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モニター環境を整える

楽曲をミックスするぞ!と意気込んでwebを検索すると、
モニター環境には特にお金をかけましょう!
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という記事をよく目にします。

こういうお話に対して、今日も主観まみれの記事を書いていきます。

2023年4月現在、ぼくのモニター環境は以下の通りです。
だからその程度の音なんだよ、と言われたらそれまでですが。

  • スピーカー:Creativeの型番不明の15年落ちのやつ
    古すぎるのか何なのか。該当商品は見つかりませんでした。。
    小型の高域×2、ウーファー×1の構成で、¥2,500くらいでした。
    音は、よいです。使用頻度60%以上。

  • イヤホン:Audio Technica CKR50(赤)
    値上がり前はせいぜい¥3,000くらいだったような…。
    これも、音はよいです。使用頻度30%。

  • モニター用ヘッドホン:Audio Technica ATH-SX1a
    DTMを始める時に張り切って高いのを買っちゃいました。
    音は良いけど近すぎて、使ってません。使用頻度10%未満。

ぼくは、高価な製品を使うよりも、スピーカーとヘッドホンまたはイヤホンを適切に使い分けることの方が大切なのではないかと考えています。

よく見かける、「モニター環境が大切な理由」

  • モニター環境により、聴こえない音がある(※1)

  • 同じく、音の解像度が変わる

  • (略)広がり方が変わる

  • チープな環境はチープな音に直結する

(※1):1,000円未満など、極端に安価な製品で発生しがち

これらに対して、反論するとかでは全然なくて
「本当にそうなのか、一度立ち止まって考えてみようよ」
という前向きな意見が、この記事の趣旨です。

モニター環境は、大別して2つ

ぼくの偏見に満ちたデバイスごとの勝敗表 ※ヘッドホンとイヤホンは=としてます

全体の音量バランスや音の距離感、部屋など空間への馴染み方の確認は、スピーカーの方が優れていると感じます。特に低音がどの程度部屋に響くのかは、スピーカーでないと確認できません。

ヘッドホンは音が近いこと、部屋の反響音などの干渉をキャンセルできる特徴から、個別の音作りや音の定位がやりやすい傾向です。

高価な製品も、物理的な特性をひっくり返すことはできませんので、場面場面で適切にモニター方法を切り替える必要があります。

この点を考慮していなければ、モニター環境が高価か安価かは関係なく、残念な音になるのはごくごく自然なことだと思います。

ぼくの作業で言うと、ヘッドホンで個別の音作り。スピーカーでフェーダーバランスやEQ、コンプ。2mixにしたら変な音が出てないか、実際の試聴環境で問題ないかをスピーカーとイヤホンの両方でチェックします。

誰に曲を聴いてほしい?

ミックスの元々の目的は、想定している聴かせたい対象(ペルソナ)に、自分が意図した音を意図したとおりに届けることだと思います。

ここで忘れずに考えたいのは、ぼくのペルソナが
「決してモニター環境がバチバチに整っている人でじゃない」こと。

音楽は通勤通学時にスマホ+イヤホンで聴くのがメイン。PC+スピーカーで聴くこともあるけど、別に音響マニアでも音楽制作をしている人でもないので、目立って鋭い耳や音感を持っている人でもありません。

つまり、ぼくが細心の注意を払って最新の機器(激うまギャグ)でミックスした会心の音源だったとしても、

mp3になって

音楽専用機器ではないスマホにから

¥3,000-¥5,000くらいのワイヤレスイヤホンで

雑踏の中で聴く

だから、繊細過ぎる完璧なミックスよりも
「ベストでない環境にも耐える、ほどほどのミックス」を
「複数の想定環境で試聴して仕上げる」方が、少なくともコストや労力とのバランスが優れているのではないか、と主張したいわけです。

誰にでもすぐに(タダで)できる工夫

  • 誰に聴いてほしい曲かを思い出す(一番大事なこと)

  • スピーカーは耳の高さ・左右均等な位置に

  • スピーカーとヘッドホンの使い分け(↑の表を参照)

  • リファレンス曲の活用(5-10曲は欲しい)

  • ISOL8の導入 (※2)

  • 恐れずミックスに戻る、場合によってはエディットに戻る

  • 複数の想定環境で試聴する

  • 長時間作業しない、休憩する

  • 次の日に聴き直す

  • 他の人にも聴いてもらう

(※2)特定周波数をオフ/ソロ聴き、モノラルやM/S環境でリスニング可

注意として、極端に安価な製品や、単純に環境によって聴こえないような超高音や超低音、ノイズも確かに存在します。

そのため、極端に安価な製品は避けること、複数環境で試聴することが大切かなと。モニター環境論から外れますが、例えばステレオを広げすぎていると、モノラル再生したときに広げた楽器音が消失することさえあります。

結論

1.誰に聴いてほしいかを思い出す
2.安易にお金をかけるより、一生使えるスキル・工夫を磨く
3.とはいえ極端に安価な製品は避ける

もちろん、コストを気にせずよいモニター環境を整備することができるなら、それに越したことはないのでどんどんやるとよいと思います。

ただ、この不景気の中そんな恵まれた人ばかりではないと思いますし、現環境での創意工夫は、クリエイティブな観点からも非常に大切です。

もちろん今後、ぼく自身も意見が変わるかもですが、少なくとも現在は「再生されうる環境」に向けて自分が納得して制作できてさえいれば、十分なんじゃないかな、と感じていますので、当面は今の環境で頑張ってみます。

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