
2人目人事、どうする?スタートアップでHRをチーム化するときに考えたこと。
こんにちは!カミナシHRの井上(@INOUERAY)です。
昨年5月に1人目人事として入社してから1年半、実は今、HRは3名体制になりました!🎉
ところで知人の人事と話をしていると、2人目人事の採用やHRのチーム化・チーム運営について悩まれているスタートアップ人事の方も多いと感じます。
そこで今回、そんな方にとっての参考情報になればと思い、「2人目以降の人事の役割イメージや自分との分担をどう考えたか」について書いてみようと思います。
ちなみに「どうやって採用したか?」という話は書いてませんので、あしからず。
2人目人事を採用するタイミング
タイミングばかりは、正直言うと組織状況・課題によってまちまちだと思うので唯一の正解はないと思います。なので「カミナシの場合はこうだった」という話になりますがご容赦ください。
カミナシの場合は、私の入社直前にシリーズA調達をしていたことや、事業が急成長路線に入っていたこともあり、採用に注力していくタイミングでした。
一方で、採用に限らず人事領域の業務レギュレーションや仕組みそのもの、また他のコーポレート機能との連携基盤はまだまだ整っておらず、半年〜1年後の組織規模を考えると、まずはその整備をしっかりやっておく必要があると感じていました。
つまりは採用だけに1人月まるまる割けるような状況ではなかった、ということですね。
なので実を言うと、自分が入社してすぐ後くらいには2人目人事がいても全然良かったのではないかと、今になっては思っています。
(ちなみに、今になってそう思う理由は、私の後に入社して下さった2名の採用領域の業務遂行やレギュレーション構築のレベルを目の当たりにし、「ここまでやれることがあるのか?!」と気付かされたからなのでした)
ちなみに、1人目人事あるあるかもしれませんが、入社するタイミングでコーポレート全体の基盤が整っていることはあまりないと思います。
HRが1人目として入るくらいなので、バックオフィスとしてもロールが揃っていなかったり、あるいは全員が兼務、また組織も成長角度を上げていくタイミングだからこそ人事が求められているわけで、基盤整備はまさにこれから!というタイミングであることが多いのではないでしょうか。
なので1人目人事は人事・採用基盤の整備は当然ですが、コーポレートメンバーのひとりとして、他のメンバーと協力して幅広くコーポレート基盤整備や課題解決にあたるような動きをすることが多いと思いますし、それができないと務まらないとさえ思います。
ちなみにカミナシでは、私よりも半年前くらいに入社しバックオフィス全般をカバーしていた野崎や、CSから情シスにチャレンジしていた小林などが既にコーポレートメンバーとして存在していたので、スタートアップの同じようなフェーズの組織と比較しても、かなり恵まれた状況だったと思います。ふたりとも頼もしいです。
▼野崎のインタビュー記事
▼小林の執筆記事
2人目人事としてイメージしていた人物像
結論としては、2人目の人事は特定の領域(特に会社として注力したい領域)のエキスパートを採用するのが良さそうだなと思っています。
(1人目人事の方が幅広く対応するタイプという前提はありますが)
カミナシの場合、その領域は「採用」でした。先ほどご紹介したとおり、1人目人事としてけっこう幅広い業務に当たることになった結果、一つ一つの採用活動に対して深く入り込むには時間的にも能力的にも限界が生じていました。
そこで、2人目人事として入社いただく方には、カミナシにとって最重要経営イシューである採用領域で、深く入り込めるようなスキルセットをもった方を想定していました。
井上が横断的な課題や小粒な課題も含めて幅広くカバーし、2人目人事の方には採用領域にフォーカスして、部門メンバーとの密な連携や採用業務の構築・改善、候補者とのコミュニケーションなどに十分な時間を充てていただけるような役割分担イメージです。
チームの役割分担に対する狙い
チームの役割分担イメージを言い換えると、
2人目人事は明確に「ここにフォーカス」という領域を決め、1人目(井上)は「それ以外全部」とする。それによってHRチームとしてのパフォーマンスが最大化される
と考えていました。やや極端な結論に思われるかも知れませんが、この考えに至った理屈もあります(異論は大いに認めます)。
スタートアップ人事は油断するとひたすら幅広いボールを拾い、課題解決の面を広げていく動きになってしまいます。そして、程度は人によると思いますが、多くの人はマルチタスクでパフォーマンスが落ちると思っています。
同時に取り組む課題が多すぎると、認知コストが上がり、タスク間のスイッチングコストも増え、同じ課題に取り組むにしてもパフォーマンスが落ちていく。これはご自身の体験からもなんとなくご理解頂ける読者の方も多いのではないでしょうか。
ちなみに有名なアジャイルの書籍でも「始めるのをやめて、終わらせることを始める」と書いてありますね。いい言葉。
ただ、スタートアップでは組織状況も日々変化し、「はじめざるを得ない」状況も多くあるので、個人の裁量でコントロールできることばかりではないのも事実。そこで、それは1人目人事が集中的に受けることにしました。
意志を持って新メンバーのミッションを絞り込み、認知コストを下げ、担当領域で成果を出すための取り組みに徹底的に集中していける環境をつくることが、HRチームとしての勝ち筋と思っていました。
この分担が、特にHRチーム立ち上げ期にはチームの価値発揮を最大化するポイントだと信じていましたし、実際そのようになっているとも思います。
ちなみにこれは「ここは俺に任せろ。お前らは先にいけ!」という自己犠牲精神ではなく、
1)社歴が長い分、社内の文脈を理解していて新たな組織イシューに関する立ち上がりコストが少ない
2)自分のスキル特性が広く浅くタイプだと思っていた
という考えをふまえた合理的判断かなと思っています。
余談ですが、領域をフォーカスすることは、ミッション以外の課題に対して非協力的でいいよというメッセージとは違いますし、その人のキャリアを広げていく機会を抑え込むことでもありません。
この件について細かく想いを話し始めると長くなってしまうので今回は割愛しますが、チーム・会社としてのミッションと個人のWillとの整合、またチームとしての分業と共業のバランスはとても大事にしながら、価値発揮を最大化させるようなチーム運営をしていきたいなと思っています。
実際に受け入れてみたあとの実感
なんやかんやあって、今年の5月に木村修平さんがジョイン!
