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『認知症』と予防と認知症保険

こんにちは。インズウェブスタッフです。
コロナ禍で行動制限や自粛が続いていたことは、認知症患者の増加が心配です。認知症の進行を遅らせたり、発症を予防したりするには厳しい状況下で、こんな時だからこそ、今までより、一層、予防を意識したいですよね。

人々の生活に大きな変化をもたらした新型コロナウイルスの蔓延ですが、経済活動も再開し活発にもなってきました。しかし、コロナ禍による影響は多方面で感じずにはいられません。

実際に、老年医学会と広島大学との共同調査「新型コロナウイルス感染症流行下(第1波)で 認知症本人、家族に何が起こったか」で発表された内容では、特に重度認知症患者には、ALD(日常生活動作)の低下、認知機能の低下、行動心理症状の出現・悪化が幅広くみられ、軽度・中等度認知症患者にも身体活動量の低下や歩行機能の低下・転 倒などの身体面への影響も広く見られたとされています。

「海馬・・・記憶」「前頭葉・・・実行機能、意欲、発語」「後頭葉・・・視覚」

認知症について

認知症の多くはアルツハイマー型認知症と言われています。アルツハイマー型認知症は脳の神経細胞が損傷し委縮していく病気ですが、神経細胞を再生させたり、神経細胞が死んでしまうのを防いだりする薬は、まだ、ありません。

根本的な治療が困難な認知症としては、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などの変形性認知症が挙げられます。「アルツハイマー型認知症」「血管性認知症」「レビー小体型認知症」は3大認知症と呼ばれる代表的な認知症で全体の85%程度を占めていると考えられています。

認知症の症状は人それぞれで進行の度合いによっても異なります。記憶や思考能力がゆっくり障害されていくので、発症や進行を抑えるためにできる事を心掛け生活する事が今私たちにできる最善の対応策なんだと思います。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβやタウタンパクという異常なタンパク質がたまって神経細胞が損傷され、脳が委縮していきます。脳の海馬という部分から委縮が始まり、だんだんと脳全体に広がっていきます。

■主なアルツハイマー認知症の症状■

【認知機能障害】
1、見当識障害
認知症の中核障害のひとつで、「今がいつか(時間)」「ここがどこか(場所)」といった時間や季節、場所、人物などが分からなくなる状態です。

2、記憶障害
自分が体験した出来事や過去についての記憶が抜け落ちてしまう障害です。自覚のある「もの忘れ」とは異なり、自覚がなく日常生活に支障が出てきてしまう症状になります。

3、視空間認知障害
ものの形、空間的配置の認知力が低下して、時計の絵が描けなくなったり、テレビやエアコンのリモコン操作ができなくなるような機械の操作ができない、ボタンのかけ外しや脱着衣が困難になるなど生活に支障が出てくる障害です。

【コミュニケーション障害】
長い文を理解できなくなったり、話がくどくなる、何度も同じことを聞くなどの症状があります。
「最近、父の話がくどくなった」と感じる程度では、父も歳だからなぁ~と認知症とはなかなか判断しづらいものですよね。本人も認めたくないというところもありますし、自分の変化に傷ついていたりします。何度も同じことを言うようなことがあっても、否定したり、叱ったりせずに受け入れる態度で接してあげることが大切なようです。そして、異変を感じたら早めに受診し対策をとる事で進行を遅らせることも可能になります。

【行動・心理症状】
徘徊症状は認知症でよくみられる症状です。家の中や外を歩き回るなど客観的には目的不明に思えますが、本人にとっては、はっきりとした目的がある場合が多いようです。また、妄想もあります。何もなくなっていないのに財布や通帳など大切なものを盗まれたと妄想して訴えたりする行動です。被害妄想も認知症の症状としてよく見られる変化の一つです。

血管性認知症

アルツハイマー型認知症の次に多いとされている血管性認知症は、脳の血管が詰まる脳梗塞や血管が破れる脳出血など脳血管に障害が起きると、周りの神経細胞がダメージを受けて発症してしまう認知症になります。ダメージを受けた場所や障害の程度によって症状も異なるようです。

男女比では、男性比率が高く言語障害やうつ病になってしまったりするケースが多くみられるようです。

■主な血管性認知症の症状■

【認知機能障害】

  • 失語

  • 失行

  • 左半側空間無視

言語を司る言語中枢が障害され、聞く・話す・読む・書くといった言語機能に障害が出る「失語」、パターンや順序を覚える必要がある作業を行う能力が失われる「失行」、視力の問題とは別に左側の空間の認識が出来なくなる「左半側空間無視」などの症状があります。

