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【卒展2022 Making Process】 #10運営班座談会

卒展委員長
吉田 健吾(よしだ けんご)(@444.kengo
多摩美術大学統合デザイン学科5期生
中村勇吾プロジェクト所属

こんにちは、統合デザイン学科卒業・修了制作展2022の委員長を担当した吉田健吾です。

八王子キャンパスで開催された、多摩美術大学卒業制作展・大学院修了制作展B日程も終わり、いよいよ幕引きとなります。今年度の卒展委員会が発足してから1年弱ほど、過ぎてみれば早いものです。

ここまでのMaking Processとは少し毛色を変えて、委員会の発足から展示の実施まで奮励してくれた7名で今年度の卒展をそこはかとなく振り返りました。


1.スピーカー紹介

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吉田健吾 / 委員長(右奥)
小笠原勇人 / メインビジュアル(右中)
加藤夕暉 / マネジメント(右前)
丸山孝穂 / 会計(左奥)
野村華花 / SNS(左中)
菱谷菜穂子 / 地域広報(左前)
原口こころ / DM・ポスター(手前)

(以下より、スピーカーは苗字・敬称略で記載致します。)


2.コンセプト

加藤:委員会が発足して、まず話し始めたのはコンセプトについてだったよね。
今までと比べてどのように変えたらいいのか、みたいな。

丸山:みんなで大喜利みたいに「こんな卒展はいい」をいっぱい持ち寄ったよね。
結構バラけた意見が集まっていた印象がある。

小笠原:過去の卒展で取りこぼしていたものをまとめて、それを修正する方向でやろうっていう話も出てたけど、結果的にはそれよりも新しいことに取り組んでいたよね。

吉田:「私たちの発表会」みたいなニュアンスは避けようって話にもなったね。外部の人にとっては学生の成長云々は関係ないから。それをやめてどんなコンセプトを立てようかってときに「好奇心」っていう言葉が出てきたよね。

全体像

丸山:コンセプトとビジュアルを決める話は並行していたよね。コンセプトワードを固定化しすぎてビジュアルがつくりにくくなった前例があったから、一緒に固めていったほうがいいんじゃないかってなった。

原口:まとまりやすかったし揉めなかったからいい決め方だった気がする。



3.オープンキャンパスとの違い

野村統合の卒展がオープンキャンパスみたいになってないかって来場者の方から意見が出てたよ。学科の説明をどこまでするか、統合デザインというものをどこまで伝えるのか。統合を知らない人に向けてってなると、やっぱりその説明からしなきゃいけないと思う。

小笠原:学科の話と個々人の作品の話を紹介するバランスが難しかったな。統合はカリキュラムや授業内容に特殊なところがあるから、前提として学科の説明が必要になったよね。

加藤:卒展期間中の多摩美の他の学科はあまりその学科を紹介しないイメージがある。歴史の差なのか学科自体が浸透していて説明の必要がないのかもしれない。まだ統合の卒展は5回目だから必要になってくるのかな。

原口:SNSは昨年に比べてひと月前から投稿を始めたから、内容を増すためにも学科の話がより増えたよね。

吉田:オープンキャンパスっぽくなることが悪いわけではないけれど、卒展のメインは作品自体だよね。でも、SNSの投稿が始まったりするときには作品はまだ完成していないからどんな投稿をするのかが難しかったな。

丸山:作っている段階のインタビューがおもしろかったから、卒制の途中段階をもっと見せてもいいのかもしれない。二転三転どころじゃない試行錯誤がおもしろいと思う。見せたくない人もいるだろうけど。


4.はじめての協賛

吉田:協賛を集めるのは初めての取り組みで大変だったけど頑張ったよね。結果、3社から協賛していただいたよ。

丸山:なぜ協賛を集めたかというと、去年より予算が出ない上に木材の価格が高騰してしまったからだったよね。少しでもどこかに助けて貰えたらと思って始めたけれど、協賛してくださった企業の方々はどうして協賛してくれたんだろう?

