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統合デザイン学科4年生インタビュー#03河添茉夕奈

河添 茉夕奈(かわぞえ まゆな)
多摩美術大学統合デザイン学科5期生
永井一史・岡室健プロジェクト所属


ー現在の主な活動について簡単に教えてください。
課題以外の自主制作でおもちゃを作ったり、サークルの活動内で漫画を描いたりしています。大学1年生の頃から「ストーリー表現研究会」というサークルに入っていて、年1回テーマを1つ決めて、それに従って作品を作り展示をしています。


ー海外に留学していたとお聞きしました。理由や経緯を教えてください。
日本には無いアメリカのおもちゃや映画、漫画ならではの色合いや雰囲気が好きで、そういうコンテンツを直接見たかったので高校卒業後にアメリカに留学しました。留学するために美術学校の留学コースに通っていたのですが、そこにはアメリカの有名なアニメーション学校に合格するために通っている人たちがたくさんいました。その人たちが、分析したことや描いたものをスケッチブックにまとめるということをしていたので、私も参考にしながら1冊の中にイラストをたくさん描いたり、映画の構造や既存のグッズ、コンテンツを分析してまとめるようにしています。


ー今までの作品について教えてください。

サイコロ_SNS投稿用に作った画像

「逆転」がテーマの、サイコロが主役のおもちゃです。1対1で戦う小学生向けのバトルホビーです。大きなサイコロに絵がプリントしてあり、ピンチになればなるほどサイコロが転がって、絵の内容が変化します。例えば岩でできたライオンは攻撃を受けるごとに硬い殻を壊されて、マグマでできたチーターに変化します。その際攻撃時に参照する数値も変化するので、ピンチになればなるほど一か八かの逆転を狙える、という内容になっています。絵の背景にキラキラの箔を貼ったり、私が思うホビーの好きな要素を詰め込んでいます。このサイコロ本体を作る際はプロダクトの授業で学んだCGモデリングを生かし、3Dプリンターで出力して実際に手に取れるおもちゃに仕上げました。 ルール・ロゴ・イラスト・プロダクトなどを総合的にデザインしたところが、私の一押しのポイントです。


ー総合的に手がけるのが好きなのですか?
そうですね。コンセプトを決めて、分析して要素を集めてきて、そこからデザインを作っていくという一連の流れが好きです。漫画を描いていたのもあって、作品内で使う絵も全部自分で描きたいと思っています。自分1人で全てを構築していくのが楽しいです。


アイドル_SSRカード

アイドル_サービス開始集合絵

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大学2年生の時に、友人2人と「VStage」というタイトルの架空のソーシャルゲームを企画しました。結構大掛かりな企画でした。月に一度、VstageのTwitterアカウントでイベントをお知らせするイラストを投稿し、それを1年間続けたのち、締めに芸術祭で展示をしました。私は「これやらない?」って2人に持ちかけたり、あとはタイトルロゴ、カードのイラストや縁のデザインなどのグラフィックデザインを担当しました。

TIME_ポスター

ticket もともと 2


『TIME LINE FONT』というフォントのデザインです。「タイムトラベルを提供するはるか未来の会社がチケットに使用しているフォント」という設定で制作しました。少し未来風な幾何図形っぽい四角いフォントなのですが、過去にも行けるような、ちょっとノスタルジックな雰囲気を出したかったので文字に筆の払いのようなポイントをつけました。過去と未来、両方の雰囲気が出るフォントにしました。SFチックで新しい印象があり、お気に入りです。


ー制作において大切にしていることはなんですか?
私は好きなものがはっきりしていて、とりあえず自分の好きなように制作してしまうのですが、そうすると毎回同じようなものが出来上がります。それはつまらないと思うので、おもちゃを作るのなら既存のおもちゃを買ったり、資料や画像を集めて「おもちゃらしいってなんだろう?」とか「どうやったらかっこよくなるんだろう?」と考えたことをスケッチブックに描いて、分析することを大切にしています。スケッチブックには他にも、街角で見かけたポスターのロゴや授業中に出てきたアーティストの名前などをメモするようにしています。これを1冊持ち歩いていれば、出先で見たものを即座にこれにメモできるし出先でもアイデアを考えられるので、情報が全部ここに集まって、考えが整理されます。

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ー卒業制作はどんなものを作ろうと考えていますか?
私は自主制作で既におもちゃを作ったので、「おもちゃの次はゲームを作りたいな」という単純な興味からゲームを作ろうと考えています。普通に売られているゲームは、ユーザーに楽しく遊んでもらうために余分な要素や迷ってしまうところをなくす工夫がされています。そのおかげですんなり遊べていると思うのですが、その工夫がなくなってしまったらどうなるんだろうと思い、それを再現した作品になっています。ユーザーがゲーム画面を見て、意味不明だと感じたり、なんだこれと思ったことに立ち向かってクリアを目指すのも楽しいんじゃないかと思って、そういうところを目指して制作します。


(インタビュー・編集:蕪木彩加)

Twitter:@RAGIKIRIN1


次回の統合デザイン学科4年生インタビューは...!

「なんか良い、面白い」をつくり出す。
新嶋 晃基(にいじま こうき)
多摩美術大学統合デザイン学科5期生
永井一史・岡室健プロジェクト所属

合同同人誌やWeb、グラフィックを制作している新嶋さん。
変わっているレイアウトや文字組み、グラフィックを作っている作家さんやデザイナーさんの作品が好きだそう。
元は苦手だったWebデザインを好きになったきっかけとは。
4年生インタビュー代4弾公開中です!




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