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【卒展2022 Making Process】 #09 SNS運用

SNS統括
野村 華花(のむら はるか)(@hana02_n
多摩美術大学統合デザイン学科5期生
深澤直人・長崎綱雄プロジェクト所属


こんにちは。統合デザイン学科卒業・修了制作展2022のSNSを担当させていただいた野村華花です。私からは、統合卒展により多くの方に足を運んでいただくために使用したSNSの運用についてお話ししていきたいと思います。

卒展にとってSNSは、統合デザイン学科についてより多くの方に知っていただく絶好の機会です。だからこそ、Instagram、Twitter、noteなどそれぞれのSNSの特色を活かすことで、たくさんの方に素敵な作品や学科の取り組みを届けることを意識して、運用をしていきました。


1.「好奇心」をテーマにしたSNSブランディング

「好奇心」が統合卒展2022のコンセプトとして決まった7月、SNS班の活動は本格化しました。昨年度の投稿を参考にしつつ「好奇心」を表現するブランディング戦略を練ってきました。SNSで統合卒展2022のコンセプトを魅力的に伝えるために、意識した4つのポイントをご紹介します。

a.例年よりも長期間の運用
b.「好奇心」を深掘りするインタビュー企画
c.ビジュアルに合った投稿文の口調
d.卒展への好奇心を誘う「卒展の見所紹介」


a.例年よりも長期間の運用
今年度は10月からSNSを公開し、過去最長となる投稿活動に挑戦しました。始動時期を早めることで、SNSから統合卒展に「好奇心」を持っていただく期間を伸ばすとともに、卒展のコンセプトである「好奇心」をフォロワーに浸透させる狙いがありました。


b.「好奇心」を深掘りするインタビュー企画
一昨年度から行っているインタビュー企画は、毎年、統合デザイン学科の4年生にインタビューする“在校生インタビュー”と、統合デザイン学科の卒業生にインタビューする“卒業生インタビュー”を投稿しています。今年度は「好奇心」をより強く伝えられる手段として、そういったインタビュー企画に力を入れて進めていきました。

インタビュイーを選ぶ際は、所属プロジェクトや外部活動、趣味などが被らないように配慮し「好奇心」の幅を広く持たせることを意識しました。また、インタビュイーの「好奇心」をより深掘りできるよう、インタビューの形式を前年までのアンケート形式から、zoomや対面での形式に変更しています。

動画で公開する在校生インタビューは、撮影本番で「好奇心」を最大限引き出せるよう、事前インタビューを行い、入念に準備しました。事前インタビューで丁寧に好奇心についてヒアリングをした後、撮影本番用の質問項目を作成して、インタビュー本番に挑みました。


c.ビジュアルにあった投稿文の口調
メインビジュアルでは、先史美術や古代文明のコンテキストから「好奇心」を表現しています。そこで、投稿文でも民族文様をモチーフにしたビジュアルに合わせて文化的で落ち着いた口調を規定し、統一したコミュニケーションを心がけました。
具体的には、絵文字の使用や!マークの多用をしないことなどをルールとしています。

スクリーンショット 2022-02-18 21.32.33

文章トンマナの一部


d.卒展への好奇心を誘う「卒展の見所紹介」
実際に来場したい!と思っていただくためには、フォロワーの方々の「好奇心」を引き出すことも重要です。そこで、今年度から新しく「卒展の見所紹介」の投稿を始めました。

当日の会場が、学生(制作者)の「好奇心の発表の場」となるだけでなく、学生と来場者の方々の「好奇心の交流の場」になるよう意識して投稿を作成していきました。その結果、企画系の投稿の中で最も人気の投稿となりました。



2.縦長動画の活用

今年度からInstagramのリール動画・IGTVで使用できる縦長動画を活用した投稿を行いました。
リール動画の特徴は、拡散力が強いことです。Instagram側も、リール専用のタブを設置するなど、積極的に縦長動画の閲覧を推奨していることに加え、TikTokの流行でショート動画に馴染みのある人が増え、ターゲット層に広くリーチできると考えました。

縦長動画のコンテンツとして作成したのは、以下の4つです。

・SNS始動ティザー
・在校生インタビューティザー
・在校生インタビュー
・CM

画像2

https://www.instagram.com/integrated_gw/reels/


結果としては、他の投稿に比べ、リール動画の閲覧数が約3倍になるなど、期待通りの効果を得ることができました。

反省点は、在校生インタビューの3つ目以降の再生数が伸びなかったことです。似た様な動画が12人分あったことが原因ではないかと推測されるため、複数の投稿をする際は、内容やサムネイルを工夫して1本1本を差別化する必要があると感じました。
また、縦長動画のデメリットとして、コンテンツ制作に多くの時間と人員が必要であることがあります。その点は、SNSの優先順位を考え、判断をすることが大切だと感じました。

まだまだ改善できる点は多くありましたが、学生の人柄や学科の雰囲気、実際の制作の様子をリアルに伝えることができたため、動画という手段を選んだこと自体はよかったのではないかと思っています。

