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7/28(火)・8/7(金)開催「コロナ禍で生活者の意識はどう変わり、企業はどう対応すべきか?」セミナーレポート(前編)

こんにちは。戦略コンサルティング部の北島です。
今回は、株式会社イードと共催で、7月28日と8月7日の2回にわたり、「withコロナ時代の生活者心理~ポジティブな「再評価」を勝ち取れる業種とは?~」をテーマとしたセミナーを開催しましたので、セミナーの模様を2回に分けてレポートします。

全国2000人を対象にした定量調査でBefore/Afterコロナの意識変化を探る

株式会社イードは西新宿を本社とし、Webや雑誌等のメディア運営とリサーチを中心とする事業会社です。今回の共催セミナーは、
①イードによるコロナ禍前後の意識変化の調査報告
②インテグレートによる環境変化に対応した経営・事業戦略構築に関しての提言
という大きく2つのパートに分けて行いました。

セミナーに先立ち、新型コロナウイルス感染症拡大の前後における生活や消費動向の変化に関するWebアンケートを全国男女2000人を対象として実施しました。

調査結果ですが、イード リサーチ事業部の三浦志保氏によれば、「Afterコロナで生活が変化したと答えた人は全体の7割弱(→図表①)。

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図表 ① コロナ前後での生活変化

とくに、年齢が若い世代や小学生以下の子供を持つ人ほどコロナによる生活の変化を強く感じていることが明らかになりました(→図表②・図表③)」と解説します。

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図表 ②世代別の生活変化意識

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図表 ③世帯形態別の生活変化意識

つまり、若い世代や子育て世代ほど新型コロナ感染症による生活や意識の変化を如実に感じ取っているということのようです。

では、こうした生活者の意識変化の内実はどのようなものなのでしょうか。調査では、「家事の取り組み方と意識」にフォーカスを当てて、Before/Afterコロナでの意識変化を探りました。

具体的には、家事に対する頻度・関与度をもとに向き合いの傾向を、「家事大好き」「家事は義務」「家事から逃げたい」など、6つにクラスタリング(層別化)しました(→図表④)。

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図表 ④家事への関わり方についてのクラスタリング

それぞれのクラスタごとの特徴を浮き彫りにしつつ、新型コロナウイルス感染症拡大のBefore→Afterで家事に対しての向き合い方の変化を詳細に読み解いてみると、最も家事への関与度が高い「家事大好き」クラスタ比率は、コロナ前が12.4%だったのに対して、コロナ後は17.5%と、およそ1.4倍に増加していることが分かりました(→図表⑤)。

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図表 ⑤Before/Afterコロナでのクラスター構成比の変化

家事への関与度上昇だけでなく、いままで家事を担っていた家族への感謝の意識も

テレワークや外出自粛の要請を受けて、Afterコロナで家事への関与度が高まったというのは想定通りとも言えますが、とくに興味深いのは、「家事を大切にしたい」「家事をしっかり済ませたい」という意識が性別・世代を問わず高まっていることでした。Beforeコロナでは「家事は義務(ルーチンであり、楽しいものではない)」と比較的ネガティブに捉えていた人たちのうちの18.8%が、Afterコロナでは家事の大切さに気づき、より関与度が高まったことが明らかになりました(→図表⑥)。

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図表 ⑥各クラスターの移行状況

この点に関して、イードリサーチ事業部 本部長の 平川淳二氏は、「属性を見ると、特に30代と60代の男性で家事へのポジティブな意識変化が大きい傾向がありました。いままで自分は仕事中心で、家事に関しては妻に任せていた層が、家で過ごす時間が増えたことで家事をする機会が増えただけでなく関与度も高まったことが見て取れます」と説明します。加えて、「自由回答では、いままで家事をしてくれていた家族への感謝や労いの言葉も多く見られました」(平川氏)。このように、コロナ禍は多くの人々にとって、家事への関わりだけでなく家族の関係性についても見直す機会になったことが伺えます。

次回の後編では、コロナ禍をきっかけとした生活者の意識変化に企業がどのように対応していくかについて報告した、インテグレート戦略コンサルティング部の金子による講演内容についてレポートします。

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