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NewsPicksで働いて1年経過後の所感

前回の退職エントリがnote初投稿で、早いもので転職して1年が経過しました。記憶が残っているうちにこの1年の仕事や転職してみてどうだったかを振り返ってみようと思います。
もし私のようにSIerから事業会社への転職を考えている方がいらっしゃれば、参考になれば幸いです。

筆者プロフィール

  • 2児の父(6歳の娘・1歳の息子)

  • ITエンジニア12年目

  • SIerのインフラエンジニア→事業会社のSRE

転職の経緯

こちらの記事に記載した通りですが、転職の目的としてはざっくり以下の2点を実現したいと思っていました。

  1. 事業会社でエンジニアとしてやりがいを持って仕事ができること

  2. 業務の中で自分で手を動かして技術力を高められること

後ほどそれぞれの理由と実際にどうだったかを振り返ってみようと思います。

この1年何をしていたのか

2021年10月に入社して、入社1ヶ月半で第二子が生まれて1ヶ月半の育休を取得したので間が空いていますが、約1年間株式会社ニューズピックスでの仕事を経験して、今はSREチームのリーダーとエンジニア採用担当をしています。

1年間の出来事

  • 2021/10~2021/11中旬

    • SREチームのシニアエンジニアとしてJoin

    • 入社時研修(デジタル教材)と並行して、OJTでチームのスクラムに参加し、スプリントごとにポイントを少しずつ他のメンバーに合わせて増やしていく形でオンボーディング

    • チームで取り組むコンテナ移行プロジェクトの終盤だったので、並行稼働のモニタリングやトラブルシューティングを手伝いながら戦力化の目処がついたところで育休で離脱

  • 2021/11中旬~2021年末

    • 育休中は会社の仕事はしてません。ひたすら寝かしつけとおむつ替え

  • 2022/1~

    • SREっぽい活動をしたいと思い、SLOの改善に取り組む
      とりあえず策定されているが違反しても何が起こったのかわからんという状態のSLOを、New Relicを使ってシステムの可用性やレイテンシーを説明でき調査しやすいように整える活動をした(これとかこれとか)

    • エンジニア採用に興味があったので、採用で大変そうだったCTOに「採用やってみたいです」と名乗り出たら、エンジニア採用の推進全般に関わることになった(面接やってみたい、くらいのノリだったのに…)

    • いつのまにプロダクト開発チームのチームアップ委員会(社員の交流・成果共有の促進と企画運営)のメンバーになっていた

  • 2022/4~

    • 国際情勢の変化から円安によるAWSコスト増の危機感を感じて、チームの活動をコスト削減にシフトする舵取りと、自分でもいくつか大物のコスト削減を推進した

    • チームのサブリーダーとしてチームの成果に説明責任を果たしていく活動と情報発信を少しずつ増やしていった

    • エンジニア採用のためスカウトと書類選考とカジュアル面談・面接に業務の3~4割の工数を割いていた(この後から今もずっと)

  • 2022/7~

    • SREチームのリーダーになり、チームへの相談や問い合わせの一次請けを行い自分でもタスクを片付けながらメンバーをアサインしてチームの開発をリードするプレイングマネージャーの役割を担うようになった

    • 自チームの採用にも力を入れつつ、エンジニアの採用計画をもとにスカウトや選考フローのオペレーションの取りまとめを行うようになった

  • 2022/10~

    • JAWS DAYS 2022やAWS Dev Day 2022でこれまでの取り組みのある種成果発表的な登壇をする(JAWS DAYS資料AWS Dev Day資料

    • 新卒採用が本格化。選考フローの検討・見直しをしつつ週3~4で面談・面接

振り返ってみるとまぁ忙しいですね。前職での3年分に相当する経験をした気がしており、「まだ1年しか経ってないのか…」という印象です。やはり環境を変えることで経験の密度は濃くなると思いました。

転職してみてどうだったか

前述した転職の目的に沿ってどうだったか振り返ってみます。

エンジニアとしてのやりがい

1つ目の狙いは「事業会社でエンジニアとしてやりがいを持って仕事ができること」ですが、入社前とのギャップはなかったです。
背景として、前職のSIerでは受託開発のビジネスモデル上どうしても顧客の事業やエンドユーザーの理想に対して当事者意識を持って仕事をするには難しいというモヤモヤを感じており、事業のビジョンに共感しユーザーのことを考えエンジニアとして問題解決ができる仕事に全力で取り組んだら楽しいだろうなと思っていました。
NewsPicksは転職前から使っていたサービスであり、経済ニュースや他者の視点を通じて自ら考え行動する人を増やすという事業のビジョンにも間違いなくこれからの社会にとって必要なものであると思い共感しています。実際に入社して働く中でも、経営の意思やユーザーの声、システムの課題は日々多く耳に入ってくるので、エンジニアとして自分ができることは何かを探す毎日です。自分の意思とやりがいを持って主体的に楽しく仕事ができているという意味で狙い通りだったと思います。

