統合失調症が治まったあとの障害年金の魔力。

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　タイトルは決めていません。
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「長距離ドライブお疲れさまでした。裏道を頭に叩き込まれて良かったんじゃないですか？　帰りにユニクロに行って、丈のあったチノパン買えたじゃないですか。一万以上も、ポンっとお金を出した時快感を得ましたね。なぜか高校サッカー部の恩師に会えたりして。あと、障害年金とパート代見てみたら驚愕でしたね。何もしなくてもお金がたまっていくこの制度は、ちょっと怖いですね。障害年金って普通の老齢国民年金と同額らしいですからね。四肢を失わず、車の運転もできる、超健康な人。ただ我慢が多い薬漬けの人間。今のところそんな感じですかね。お金、使っていいですし、なんなら西尾維新を全冊そろえるとか、ワンピースを全冊そろえるとかしてもいいんじゃないでしょうか。下手したら、正直、スマホもソニー製かiPhoneかに変えてもいいんじゃないでしょうか。通信料はあなたが払うわけですが、ahamoにでも変えたら、充分やっていける経済的体力はあるのではないでしょうか。大学時代みたいに、将来のために貯金するのではなく、将来のために自分に投資する、そんなお金の使い方もそろそろやり始めてもいいんじゃないのでしょうか。勉強したところでお金は入ってきませんし、西尾維新先生の本をまた読み始めたところで、また、漫画を読み始めたところで、あなたが精神障害者のパートタイマーであることは変わりはないのですが、死んだように生きなくてはいけない状態は脱してもいいのではないのでしょうか。ここまで強気にさせたのも、全部障害年金、実家暮らしパートタイマーという、貯蓄にとってこの上ない環境にいるからなんじゃないのでしょうか。はっきり言ってあなたの仕事にやりがいはありません。しかし、職場側から言うと『何もトラブルを起こさない精神障害者』というのはなかなか価値があるものです。正職員さんから嫌われようと、課長からも嫌われようと、時間が終われば定時で帰る。生きる意味なんてまるでないわけですが、お金は貯まっていきます。ある程度稼いでしまうと、障害年金ももらえなくなる可能性もありますし、実家から出ていかなくてはならなくなるかもしれませんし、そうやって一人暮らしに戻り、統合失調症がまたひどくなったとしたら、元もこうもありません。あなたの幸せはなんですか？　と訊かれたら、不幸ではないことです、と答えるのがあなたでしょう。薬漬けになって、鼻で息をしながら睡眠導入剤で眠る。それだけで幸福は感じているのではないのでしょうか。自分名義の車を持ち、貯蓄も結構ある。仕事はほぼ何もしていないのと同じ。そんな生活、考えてみれば、最高なんじゃないですか？　最近幻聴も聞こえなくなりましたよね。これから２年間はこの状態で障害年金が支給され続けることが決まっています。もう自分を許してあげてもいいんじゃないですかね。『不幸には底がない』とかばかり言ってないで、買いたいものを買う自分になってもいいころじゃないですかね」