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統合デザイン学科4年生インタビュー#07井上葉月

井上葉月(いのうえ はづき)
多摩美術大学統合デザイン学科5期生
佐野研二郎・小杉幸一・榮良太プロジェクト所属


ー現在の主な活動について簡単に教えてください。
現在は主にイラストを描いたり、写真を撮ったりしています。


ーイラストや写真に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
小さい頃からイラストを描いたり、何かものを作ったりすることが好きでした。中学生の時は美術部に入っていて、顧問の先生に描くことやものづくりの楽しさをたくさん教えてもらいました。美大に行きたいという気持ちは小学生くらいの頃からずっと持っていて、美術系の高校に行くことを考えていました。ですが、高校生になったら他にやりたいことが出てくるかもしれないから、とりあえず普通科に行ってみたら?と親に勧められて、確かにそうだと思い、普通科の高校に行きました。高校生の時も、文化祭の装飾品やポスターなどを描かせてもらっていました。やっぱり美術って楽しいなという気持ちがずっとあり、美大に来ました。
美大に来て、最初のうちは周りのみんなの凄さに圧倒されつつ、描いているうちに自分なりに「こういうイラストが描きたいな」というのが出てきて。写真も大学生になってからカメラを買って始めました。技術的なことも大学で学んだけれど、やっぱり撮ることが楽しいなとか、描くことが楽しいなというのが主にあり、それでずっと今まで続けてきています。


ー今までに制作した作品について教えてください。

井上_スケッチブック


これはイラスト作品です。日常で見つけたちょっとした幸せなことや嬉しかったことを日記のように描いています。クロッキー帳に描くことが多いですね。ボールペンを使って一発書きをしています。手順としては、まずイラストを描く場所を決めて、描いた後に文字で画面を埋め尽くすような感じです。これは2020年くらいから描き始めたもので、去年は自粛期間がかなりあったので、その中で自分が少しでも面白かったとか、なんとなく良かったなと思うことを見つけて描くようにしていました。

井上_餃子

井上_イラスト2

井上_イラスト1

iPadでもイラストを描いています。iPadで描く時は、様々な色を使っています。最近は食べ物のイラストを描くことが好きだと気付き、よく描いています。レシピを借りて、それをイラストに起こしてみたりもしています。
アルバイトではPOPをよく描いています。「絵描けるんだったらぜひ描いて〜」と言われたことをきっかけに始めました。これも結構為になったというか、自分の力になったと感じています。なぜかというと、描いてと言われたものを限られた時間の中で描かないといけなくて、画材も15色くらいのマッキーの中から選んでいて。その限られた時間と画材の中で、お店で目立つようなビジュアルを描くっていうのが楽しかったし、すごく自分の力になったと思っています。描く対象物を色んな角度から観察し、どうやったら魅力が伝わるのかというようなことを考えるのが好きなのかもしれないです。
自分が良いと思ったものを、誰かに知ってもらいたいとか見てもらいたいという思いがあって描いているのかもしれないですね。自分のお気に入りのものをみんなに伝えたいです。

井上_写真


これは『NO FACE PORTRAIT』です。他者の認識を拒み、被写体の人格を映し出そうとした写真作品のシリーズです。ポートレートというと人の顔をメインで撮ることが多いような印象があるのですが、人の顔をメインで写すのではなく、手や足などその人の仕草を写したいなと思い、人の手と他に何か物を組み合わせた写真をよく撮っていました。体というものは人それぞれ基本のかたちは同じでも少しずつ異なっています。顔のように違いが顕著に表れているものではないですが、そこには確かに違いが存在します。はじめに顔にスポットライトが当たるとしたら、体の末端に光が当たるのはきっと最後の方になると思います。ですが体の末端には不思議な魅力を感じます。そこを探りながら表現し続けたいです。


ー今後はどんなことをしていきたいですか?
今の自分が制作しているイラストや写真を続けながら、新たにやりたいことを見つけていきたいです。
今後自分は、食品会社のグラフィックデザイナーになります。食品のパッケージや広告、CMの制作など、幅広い種類のお仕事に携わることができるとお聞きしたので楽しみです。今まで自分のやってきたことが活かせるのではないかと思っています。様々なものの魅力をより多くの人に伝えたいです。


ー卒制はどんなものを作ろうと考えていますか?
卒制はイラストをメインにしたものを作りたいです。まだ展示の方法などは決まっていないのですが、先程紹介したクロッキー帳のような細々としたイラストを描きたいと思っています。来てくれた人が、イラストをじっくり見て、「何が描いてあるんだろう」と読んで楽しむことができるような展示にしたいです。

(インタビュー・編集:加藤百華)

Twitter:@i8h_24
Instagram: @_leafmoon24


次回の統合デザイン学科4年生インタビューは…!

「豊富な資料と主に美しい作品空間をつくる」
河島倫子(かわしま りんこ)
多摩美術大学統合デザイン学科5期生
佐野研二郎・小杉幸一・榮良太プロジェクト所属

アートディレクションや、グラフィックデザインを基軸に紙媒体のデザインを制作している河島さん。
自分が納得できるまで作品を作り続け、好きなものをたくさん買って資料にすることを大切にしていそうです。
そんな河島さんが集める資料の基準とは。
4年生インタビュー第8弾公開中です!


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