な。
結果的に,その芸能人は姉に殺され,その頃された理由が嫉妬で,しかしその嫉妬は妹(歌手)が仕組んだ嫉妬で,誰が一番悪いのか…となると,今まで私が書いていなかった人なのだが(笑),それはそれで楽しみに本読んでください。
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