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SFAは面倒だから使いたくないという営業の方へ

主にインサイドセールスについてお話することが多いのですが、いつの時代も無くならない質問、それが「営業が情報を入力してくれません」「商談を更新してくれません」「失注理由が不明で困ってます」というものです。ですから今日は別の観点からこの課題について書いていこうと思います。

 [参考]共感してくださる方は少なからずいると思っています。↓

申し遅れましたがしげのと申します。主にインサイドセールスやマネジメント、組織づくりについてTwitterに投稿していますのでご興味があればぜひフォローしていただき、絡んでもらえると泣いて喜びます。

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このnoteを読んでほしい方

SFAを使っている営業、営業マネージャーの方
SFAを使っていない営業、営業マネージャーの方
SFAを使っていないけど使う予定のある営業、営業マネージャーの方
※ISの方はぜひ社内の営業に共有してくれると嬉しいです

前提として

絶対にSFAを使わないといけないということではありません。Spreadsheetで同じ環境を再現できたり、究極はお客様が満足してくださって、かつ売上目標も達成して、信頼されて永続的な売上貢献につながっているのであれば問題ないと思います。そして私はSFAのベンダーではありませんので、SFAを売りたいわけではありません。そして企業側から語られることの多い、SFAの活用を個人側からの視点で書いてみようと思います。

SFAとは?

Salesforce.com社のリンクを貼っておくのでSFAがないかまだわからないなーという方はご一読ください。と思いましたがちょっとこれだと内容が足りないので別のリンクをご案内します。

こちらから要約部分だけ抜き出します。

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①重要なタスクに集中してもらうために雑務から解放すること
②プロセスの合理化によって常に最適な行動ができるようにすること
③マネージャーがプロセスを確認し異常と課題を発見できるようにすること

私なりに意訳するとこんな感じです。ひとつひとつ簡単に解説します。
※原文貼ってあるので時間あるときに読んでもらえると嬉しいです。

まずは雑務からの解放ですが、同じWeb siteから画像を引用します。

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これはなにを示しているかというと「営業ってみんな同じこと何回もやってて効率わるいやん」「売上に関連しないものも多いなぁ」ということです。SFAを使えばこのようなタスクを減少、もしくは削減することが可能になりますので、その浮いた時間をお客様との折衝や提案を練る時間、新しいお客様を探す時間に充てられるようになるということがメリットの1つ目です。

2つ目の合理化による最適な行動についてですが、少し抽象化して解説します。どこかで見たこのような絵が一番しっくりきます。

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営業というはいくつかのプロセス(今回はざっくり書いているのでプロセスやフェーズについては別のなにかでちゃんと学んでください)を階段のように登っていくのですが、落とし穴に落ちてしまうと失注してしまいます。ですから他者の成功パターン、失敗の事例などをデータとして蓄積し自社のSFAに実装していくことで”穴に落ちにくくする(≒穴がどこにあるかを知ることで事前に備える)”ということです。また、データをためていくことでこの”階段自体”を見直すことにもなり、より商談が最適化されていきます。

例として同じアドベントカレンダーの野村さんのnoteを紹介させてください。すべて完璧に解決できるとは言いませんが、この11の特徴のいくつかをSFAで解決することが可能です。※機能と仕組みで。

つまり、「トップセールスに近い行動を取りやすくなるよー」ということです。これは組織にとっては嬉しいことですね。では個人としてはどうか?というと「名選手は名監督にあらず」ということがビジネスの場でも言われることがありますが、それはトップセールスが体系化を苦手としている場合です。こういったツールで体系化しやすくなることで再現性を担保することで可能、になるんじゃないかということです。

3つ目はもうそのままですね。コチラもイメージ画像を引用しますので詳しく知りたい方はSalesforce社に問い合わせデモ見せてもらってください。

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データが共有、蓄積、可視化されることでこれまでよりもボトルネックになっている部分や、漏れや遅れ、そして構造的な不具合を見つけやすくなりますので、営業だけではなくマネジメントの型も作りやすくなります。

ということでSFAをしっかりと使いこなせれば営業個人もそうですが、マネージャーも、そして組織全体がハッピーになるよね!ということで日本でもその導入が進んでいます。長いですがここまでが前フリです。

企業としてはSFAを導入したら使いこなしたい

当たり前の話ですね。SFAを活用するとメリットがたくさんありますし、事実SFAを世界で一番活用しているだろうSalesforce社は業績も株価も伸び続けています。※もちろんそれだけではないのであしからず。。。

しかしSFAの導入企業が増えたことで課題も出てきました。そのひとつが「定着しない≒活用できないない」です。もちろん定着して活用している企業も多く存在しますが、既存の営業スタイルを変えることができず、入力の徹底ができない、もしくはただ入れているだけで活用とはほど遠いといった状況です。

活用することであなた自身にも多くのメリットがある

ここまで解説してきたメリットはあなた自身にも関係するものです。余計な仕事から解放され、他者の成功と失敗の履歴から業務プロセスが最適化さていく。さらに数字や中身が可視化されているので(うまく活用できれば)上司から「おーいあの案件どうなった?」といちいち呼ばれることもなくなりますし、「どうなんだ?気合いだよ気合い!とにかく量だ!」と言われることもなくなるかもしれません。

また、過去の情報を振り返ることで自身の振り返りとしても有用です。商談の数はもちろんですが、受注率や提案内容も振り返ることが可能ですので、定性、定量の両面から学び直すことで成長を体系化することにもつながります。(某社トップセールスのOさんの実例です。)