本日よりカミナシ社で働き始めました!
— 木村 修平@カミナシHR\退役エンジニアの採用人事 (@kimkimniyans) May 2, 2022
「ノンデスクワーカーの才能を解き放つ」というミッションと事業の未来に惚れて入社を決めました。
エンジニア採用まるっとやっていき🫵 pic.twitter.com/kLX0dbYdu9
彼は元エンジニアで、前職でHRにコンバートしていたバックグラウンドを持っており、問答無用でエンジニア採用や技術広報をミッションとしてもらっています。
(もちろん彼のWillもそこだったので、ご心配なくw)
ちなみに ”エンジニア” 採用というところまで人物像を絞り込んで採用活動をしていた訳ではありませんが、エンジニア採用が採用の中でも最注力領域でしたので、願ってもない出会いでした。
実のところ、直近で素晴らしいエンジニアさんの入社や採用決定が続いていまして、その裏には修平さんの圧倒的な候補者フォーカスのスタンスや、社内メンバーやエージェントさまとの丁寧なコミュニケーション、オペレーションや施策に対するこだわりや徹底っぷりが確実に成果につながっていると感じています。
入社してくださって以降、毎日のように「マジ神」と思いながら色々学ばせてもらっています。
▼お気持ちの表明の一幕
リソースの限界ゆえ妥協や割り切りの産物だった人事採用関連プロセスの色々なところが、New Commerからフィードバックをもらったり自身で手を動かして頂くことでモリモリとあるべき姿にアップデートされている様に感動を覚えている。
— 井上 玲 / カミナシHR (@INOUERAY) May 12, 2022
前述のイメージ通り、修平さんには「エンジニア採用・技術広報」という領域をスコープとして、そこにフォーカスして頂いています。
ただ、フォーカスするとはいえメチャクチャ重要かつボリュームのある領域で、やることもいっぱいあり、かつ怒涛の勢いで対応いただいていたりもしたので、おそらく余裕は微塵もなかったと思うのですが・・・。
エンジニア採用のプロセスや基盤整備もまだまだで、また応募獲得の能動的な施策もほぼ手つかずでしたし、また瞬間風速的な忙しさとして7月にCTO原の就任があった関係で前後の取材対応やイベント登壇の対応をしなければならなかったなど、おまつり状態でした(社内でも、トリまつりと呼んでいた)。
また、エンジニア採用に限らず、全体的な採用活動のクオリティアップの提案をしてくださったり、これまで使い切れていなかった個別の採用チャネルの徹底的な活用やステークホルダーとのコミュニケーションなど、「2人目の人事が入社してくれたらこんなことをしてほしいな・・・(^q^)」と思っていたことを凌駕するレベルで色々取り組んでいただいています。
感謝の念、いや畏敬の念しかありません。
3人目以降??
正直、3人目以降の人物像について最初はイメージが固まりませんでした。
組織人事系の課題も増えてきたし、採用と組織人事、両面でフォーカスしなければいけない課題がある状況になっていたので、採用担当と組織人事担当の両方で募集をかけて先にマッチしたほうを採用するのはどうか?と考えたりもしていました。
ただ色々検討した結果、3人目からは、1人目人事のスキルスタックをふまえて、「自分がどこにフォーカスするべきなのか」で考えて採用をし始めて良いと思います。
結果として、カミナシは3人目の人事にまたまた採用に関してスキルフルなご経験をお持ちの宮﨑さん(UCさん)がジョイン!私はより組織人事寄りに軸足を移しています。
個人事業主で数社のベンチャーの採用支援をして、実りの多い時間を過ごすことができました。今月からカミナシに入社し、キャッチアップ中です。組織づくり頑張ります!
— UC / カミナシのHR (@hr_ucmiya) October 4, 2022
そしてチームになる
HRチームの現在地点としては、以下のような布陣に。
プロダクト系採用・技術広報 => 修平さん
ビジネス系採用・ビジネス系採用広報 =>UCさん
それ以外(コーポ系採用・採用全体管理、全社観点の採用広報、人事企画・人事DB管理、組織コミュニケーション、MVV浸透) => 井上
採用以外がとてもボリューミーになってきているので、ここからは企画系でも体制を厚くしていくことになると思います。
本格的にチーム化するにあたって、組織構造についてもしっかり考えていきたいですね。
今後のHRがどのような体制をとっていくのか?については、近い内にチーム合宿をして侃々諤々しようという話もしているので、また改めて発信できたらなと思います。
さいごに
ここまでお読みいただきありがとうございました。
HRチームもガッツリ体制強化するほど、カミナシでは各領域で積極採用中です!
もし少しでも興味のある方、ぜひMeetyやキャリアページなど覗いてみてくださいね!
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