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サブスク解約の体験デザイン分析

節約のために、サブスク周りを一気に断捨離することにしました。各サービスを解約していく中で、それぞれの解約体験に個性があって面白いなと思ったので、以下にまとめたいと思います。


対象:4つのサブスク

今回色々サブスクを解約していく中で、特徴的だった以下4つのサービスを取り上げます。

解約フローの構造

解約フローは、ざっくり分けると以下2つの要素に分解できるかなと思います。

  • いかに解約を思い止まらせるかという「引き止め要素」

  • ユーザーの解約を分析して次に繋げるための「アンケート」

特に前者の「引き止め方」は、各サービスでユニークな体験になっており、それぞれについて細かく見ていきたいと思います。

各サービスの解約体験(引き止め方)

① Youtube(これまでの恩恵アピール型)

youtubeは、解約フローの中で、今までサブスク登録してたことで得られた恩恵をリストにして表示することにより、ユーザーを思いとどまらせる工夫をしていました。これを見ることにより、自分がこれまでいかに恩恵を受けていたかということを改めて知ることができ、少し解約への気持ちが揺らぎました。

② NewYorkTimes(食い下がり型)

NowYorkTimesは、解約の前に解約理由を探るアンケートを実施する体験の中で、特徴的な引き止め方をしていました。各解約理由を選択する度に、それに対して「じゃあ⚪︎⚪︎やったらいいんじゃない?」というような、休止や別コースなどの代替手段を推奨してどうにか解約されないように粘って食い下がる点がユニークでした。

③ Netflix(あっさり型)

一方、Netflixはとてもあっさりしていて、「キャンセルや変更を1クリックで」という記載の通り、ワンクリックで何も引き止めることなく解約することができました。あっさりしすぎてるが故に、「え、これで終わったの!?」と少しびっくりしつつも、解約や登録が簡単だというイメージが、次また登録するハードルを下げることに繋がりそうだという印象を受けました。

④ microsoft(逃す魚は大きいぞ型)

microsoftは、解約フローの中に、解約すると受けられなくなるサービスをこれでもかと訴求してきて、解約の手を止めさせる仕掛けを作っていました。ある程度事前に理解した上で解約を進めているとはいうものの、知らなかったオプションをこのタイミングで知ることもあり、解約の手を止める人もいるかもと思いました。また、解約をやめることを「自分のメリットを維持したい」というボタンで用意していて、言葉選びも工夫されているのが印象的でした。

横断比較分析

解約までのステップ数と仕掛け

今回取り上げた解約した4つのサービスを、複数の視点から横断的に整理しました。

 解約までのステップ数は、「TOP画面」から「解約完了画面」までの画面遷移の数を示しているのですが、NetflixとMicrosoftが最もステップ数が少なかったです。ただ、Microsoftはステップ数は少なかったもののスクロールが結構必要で、次の画面に進むボタンが見つけづらかったので、解約の楽さではNetflixが最も楽に感じました。
 引き止めの施策は上記細かく述べた通り、各々ユニークな体験だったのですが、個人的にはYoutubeのやり方が最も心が揺れ動きました。NewYorkTimesのやり方は、確かに合理的なんですけど、理詰めで説得されている感じがしてあまり心は動かなかったです。
 アンケートは、1問2問で収まる方が、答えやすいので回答者の数は上がりそうだなと思いました。

まとめ

 解約一つとっても、各サービスで多種多様な戦略をとっており、改めて体験設計の奥深さを感じました。解約をしたいユーザー視点では、やはりNetflixのようにあっさり解約させてくれる方がストレスフリーで体験としてはよかったです。その一方、普段サービス設計している立場としては、なるべく解約しないような引き止めポイントをサービス側が作りたくなる気持ちもとてもわかりました。ただユーザー視点でも、解約の引き止めをされることが絶対的に悪というわけではなく、解約の中で改めてそのサービスの恩恵や良さにに気付けたりするので、行き過ぎない程度の引き止めはあってもいいんじゃないかなと思ってます。また、上記イラストで一部擬人化させてましたが、人同士の別れ際も少し似た面があるかもしれないです(?)

 以上、サブスクの解約体験をまとめましたが、サービス横断で同じポイントを切り取って分析すると色々な発見があることに改めて気付けたので、今後もまたやっていきたいと思います。


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