見出し画像

音楽を分割する

音楽を聴くにせよ、作るにせよ、アレンジするにせよ、分析するにせよ。
楽曲全体を大きくとらえるのももちろん大切ですが、色々な切り口で分割して音を聴くことで、得られるものが大きくなります。

かといって、いきなり各楽器ごとに一つずつ聴いていくというのも骨の折れる話ですので、まずは意識してざっくりと「分割して」聴いてみるのをおすすめします。

リズム、メロディ、ハーモニー

リズムはゆったりグルーヴィなのか、ハキハキきっちりなのか。ノリはドラムで出しているのかベースで出しているのか、メロディは明るいのか暗いのか、遊びは多いのか少ないのか。コード感ははっきり出しているのか、リフなどをメインに据えているためそれほどでもないのか。 この曲のカッコいいところ、聴きどころはどこにあるのか。

低域、中域、高域

クラブ系のように低域がしっかり出ているのか、抑えめなのか。
中域を抑えたいわゆるドンシャリなのか。
耳に痛くならないように、高域でどんな工夫がされていると感じるか。
ここは、スペアナの活用はもちろん、特定音域をOFFにしたりできるプラグインを利用するとすごく捗ります。
おすすめのフリープラグイン:ISOL8

主役、脇役

ボーカルは他の曲に比べて大きい?小さい?普通?1本?マルチトラック?
リバーブやディレイ、ダブリングなんかはされている?
脇役ではどんな音が目立っている?
脇役に順位をつけるとしたら、どんな並びになる?
脇役同士で相性のいい組み合わせはある?
※ウッドベース+アナログなベルの組み合わせが最高に好きです

早い音、遅い音

ストリングスやブラスの様にアタックが遅い音の立ち上がりはどの程度遅いか、ギターやベースなどのアタックの速い音はシャッキリ際立たせているのか、少し抑えているのか。
細かいフレーズなどでのアタック感の変化はどうか。

おわりに

パートごとに聴いて(コピーしてみて)アレンジを参考にする、というのはよくあるケースだと思いますが、こんな風に楽曲のエッセンスを色々な切り口で聴きとっていくのも、非常に勉強になることが多いです。

すごく低音が出ていると感じたけど、スペアナを通してみたらそうでもなかった、ということもよくありますし、ギターがめちゃくちゃ強くピッキングしていると思っていたけど、よく聴くと全然そんなことなかった、みたいに思ったより先入観で音を聴いてることに気付くかもしれません。

こういう聴き方ができるようになると、音楽をより楽しめるのはもちろん、創作するときにも色々な角度でチェックできるようになりますので、強みにもなってくると思います。

別記事でも紹介しましたが、これも一種の「アウトプットドリブンのインプット」と言えるのかなと思います。ただインプットするのではなく、アウトプットのためのインプットを意識してみると、世界が変わるかも。

こちらの記事も、近いことを書いているように思います。

大好きな作曲家さんに新曲のインプレッションをしてあげたい!
なんて時にも、これらの記事とセットでご活用いただけると幸いです。

みなさんの音楽生活が、豊かでありますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?