[本題]活用するかどうかは”あなたの価値”に影響する

今日は企業目線ではなく、インサイドセールス目線でもなく、個人の価値を起点にこの問題を考えていきます。こんなページがありました。

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引用:https://careergrowth.showcase-tv.com/crm-sfa-tool-ranking-to-get-a-dream-job/

これだけではアレなので知人の人材紹介を生業とする方数名に聞いてみました。ズバリ、SFAの活用ができると市場価値は高いのか?と。

Aさん「間違いなくYes。いまは多くの企業でSFAが導入されている。プレイヤーはもちろん、マネージャーはSFAを活用したマネジメント経験があるかないかで大きな差が生じる。」
Bさん「Yes。SFAはSaaSで提供されているものが多いと思います。そしていま人を欲している企業もSaaSを中心としたIT企業が多く、ITリテラシーが高い人材をもとめています。その上でSaaS活用経験は多ければ多いほどプラスに働きます。」
Cさん「SFAに限らないですね、これは。そもそも全社で導入推進しているものを満足に活用できない、使わないというのは...。将来的に事業の柱として期待しているような企業、ポジションに推薦することはありません。」

つまり、SFAを使いこなせる営業は、そうではない営業に比べて転職に非常に有利になるということです。しかしそれは転職だけに限りません。現職に残る場合も有利であるといえます。

ポイントは変化への対応力

今後の営業という職能自体がどうなるかわかりませんし、SFAの機能開発によってはここまで書いてきたことが意味のないものになる可能性もあります。ただ、SFAの活用ひとつとってもいかに自分を変化させ、環境に順応できるか、という点は継続的にその人の市場価値や社内での昇進にも影響を及ぼすポイントだと思います。

また、転職に限らず企業内での新しい取り組みや施策の実行においても、新しい考え方や取り組みに対して、(能力や経験が近い場合は特に)柔軟で行動までのスピードが早い人が任命されると思います。少なくとも私はそういう意思決定をしてきました。

紙からパソコンへ、パソコンからスマホへ、そしてセールスはオンライン化し、SFAの活用はもちろん、マーケティングオートメーションなどを活用する営業もいます。ひとりで2-3人分の活躍ができる人材はもちろん多くの企業から必要とされますし、労働年齢人工が減ることで採用そのものが難しくなっていきます。その中で”デジタルツールの活用”というスキルは今後より一層評価されるポイントになっていきます。

もちろんアナログの重要性を否定しているわけではありません。ただ、デジタルを活用し、アナログの特性も活かすことができた方が良いというだけの話です。むしろ、SFAの活用で余剰時間を作れればよりアナログなコミュニケーションに時間を使うことも可能になります。

コミュニケーション情報は会社の資産

お客様と会話して得た情報は会社の資産として取り扱われるべきです。検討情報、異動や昇進、競合サービスの契約期間から個人の感想まで、それらは企業の資産として蓄積し活用されるべきものです。また、活用するためには情報が整理整頓されている必要がありますので、個人メモとしてではなく第三者が客観的に理解できる内容として記載、蓄積されるべきです。

脳内に留めておくだけでは忘れていってしまいます。手帳に書いていてもアラートを出してはくれません。SFAに入力すれば未完了のタスクを教えてくれますし、それを見た誰かがアドバイスをくれるかもしれません。決して企業としてのメリットだけではなく、あなた自身を助けることにもなります。

導入や推進側に必要なのはTodoだけではなくTobeを伝えること

ここで導入推進側の方々へも一言だけお伝えさせてください。導入推進するときにはTodoだけではなくTobeを伝えてください。

Todo
・活動履歴を入力する
・商談の内容やフェーズを更新する
・日付がずれた場合には変更して新しい日付を設定する など

これだけだとただ仕事が増える、というだけの印象です。

Tobe
・情報を探す手間が省けます!
・成約や失注の情報が自然に集まっていつでも検索閲覧できます!
・商談を前に進めるために必要なことが自然に実行できるようになります!

要はコレですね↓

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人は変化に対してストレスを感じ、やらない理由をみつけにいってしまう生き物です。そして推進側も目の前のTodoだけを渡して強制してしまいます。それでは人は動きませんし、効果を感じるまでの長い期間を過ごすこともできません。ですから将来的に目指す姿とそれによって営業活動がどう変わるのかを示す必要があるのです。ツールベンダーの力を借りても良いと思いますので、ぜひこのTodoを共有するようにしてみましょう。

まとめ

めんどくさいですよね?SFAの活用って。でもそれは会社のためとかルールだからということではなく、あなた個人のこれからにとても大切なものになります。ですから自分のためぜひ活用していってください。

そしてまだ導入前の企業にお勤めの皆様。もし導入が決まったら誰より早く、深く使いこなしましょう。考えると動きにくくなりますのでまずは動いちゃいましょう。

また”顧客体験の毀損”は由々しき問題です。
・「何度同じことを言わせるんだ」
・「なぜ内容が引き継がれていないのか」

こんなことが繰り返されていてはせっかくつくり上げた信頼を毀損していってしまいます。どんなコミュニケーションをしても”買ってくれる企業だけに売れれば良い”という時代は終わったのだと思います。

さいごに

今日実は僕の本の出版日なんです... なので少しだけPRさせてください...
ぜひ気になったら目次だけでも読んでくれると嬉しいです...

おわり。

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