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ビジネス領域の賞味期限について考えてみた

こんにちは!お寿司を食べる時はネタが下になるよう逆さまにした状態で口へ運び、「こうすると舌がダイレクトに魚の味を感じるんだよね」と、よく分からないくせにドヤ顔で言っているバカ舌です。

お寿司の話は全く関係ないのですが、最近ようやく大ヒットビジネス書である「ファクトフルネス」を読み始めました。まだ半分くらいしか読めてないのですが、すでにとても示唆に飛んでおり面白いです。その中で特に気になった概念があり、今回はそのことについて書いていきます!


知識の賞味期限

「ファクトフルネス」は読んでいて本当に多くの気付きがあるのですが、その中で「知識の賞味期限」という話が出てきます。読んだ人は記憶にあるかもしれませんが、ざっくり言うと、人が勉強をして得た知識にはずっと使えるものとそうでもないもの、つまり食べ物でいう賞味期限のようなものがあるという話です。

例えばですが、「4×5=20」とか「憂鬱の読み方は(ゆううつ)」っていう知識はこの先どんなに時間が経過しても正解といえる知識ですよね。答えが変わることがない限り、賞味期限が永久の知識といえます。

しかし、世の中にはそうではない、賞味期限がついた知識があるというのが本で触れている内容です。例えば、「アフリカ人は大多数が深刻な貧困層である」「世界的に見ると教育を受けている女性は男性と比較してとても少ない」などなど。

これらの「昔学校の授業で先生が言っていた」「テレビでそんな話を聞いたことがある」ような知識は、確かに過去の一時期においては正しい知識だったかもしれないが、この数十年で世界は目覚ましいほど成長、進化しており今では間違った知識となっている。というのが、本の中で指摘されている内容です。

世界の変化に関するくわしいことは本を読んで頂ければと思うのですが、今回主に触れたいのは「知識の賞味期限」という部分です。この知識の賞味期限をもう少し掘り下げていき、ビジネスの世界における賞味期限を考えてみました。


賞味期限が長そうな領域

ビジネスという言葉はあまりにも広い意味をもつ言葉ですよね。経営、事業、財務、営業、契約、法律、マーケティング、組織マネジメント、などなど。ワードを挙げだしたらキリがありません。

このビジネスの世界にもさきほどの賞味期限の考え方を当てはめてみます。

まず、賞味期限が長そうな領域としては「財務」「法律」あたりでしょうか。ルールや成功法が抜本的に変わることがあまり想定されにくいので、このあたりの領域におけるノウハウや経験は賞味期限が長いと言えるでしょう。食べ物でいうと「冷凍食品」とか「缶詰め」で、とりあえずもっておけばしばらくは安心ないイメージです。

賞味期限が長い分、身につけて実務レベルをこなすためには学ぶために非常に時間がかかり、国家レベルの試験に合格しないと職につくことができない人が多いです。実際にその分高い報酬を得ている人も多く、旨味があり且つ賞味期限が長いという、もはや「日持ちする寿司」みたいな完璧な食べ物です。

が、それはこれまでの話。今後はただの「今だから食える寿司」になりそうな雰囲気です。

ご存知の通りこれからはAIがビジネス領域にどんどん浸透し、真っ先にその対象となるのが記憶や計算力が重要となる「財務」「法律」周りなのです。記憶も計算力もAIの前で人は無力ですよね、、

「賞味期限が長い」=「普遍的で例外がない」=「人間よりAIのほうが良くない?」となってしまうので、このテクノロジーの時代のビジネスの世界では、賞味期限が長いことは安心材料ではなく、むしろ不安材料として捉えておくほうが良いかもしれません。


賞味期限が短かそうな領域

反対に、賞味期限が短い領域はどこでしょうか。私がパッと思いつく限りでは「組織マネジメント」「マーケティング」あたりの賞味期限は短そうです。

まず組織マネジメントについてに関してですが、人々の働くことの意識や価値観が急速に変化しているのがここ数年の日本だと思っています。「24時間働けますか?」という栄養ドリンクのキャッチコピーが流行したのは30年以上前の1988年。

今では若い世代を中心に仕事や働くことへの考え方は多様性を増し、そういった社員のモチベーションを1人1人維持するマネジメント手法について、もはや成功法やノウハウなんてものは、あってないようなものなってしまったかと思います。知るべきは過去の成功事例やノウハウではなく、目の前にいるメンバーの心情や本音です。

同様に賞味期限が非常に短いなと思うのが、マーケティングです。スマホやSNS、動画メディアなどの流行によって人の可処分時間、可処分所得の使い道は多様性を極め「マス」という概念はほぼなくなりました。

そんな市場に対して自社の商品やサービスを知ってもらう、好きになってもらうための手法論は日々変化し、昨日までのノウハウが今日では使えなくなってることもたくさんあると思います。まさにお刺身やケーキレベルの賞味期限です。

ただ、賞味期限が短くても日々市場の変化を敏感に読み取り、マーケティングという市場で価値を提供し続けるビジネスマンは、AIやテクノロジーなどに代替されにくいという見方もできます。日々努力して毎日めちゃくちゃ新鮮な刺身を仕入れている、豊洲のお寿司屋さんみたいなイメージでしょうか。


賞味期限という言葉のもつ意味

今回の話はシンプルに「時間経過によるノウハウや知識の陳腐化」という話ではあるのですが、個人的にはそれを「賞味期限」という身近なワードで例えてくれていたことが良いなと思いました!

「賞味期限が切れてるものを食い続けると、腹壊して最悪死ぬ」

という誰もがイメージできる世界観が良いですよね。

これ大げさな話じゃなくて、自分がビジネスの世界で身を置いてる領域の賞味期限を常に意識しないと、本当に食えなくなって死ぬ可能性もありますよね?変化の激しいこの時代、賞味期限の長さも日々変わっています。

自分がビジネスの世界で身を置いている領域の賞味期限はお刺身なのか、干物なのか、ツナ缶なのか。

そんな感じで食べ物を思い浮かべながら、自分も長い人生でできる限りお腹壊さなくていいように、柔軟に生きていきたいなと思いました!

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