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"穴"

朝から期待に胸を躍らせ、自転車を転がす。青空が気持ちいい。

二つ楽しみがある。

初台のステーキ、原宿のポスター展。

だが、甲州街道を半分きたところで

「平日になにもしていない」

社会のアウトサイダーである自分。なんとも心が寒くなる。

その後のステーキもポスター展も、どこか焦点が合わない。

昼に吹っ切れたように笑いあう真横のサラリーマン達が少し羨ましかった。

そんなには笑えない。気づけば真顔で時間が過ぎ去るのを待っている。

「皆やることをやっている、社会の役目を果たしている」

どこまでも雪が積もってゆく。

足元の穴はどこまでも青い。

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