見出し画像

統合デザイン学科4年生インタビュー#02リ・ユフェイフェイ

リ・ユフェイフェイ
多摩美術大学統合デザイン学科5期生
深澤直人・長崎綱雄プロジェクト所属

ー現在の主な活動について教えてください。
大学では主にプロダクト製品を、個人的にはUI/UXデザインとコーディングを行なっています。


ー中国出身とのことなのですが、統合にはどういった目的で来られたんですか?
中国にいた時はインターナショナルスクールに通っていたのでアメリカの大学に行くはずだったのですが、アメリカンな環境に飽きてしまったので、日本へ留学しに行こうと考えました。当初は経済学を専攻しようとしたのですが、真逆のデザインにしようと思いました。でもグラフィックとか工業デザインとか、結局何について興味があるのか自分でもよく分からなかったので、多くの可能性を感じる統合デザイン学科に行った方が将来的にやりやすいんじゃないかと思い、統合デザインに入学しました。


ー今までに制作した作品について教えてください。
インターンシップの方々と打刻サービスのアプリバージョンを作りました。去年とあるIT企業のインターンシップに参加し、その中のハッカソンで制作した作品です。1週間くらいで自分がやりたい事を開発するイベントだったので、インターン先の企業が使用しているサービスのアプリバージョンを作ろうと思い、初めてUI/UXを作ってみました。

画像1

こんな感じのアプリバージョンを作りました。今はクロックインが終わった状態で、こちらのブレイク、休憩ボタンをクリックしたら自動的に記録が残ります。

画像2

画像3

今の時刻を記録するタイム機能が搭載されているのですが、他の時刻に調整することもできます。こんな感じで、クロックアウトしたらこの1日の記録が残る仕様になっています。

画像4

特別な機能としては、エマージェンシーシックリーというものを搭載しました。例えば、同僚たちに欠勤の連絡をするときは毎回定型文を書くじゃないですか。そんな時はこの画面で休む日を選択し、社内用SNSツールで欠勤の定型文をコピぺすることができます。

画像5

画像6

画像7

他にも、日ごと、月ごとの働いた記録のビジュアライゼーション機能もあり、取得可能な有休日数や、欠勤の連絡、社員がのぞむワークライフバランスがわかります。

画像8

画像9


で、その操作が終わったら、ここに「ちゃんと申し込みを出しましたよ」という画面が表示されます。

画像10

これは企業のワンデイインターンシップの際に制作した「エニベント」というオンラインイベントサービスです。自分が開催したいイベントにオンライン、オフライン問わず参加できるサービスを考えました。この画面ではオススメのイベントが出てきます。

画像11

コミュニティ機能もあります。自分が参加したいコミュニティ、例えばK-POPのコミュニティや自分のクラスのコミュニティなどが並んでいます。

画像12

コミュニティに入ったらこういった画面で、一番上にイベント内容が出てきます。下の方はチャットルームで、イベントの詳細を確認したら参加するかしないかを決めます。

画像13

参加したらこのような画面になります。画像は、オンラインイベントの設定でユーザーがカメラオフの状態なのです。退会をすると、また新たに自分が参加したいイベントやオススメのイベントが出てきます。
この作品はコロナの時期にソーシャルディスタンスに注意しながら考えたサービスですね。


ーUI/UXどんなところに魅力を感じていますか?
お金をかけずに制作できるものはデジタルのプロダクトしかありません。課題で立体物を制作するときも、例えば3Dプリンティングを使うとフィラメント1つだけで3、4千円かかっちゃいますし。


去年、ある企業が無料のプログラムの研修を開催していたのでやってみたいなと思い参加をしました。当時はあまりコードを書いた経験が無いのにも関わらず、勢いでパイソンで学び、ループできるコーディングテストや面接を受けて、合格したのでそこからコーディングをし始めました。


ーUIUXを作る時に気をつけていることは何ですか?
UIUXをデザインする時に一番大事なことは、自分の好みは意味がないということです。自分の好みで作ると結局、制作物を好きになっちゃいますから。ユーザーのために作っても「なんか違う」となってしまうんです。なので、できればアプリのデザインをオシャレにしすぎない方がいいと思っています。今のアプリのデザインはほとんど似ているじゃないですか。それはある程度欧米のスタンダードが決まっているからで、適当に格好いいものを作ろうとしたら逆に違和感が出てしまうので、そこは注意しないといけないところですね。
あとはアクセシビリティがすごく重要です。小さな文字は20、30歳を過ぎたら見えづらいとか、そういったことも踏まえて誰でも使いやすいものを作ることが一番大事なことだと思っています。


ー卒制は今のところどんなものを作る予定ですか?
そうですね。プログラムが運転している時に、どういうコードで動いているのかをビジュアライズしようと考えています。展示形式としては映像的なもので、私が考えたプログラムは1つのコアがあって、もう少し大きいものがそれを包んで......それが永遠にループをしているイメージです。それに基づいてループをテーマにする映像作品を制作予定です。


ーそういったテーマでやろうとした理由は何ですか?
現在私が仕事で使っている技術は、ウェブサイトやアプリを開発するための技術で卒業制作のために使う技術とは全く違います。今回はいいチャンスなのでプロセッシングを学んで楽しみながら制作したいと考えたからです。

(インタビュー・編集:海保奈那)

Website:https://lottie0914.myportfolio.com/webapp


次回の統合デザイン学科4年生インタビューは…!

「収集と分析で世界観をつくる」
河添 茉夕奈(かわぞえ まゆな)
多摩美術大学統合デザイン学科5期生
永井一史・岡室健プロジェクト所属

日本には無いアメリカのおもちゃや映画、漫画ならではの色合いや雰囲気が好きで海外に留学した経験がある河添さん。作品もポップな印象です。
自分の好きなように制作すると、似たようなデザインが出来上がる問題を阻止するために行なっている工夫とは。
4年生インタビュー第3弾公開中です!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?