技術力の向上

2つ目の「業務の中で自分で手を動かして技術力を高められること」については結局は環境ではなく自分次第というのを実感しました。そして自分の意思は反映しやすくなりました。
前職の私の環境はクライアントワークや資料作り・社内調整に忙しく、かなり身を削って自己研鑽をしないと業務を通して技術力を向上することは優先度が下がりがちになる現場でした(大企業のお客様との関わりの中で得られるエンジニアとしての成長ももちろんありましたので貴重な経験をしたと思っています)。2人目の子供が生まれるタイミングで夜間休日に勉強することが難しくなることが予想されたので、家族との時間を優先しつつ業務の時間内でサステナブルに技術力の向上ができる仕事にスイッチしたいと考えていました。そうしなければ、技術力の向上は一定諦めなければならず「サラリーマンとしては続けていけるけど、エンジニアとしては昔取った杵柄だけで戦っていくおじさんになって終わるな…」と思っていました。
現在の業務の中での技術力向上ですが、やろうと思えばいくらでもできる環境です。私はプレイングマネージャーなので、自分の裁量で業務の多くをコードを書いたり実装する時間に充てることも可能だと思います。ただ実際にはそうはしておらず、エンジニア組織やチームの成長のために、エンジニア採用やチーム運営の整備、人とのコミュニケーションに多くの時間を割いています。これは事業や組織の成長のために自分が貢献できることは何かを考えた結果、このような動きになりました。「技術に取り組みたいけど時間が取れない」ではなく「技術に取り組むことも業務に含まれるが、自分が事業にコミットしたいという意思に基づいて業務の優先度を調整している」という状態になっています。その上で手を動かして技術を身に着けようと思うとオーバーワークや自己研鑽になってしまうというのは前職と同じですが、目的に納得できていて自分のキャリアにも資すると思っているので精神衛生上は随分良くなりました。

余談:給料について

転職エントリの読者の関心事としては一番気になる部分かと思います笑
やりがいだけでは生きていけないので待遇も重要ですね。
私の場合は前職の待遇が十分に恵まれていたためなんとしても年収を上げたいとは考えていませんでした。
結論から言うと転職のタイミングでベースの給与は一旦下がりましたが、1年ちょっとで前職とほぼ同程度に戻るタイトルが射程に入った、というところです。税金・社会保障など諸々加味すると影響は軽微でした。
タイトルと年収レンジについては、新卒エンジニア向けの会社説明資料にも記載があるので参考にしていただければと思います。

チームリーダークラスで1000万超えは十分に可能な会社で、メガベンチャーと比較してもそれほど遜色ないと思います。(NRIのような異常な給与テーブルを除いて)多くの大企業やSIerの会社よりも好待遇なのではないでしょうか。
リーダーといってもマネジメント中心ではなく、自分でコードを書いてPRを出したりレビューしたり手を動かすことができるので、技術に触れる仕事は手放さずにプレイングマネージャーをしたいという人にもおすすめできる会社です。
「一時的にでも給料を下げるのは考えられない。」という声が聞こえてきそうですが、私にとっては一定以上の年収があれば仕事の内容に納得できることや自由な働き方ができることが優先だったので、QoLにとって良い選択だったと満足しています。前職の時より確実に家族と過ごす時間が増え、日中の家事も柔軟にできるようになりました。税率が上がったり保育料が上がったり子育て支援が打ち切られたりの影響を一番被る年収レンジの世帯だったので、子供が2人いると年収が100万増えたところで計算してみたら諸々相殺されて手取りで30万しか増えないといった状況にあり、年収を上げていくメリットが減衰するのであれば仕事内容やQoLにこだわりたいという選択でした。
もちろんだから給料は低くて良いというつもりはなく、子供の将来のためにもお給料はたくさんもらえるに越したことはありません。現職でもやりたいことに取り組む中で評価を勝ち取って報酬を高める努力はしたいと思いますし、自分の仕事の成果の再現性と市場価値を高めて今後の選択肢を増やしたいと思います。

終わりに

ここまで読んでいただいてありがとうございました。現職のエンジニア採用の仕事でも、一エンジニア個人としても、キャリアや技術について色々な方とお話したいと思っています。
TwitterのDMでいつでもカジュアル面談の申し込みをお待ちしておりますので、会社のことでもキャリアや技術のことでも話してみたいという方はぜひご連絡ください。


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