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~ㄹ(을) 줄 알다の意味の見分け方 「可能」と「知覚・錯覚」の区別の仕方とは?



次のような表現を見たことはありますか?

1)그럴 줄 알았어요
 (そうなると思いました)

2)저는 영어를 할 줄 알아요.
(私は英語ができます)

3)아는 것과 할 줄 아는 것은 다르다.
(わかるのとできるのは違う)


これら3つの文章には
それぞれ同じ文法表現が使われています。

どういう表現かというと

ㄹ(을) 줄 알다

です。


しかし、
日本語訳をみればわかるかと思いますが、

1)の意味は「〜と思う」

という意味で使われ

2)と3)は「〜できる」

という意味になっています。

1)の文章は
文法用語で「知覚・錯覚」を表現する文章といい

2)と3)は「可能」表現ともいうのですが、

いずれにしても
ㄹ(을) 줄 알다という表現は
2つの意味を持っているわけです。

では、
どういうときに「知覚・錯覚」の意味になり
どういうときに「可能」表現になるのでしょうか?

今日は
ㄹ(을) 줄 알다の見分け方を
比較的条件が厳しい
「可能」表現になるパターンを中心に
紹介します。

【「可能」のㄹ(을) 줄 알다になる条件①】


→「意志動詞」が来る

可能表現とは
「できる」か「できない」のことです。

なので、
必ず「動詞」が来ることが
1つ目の条件です。

特に動詞のうちの
「意志動詞」が必ず来ます。

動詞ならなんでもいいわけではありません。

「意志動詞」とは
・行く
・食べる
・する
・見る
・読む
・書く
など、
自らの意志で
動きをコントロールできる行為を表す
動詞を言います。

なお、
意志動詞の反対語は
「無意志動詞」というのですが、

「無意志動詞」とは

・花が”咲く”
・山が”見える”
・枝が”折れる”
・”転ぶ”
・”ある”

などのように
人や動物の意志ではなく
自然現象だったり、
”勝手にそうなってしまう”ことを表す動詞のことです。

「可能表現」のㄹ(을) 줄 알다には
自然現象などを表す無意志動詞ではなく
必ず意志動詞が来ることが
一つ目の条件です。

逆に言えば、
ㄹ(을) 줄 알다の前に
形容詞や無意志動詞、そして名詞+이다が来ているならば
「知覚・錯覚」の意味だということです。

冒頭で紹介した
1)그럴 줄 알았어요
で使われている그럴は

그렇다(そうだ)という形容詞に
未来連体形のㄹ(을)がついた形なので
この時点で
「可能」の意味ではなく
「知覚・錯覚」の意味だと判断できます。

【「可能」のㄹ(을) 줄 알다になる条件②】

→主語はひとつだけ

「ㄹ(을) 줄 알다」は
「〜する方法知っている」
という文章が発展して
「〜できる」という意味で使われるようになったものです。

「〜する方法知っている」
という文章の構造上、

「〜する」という部分の主語と
「知っている」という部分の主語が
それぞれ必要になります。

冒頭で紹介した

2)저는 영어를 할 줄 알아요.
(私は英語ができます)
 →私は英語をする方法知っています

を例に考えると

영어를 하다(英語をする)の主語は「저(私)」で、
줄 알아요(方法知っています)の主語も「저(私)」になっています。

つまり、この文章では
両方「저(私)」が主語なのですが、

「可能」の「ㄹ(을) 줄 알다」では

「〜する」という部分の主語と
「知っている」という部分の主語が
同じでなくてはならない

というのが2つ目の条件です。

逆に言えば、
「〜する」という部分の主語と
「知っている」という部分の主語が違っていれば

「知覚・錯覚」の意味だと判断できます。

【「可能」のㄹ(을) 줄 알다になる条件③】


→ほとんどの場合알다が現在形

3つ目の条件は
前の2つと違って
100%そうなるとは限らないのですが、

可能」の意味の場合
알다と모르다が現在形になることがほとんど
です。

逆に
「知覚・錯覚」の意味の場合は
逆に現在形で使われることが稀
なので、

줄 알아요になっていれば「可能」
줄 알았어요になっていれば「知覚・錯覚」

と短絡的に判断しても
ほぼ正解します。

ただし、
現在形でも
알아요?と疑問文になっている場合は
短絡的に判断せず
上で紹介した2つの条件から
判断する必要があります。

ㄹ(을) 줄 알다の意味の見分け方まとめ


「ㄹ(을) 줄 알다」が
「方法」の意味か「知覚・錯覚」の意味か
判断する方法は

・意志動詞がㄹ 줄 알다の前に使われていて
・主語がひとつだけ明示されており
・알다が現在形

という条件が揃っていれば
「方法」と判断でき、

この3つの条件のうち
一つでも違っていれば
「知覚・錯覚」の意味である

と判断できます。

参考になれば幸いです。

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