菱谷:元々繋がりがあるところに少し説明したら快諾して頂けたよ。

原口:そういった元々の関係があったから良かったのかもしれないね。完全に無関係のところからは協賛して貰えなかったから。

菱谷:商店街の方からも、町と大学で組むと補助金が出るからやらないかって話もあったんだよね。卒展と離れてしまうかもしれないけれど、町おこし的な地域に還元する動きもできると思った。統合ができる前、夜間の学科があったときはそのようなことしていたみたいだし。今年は手も足りなくてお断りしてしまったけれど、来年はやってみてもいいかもしれないね。

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5.連絡のとり方

吉田全ての連絡をオープンにしたいって話からSlackを使いだしたよね。連絡事項は全部見てたけど、特別ストレスは感じなかった。

小笠原:関わっているチャンネルが多い人はSlackが助かったと思う。逆に少ない人にはノイズが多かった気がする。

菱谷:LINEと違ってプライベートな内容が入ってこないから使いやすかったな。LINEで連絡することもあったけどグダグダしちゃったからSlackを意識して使ってた。

丸山:でも、少しだけ手伝ってくれている人とかにSlackに入ってもらうのが面倒だったな。そういう人にはLINEで連絡していたよ。うまく併用したら悪くないと思う。

原口学生全体との連絡は公式LINEを使ったよね。学年のLINEグループとは違って、委員会からの連絡だけが綺麗に並んでるのがいいと思った。

丸山:設営の時期になると、なし崩し的にLINEグループを使っていたよね。木材はどこにありますか?といった質問が個人に送られてきていたけど、そういった質問が見えるような形式にした方が良かったのかなと感じたよ。公式LINEとLINEグループの2つの棲み分けがうまく行っていれば良かったと思う。

吉田:ひと学年130人くらいいる中で連絡を取るのは難しいよね。メールで連絡を取るよりは良かったと思うけど、運営と展示班がそれぞれで連絡網を作っていて、生徒との連絡がうまくいかなかった。運営班と展示班との連携をもっと改善するべきだったと思う。

連絡手段

左:卒展公式LINE    学年全体に向けて卒展の情報を発信しました。
右:卒展用Slack      卒展委員会の連絡手段として活用しました。



6.人手が足りない

丸山:新しい取り組みをやってみたいけど、4年生がやると大変だってことが多かった気がする。やることを増やし続けるなら人も増やしていくしかないと思った。

小笠原:今は個人間で後輩を集めているよね。そうではなくて、もっと大きな人集めの仕組みがあってもいいかもしれないね。

吉田:関わりがある先輩の頼みだから手伝うってのもあるかもしれない。やることを増やしたいから人も増やすのか、限りある人数の中でできることを考えるのかのどっちかだと思う。

菱谷:4月から3年生と行動できれば引き継ぎもしやすくなると思うなあ。2年体制で卒展委員をやってもらう、みたいな。

野村:お手伝い的に参加してもらうと、指示出して動かすより自分がやっちゃったほうが早い、みたいになってしまうよね。先輩から引き継ぐために後輩を使った方がいいと言われて実践したけど、結果的に3年生の子たちのコミット量は少なくなってしまったな。引き継ぎのためには、もっと主要なメンバーとして後輩たちを入れなきゃいけないかもしれない

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7.最後に

展示の実施に向けて全てが順調に進んだわけではありません。ただでさえカロリーの高い卒業制作、それに130名以上の学生が一斉に展示をするとなれば、自ずとあちらこちらで衝突が起きます。それでも何とか終えることができたのは、研究室や教員の方々はもちろん、学生全員の協力があったからだと思います。拙い運営にも関わらず、展示を成立させて下さった5期生の皆さんに感謝しています。本当にありがとう!

最後までお付き合いいただきありがとうございます。
来年度の卒業・修了制作展もよろしくお願いいたします。

(インタビュー・編集:海保奈那・野村華花)


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