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統合デザイン学科4年生インタビュー#04新嶋晃基

新嶋 晃基(にいじま こうき)
多摩美術大学統合デザイン学科5期生
永井一史・岡室健プロジェクト所属

ー現在の主な活動について簡単に教えてください。
最近の自主制作だと、「シグマガジン」という合同同人誌を、自分が企画・制作・販売していました。7人のメンバーがいて、そのうち自分ともう1人のメンバーで全体のデザインをしつつ個人ページの作成などをしています。


ー好きなもの・興味のあることはなんですか?
ちょっと変わっているレイアウトや、普通こんなの思いつかないでしょと思うような文字組み、グラフィックを作っている作家さんやデザイナーさんの作品が好きです。


ー作品について教えてください。

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1つ目は『旅とクッキー』という作品です。旅を擬似体験することをテーマにしたお菓子です。
2つ特徴があって、1つ目は、いろんな都道府県に切り取られた形のクッキーの色がそれぞれカラフルで違うんですね。この色と味は、その都道府県の名産品になっています。例えば北海道で言うと、名産品が夕張メロンなので、夕張メロンの固有色の黄緑と味になっています。

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2つ目の特徴が、クッキーの付属で日本列島の白地図がついています。これを見ながらクッキーの形は何県なのかなと探りながら食べていくプロセスになっています。

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パッケージも、小分けになっている状態では何味なのか、何県なのかが書いてありません。正解は、小分けのクッキーの袋に入っている二つ折りの都道府県カードに書いてあって、なぜこの都道府県の名産品がこれなのか、という豆知識が書いてあります。

こういったプロセスを通すことで、今まで知らなかったことに出会ったり、その場所に思いを馳せるような体験がお菓子を食べている時間の中ででできるという作品です。



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2つ目は、メンズコスメブランドの『for_M』という作品です。
「缶コーヒーを買うくらい気軽に」男性が身だしなみを整える手段として化粧を選べる、試せる未来を作ることをテーマにデザインしました。最近化粧品に興味を持っている男性が増えてきていると思いますが、男性へのコスメの窓口をより広くできないかということを考えて制作しました。

2つ特徴があります。まず1つ目が、試供品サイズでの展開であることです。1箱3回分くらいを考えていて、通常であればもっと多い容量だったり、料金も1つあたり600円からそれ以上だと思います。でも、今まで触れてこなかった人たちにとっては手が出しづらいため、試供品のサイズ感にすることで挑戦しやすくなるように考えました。

2つ目が、自販機での販売経路にしています。
AIフィルターとカメラが設定されており、お客さんが前に立って写真を取っていただいて、その写真からお客さんの肌にあうファンデーションを選んでくれる機能があります。自販機が美容部員的な立場で案内してくれるため、予備知識なしに気軽に購入できる流れにしています。最終的な購入形式は、封筒に使い方ガイドと化粧品が入っています。

自分も大学入ってから化粧を始めたんですけど、購入も何も知らないし、メンズコスメの展開の少なさや、ドラックストアでの男性の入りにくさなどの初期段階での入りにくさを解決できないかな、と思い制作しました。自分の経験に基づいた「これどうにかできないか」と思ったことが一番表れている作品ですし、自分ならではのデザインができたと思います。



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3つ目は『シグマガジン』です。
これは、自分たちがなんか面白くていいなと思っていることをテーマに、友人数名と不定期に発行している合同同人誌です。
「なんかおもしろ良い(イイ)」というワードを私たちが作ったんですけど、
(おもしろい(Interesting)+良い(good)を組み合わせた造語です。
「良い」の定義が、人によって”good”や”beautiful”、”nice”とか、幅があると思うんですけど、そういった「理由はわからないけど良いよね」ということを、毎刊ごとのテーマにそって、みんなで考えて、グラフィックやイラスト、写真、文章にしたりしています。

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シグマガジンのwebも担当しています。
WEBを制作した理由は、第1回目の発表がちょうどコロナ禍で、みんなに学校で会えなかったということがあって。でも、発表はしたかったのでWEBを作ることになりました。web上でも、本を開いているような体験にしたくて、スマホ版とPC版両方を作りました。ぺらっと手でめくれる仕様になっています。

シグマガジンWebsite:
http://integrated-design.jp/DB2web/2019/summer/sigmagazine/


ーWEBデザインを好きになったきっかけを教えてください。
大学2年生のwebの授業から始めました。
その時は全然できなくて、好きじゃなくて、意味が分からなくて、でもなんか悔しくて。ポートフォリオサイトを今後作りたいと思って勉強は続けていたら、最近やっと分かるようになってきて、好きだと思えています。
自分のやりたいことをごちゃごちゃにやっているので、正しいUIとかUXとかの勉強はしていないんです。ただ楽しくweb上のこういうことできないかなというのをやっています。実際はスケッチに起こすべきところですが、自分は要素を画像で書き出して配置してやめて、という失敗を夜中にやるのが楽しいです。


ー将来的はどんなことへ関わっていきたいですか?
グラフィック系のデザイナーになりたいです。
媒体は問わず、ブランディングや本の装丁など、自分が退屈しないような仕事がしたいなと思います。相手も自分も楽しませるようなことがしたいです。


ー卒制ではどのようなものを作ろうと考えていますか?

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3年次に制作した動く欧文フォントをブラッシュアップして制作しようと考えています。
3年生の時は、ただアルファベットに動きをつけただけだったのですが、卒制では、何か特定のストーリーがあり、それを文字でレイアウトしつつ、文字自体が動いてその状況を作るみたいな。タイポグラフィとイラストレーションの中間の表現をした作品にしたいと考えています。

(インタビュー・編集:野村華花)

Website:https://koukiniijima.com/


次回の統合デザイン学科4年生インタビューは…!

「日常の中に潜んでいるものを観察する」
武井隼人(たけい はやと)
多摩美術大学統合デザイン学科5期生
菅俊一プロジェクト所属

文字や言語を取り扱い、散歩して看板や広告を色々見ることが好きな武井さん。
その愛は自主制作で作字を1日1個、電車の移動時間で作っているほど。
そんな武井さんが思う文字や言語の魅力とは。
4年生インタビュー第5弾公開中です!

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