【コミュニケーション障害】

  • 失語

  • 構音障害

失語、言葉を正常にはっきり発音する能力が失われる構音障害などが見られます。

【行動・心理症状】
意欲低下、不安やうつ、情動の調節がうまくいかず過度に感情を表出してしまう情緒障害である感情(情動)失禁などの症状が見らえます。

レビー小体型認知症

大脳皮質や脳幹の神経細胞内に特殊なタンパク質の一種(レビー小体)が付着し、脳の特定のグループの神経細胞が減少していきます。アルツハイマー型認知症と比較すると、蓄積するタンパク質の種類や減退する神経細胞の種類が異なるため症状も大きく違ってくるようです。

■主なレビー小体型認知症の症状■

【認知機能障害】

  • 実行機能障害

  • 注意障害

  • 視覚認知障害

  • 抑うつ気分

計画を立てて順序よく物事を行うことができなくなる「実行機能障害」、注意力や集中力を持続させながら1つのことをやり遂げられなくなる「注意障害」、幻視を中心とする「視覚認知障害」、抑うつ気分などの症状があります。

【コミュニケーション障害】
筋肉がこわばり、小声になったり、細々とした話し方に変わったりと話し方に変化が見られます。

【行動・心理症状】
幻視を中心とする「視覚認知障害」があると他人には見えないもの(人や動物など)が見えたり、実際には聞こえないものが聞こえたりといった誤認妄想の行動を起こし、他人には理解しがたい事を言ったり、行動に移したりしてしまいます。

認知症を発症させない、進行を遅らせるために

「アルツハイマー型認知症」と「レビー小体型認知症」は神経変性疾患で脳の神経細胞が損傷していくタイプの認知症で、「血管性認知症」は脳血管に障害が起きて起こってしまうタイプの認知症になるため、タイプが異なります。

厚生労働省が公表している推計では、2020年に65歳以上の高齢者の認知症患者数は631万人、発症率は年齢が高くなるほど上がります。

一説によると、認知症の中で最も多いとされているアルツハイマー型認知症の原因であるアミロイドβの蓄積が始まるのは、認知症の症状が現れる20年以上前からで45歳ごろからだとか。まだまだ、働き盛りの頃ですね。

神経変性疾患タイプであっても、脳梗塞や脳出血などが原因で起こる脳血管障害タイプの認知症、どちらにしても、認知症予防のために大切なことは変わりません。

まだ、20代、30代で若いからと言っても規則正しい生活を送る事が将来のためには大切なようです。

認知症は確実な予防法はないがリスクは減らせます!

①健康的な食事
栄養バランスのとれた食事をするように心がけましょう。規則正しく、1日20~30品目食べることで他の生活習慣病も予防することにもつながります。生活習慣病と認知症はかかわりが深く、糖尿病の方や高血圧の方の認知症リスクは健康な人よりも高いという調査もあります。

②適度な運動
1日30分以上、週3回以上の運動によって認知症リスクが軽減することが示されています。激しい運動である必要はなく、ウォーキングなどでも効果があります。また、ただ体を動かすだけでなく頭も使うようにするとより効果的です。

③知的活動
楽器の演奏、読書、手芸、パズルやクイズ、オセロや将棋などの頭を使う趣味を行うなど脳の機能を多く使うと認知機能の維持・向上に役立つとされています。

【アミロイドβを貯めないためにできること】

①適切な睡眠をとる
アミロイドβは、主に睡眠中に脳の外に排出されます。適切な睡眠をとることで脳からアミロイドβが除去され、リン酸化タウがたまりにくくなると考えられています。

②血糖値を適切にコントロールする
糖尿病の人は、糖尿病ではない人に比べてアルツハイマー認知症の発症率は高いです。高血糖による体内のアミロイドβの分解がうまく機能しなくなると考えられます。

③認知予備脳(使われていない脳)の活性化
知的活動、体を動かすなど、これまでとは違う新しい趣味などを見つけて使っていない脳を使いましょう。

認知症と認知症(介護)保険

認知症は介護が必要となる原因の1位です(2019年国民生活基礎調査より)。また、2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人は認知症になるという推計もあります。

有病率なので正確に何歳のときに発症したのかはわかりませんが、70代後半には7~8人に1人、80代前半には約5人に1人、80代後半には約5人に2人が認知症の状態にあるようです。

認知症は、まだまだ原因が分かっていないことも多く、確固たる治療法があるわけでもありません。規則正しい生活習慣を心掛けていても発症してしまうこともあります。

認知症患者が増加していると言っても、日本人の平均寿命も延びており、平均寿命と健康寿命に差がある事も分かっています。

そんな状況から、民間の保険会社でもさまざまな認知症保険が登場しており、人気なようです。家族に負担を掛けたくないと思う人も多いのだと思います。

認知症になった時のことも考えて準備しておけるといいですよね。アミロイドβの蓄積は45歳ごろからだそうなので、今、働き盛りで認知症なんて考えられないという人も45歳くらいを境に考えてみてもいいかもしれませんね。

介護保険料の支払も40歳に達した時より徴収が始まります。40歳という年代は子育てに毎日が忙しいという人も多いですが、自分の将来についても考え始めたい世代になるのかもしれません。

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