縦型の動画を活用したのは、投稿だけではありません。インスタ広告のCMもストーリーやリールで流すことを想定し、縦長動画で作成しました。KPIを来場予約数に設定し、Facebookで運用、数値管理をしながら、1週間ごとに広告を打つ対象の設定を変更するなど、最適な広告設定を模索していったこともあり、目標の来場予約数1000件を突破することができました。

細かく数値を管理して、PDCAを回すことで、エンゲージメントやリンクのクリック率も高くなり、最終的なクリック数の単価は相場の3分の1以下である28円と、コストパフォーマンスよく運用することができました。


3.運用の運用

今年はSNS班の体制を見直し、昨年度に比べてチームの人数を大幅に増やしました。
SNS班は、他のチームと比べ、長期的な運用とコンスタントなコンテンツ作りが必要です。チームメンバー全員が、SNSの仕事と卒業制作、そして就活を両立するためにはどうすればいいのか考える必要がありました。

ここで重要視したのが役割分担です。以下の要領で時期に合わせてメンバー増員を行い、それぞれに役割をふることで、スムーズに運用することができました。

企画時期:メンバー4人。実装までのスケジュールを組み、SNS企画の見直しや、リクルート、運用をどのように進行していくかを模索。
コンテンツ制作時期:メンバー13人。メンバーが決まってから役割分担の見直しを行い、コンテンツ制作で生じる工程ごとに一人ひとりに任せて運用していく。


SNSに使用するビジュアルや写真などは、ビジュアル班と写真班にそれぞれお願いし、ビジュアルのクオリティを担保しつつ、SNS班はコンテンツの質に集中できる環境を作りました。また、3年生からもSNS班員を募集し、来年の卒展運用に向けて活動の一連の流れを知ってもらう機会づくりを行いました。

役割分担に加え、仕事そのものがしやすくなるような工夫も考えました。
インタビュー依頼の連絡や、インタビューでのトークスクリプトなどの人員と工数が必要なタスクは、テンプレートを作り仕事を効率化。スケジュール・投稿文・画像は、スプレッドシートを用いて、投稿に必要な情報をまとめて見られるように整え、簡単に全体像が把握できるようにしています。
それでも手が回らない状況が出てきた場合は、一時的に助っ人を入れるなどをして、仕事を抱え込むことがないよう調整しました。

反省点をあげるとするならば、テンプレート化によって、SNS運用者の個性が見せられなかったことです。そのため各SNSに親近感を抱きづらくなってしまったのではないかと思います。

ですが、上記のようにSNS班の組織体制を改善した結果、メンバーのほとんどの作品は、選抜作品や外部の企業の方に選ばれ、優秀な成績を収めることができました。もちろん、そういった選抜のみで作品の優劣が決まるわけではないですが、9ヶ月という長い間、SNS運用のために多くのタスクをこなしながらも、制作に力を入れられる環境を整えられたと思うと、メンバーの受賞をより嬉しく感じられました。


4.最後に

10月15日に投稿を始めてから2月16日現在まででInstagramのフォロワー数は約320人増加し、Twitterのフォロワー数は約450人増加しました。卒展終了後も毎日フォロワーが増え続けており、嬉しい限りです。

今回のSNS運用では、新たなことに挑戦しつつ、SNSを効率よく運用し続け、いかにSNS班メンバー全員が卒業制作や外部の活動とを両立できるかにチャレンジしていきました。

また、今年度もSNSを運用するにあたって本当に沢山の方にご協力いただきました。
インタビューに協力してくださった方々、編集に協力してくださった方々、昨年度のSNS班の方々、そして先生方、本当にありがとうございました。特に卒業生の方には、お仕事の合間に時間を作ってインタビューに関するやりとりを行ってくださいました。お忙しい中ご協力してくださったこと、この場を借りて改めて感謝申し上げます。

3/13-15に行われるピックアップ卒展が終了するまでSNS投稿は続きます。
よろしければ引き続きSNS投稿をお楽しみください。


SNS班
野村華花、海保奈那、河原香菜恵、加藤百華、蕪木彩加、白井美輝、近藤佑美、松坂陽日、浅見歩、石井麻菜、薩田恭祐、谷口えいみ

ビジュアル作成
小笠原勇人

撮影・編集
小笠原勇人、松尾光太郎、浅見歩、金子文音、境田健太

協力
インタビュー・編集に協力してくださった皆さま

(編集:海保奈那・加藤百華 )


3月13日から八王子キャンパスで開催される、美術学部卒業制作展・大学院修了制作展B(ピックアップ卒展)では他学科の作品も同時に鑑賞できる展示となっております。是非ご来場ください!

多摩美術大学 美術学部卒業制作展・大学院修了制作展B(ピックアップ卒展)

会期
3月13日(日)〜3月15日(火)
10:00 - 18:00(最終日15:00まで)
場所
多摩美術大学八王子キャンパス アートテーク
東京都八王子市鑓水2-1723
交通
JR・京王相模原線「橋本」駅北口ロータリー6番バス乗り場より神奈川中央交通バス「多摩美術大学行」(運賃180円)で8分、JR「八王子」駅南口ロータリー5番バス乗り場より京王バス「急行 多摩美術大学行」(運賃210円)で20分
詳細2021年度 多摩美術大学 美術学部卒業制作展・大学院修了制作展B

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