偶発的な経験の記録

昨日、今日と立て続けに普段経験しない場面に遭遇し、記憶に留めておくだけにもいかないと思い、その状況と対処、反省点を記録する。心象に負荷がかかる場面もあるが、目を背けてはならないと考えありのままを書くことにする。

2020年7月5日(日)18時

・状況と対処
電車に乗っていた。座席の一番端に腰かけ、本を読んでいた。ちょうど駅に停車する直前くらいに、座席のシールド越しに物音がしたが、読書を続けていた。若い男性と女性が近づいて下を向いているので、はじめて注意をそちらに向けた。どうやら人が急に倒れたらしい。私も立ち上がり、横向きで寝るようにして反応がないその20代後半くらいに見える男性に声をかけた。目は開いたまま、時々弱くけいれんしていた。電車を出発させないべきだと思ったところで、女性が駅員に助けを求めに行ってくれたようだったので、私はその場で「大丈夫ですか」「意識はありますか」と声をかけ続けた。次に何をすべきかを考えていて、脈を測るか、呼吸を確認するかが頭をよぎったが、若干混乱もしていた。倒れた男性は目を見開いたままで瞬きもなかった。30秒か1分ほどして、男性が次第に意識を取り戻し始め、顔や目を動かし、やがて上半身を起こした。いったん安堵し、このあとは駅員が来て状況確認や様子を見るのだろうかと思われたが、ワイヤレスイヤホンをしていたその男性は呼びかけには応じず、立ち上がってホームに降り、くだり階段の方に向かって行ってしまった。その後、車内アナウンスは「具合の悪いお客様の無事が確認できましたので、まもなく発車いたします」のような感じであったが、どのような処理がなされたかは分からない。

・反省
電車が走行中でも停車中でも、その場にいる乗客として、車内に非常事態が起きたと判断した場合には、非常通報ボタンを押すべきである。(参考:緊急時 あなたはボタンを押せますか?
目を開けたまま意識を失っている場合、欠神発作が疑われ、対応としては名前を呼んだり、肩を叩いたりして軽い刺激を与える。(参考:意識が短時間とぎれる発作
ただし、失神にはさまざまなタイプがあり、直前の様子や倒れ方も重要な情報である。(参考:けがと急病 失神

2020年7月6日(月)11時

・状況と対処
自転車で下り坂を走っていた。30メートル先、道路わきに茶色い塊が横たわっていた。段ボールや濡れた布類のようにも見えたが、20メートル付近に来た時にある覚悟をした。10メートルまで近づいたときに、車に轢かれた猫の死体であるとほぼ確信したが、直視することはできず周辺視野でとらえながら、停止することも頭をよぎりつつ、しかし下り坂をそのままのスピードで駆け下りた。家まではそこから5分ほどであった。その間、若干のショックはあったものの記憶をたどり、帰ってからの対応を考えた。見た者としてやるべきことはあると考えた。猫は車線の脇で、歩道の方へ頭を向け車道側に尾を向けていたように思われる。毛はこげ茶色が主だった。ところどころ赤みがかったり、つぶれたりしている。腹部はぼろぼろに見え、体長の3~4倍くらいの細長い管が広がっていた。それは肌色にもピンク色にも見えた。事故の瞬間を想像すると、あまりに痛ましく見なかったことにしたい思いが正直あった。家についたあと、「猫 事故 連絡」で検索した。市の資源循環局に連絡してくださいとの情報を見つけ、電話をした。「動物が事故にまきこまれたようで、HPを見て対応して頂けるとのことで連絡したのですが...」と伝えると女性の担当者の方が丁寧に(神妙に)応じてくれた。だいたいの場所を伝えたが、詳細も把握する必要があるらしく、Google Mapで住所を調べ共有した。バス停の近くであった。何の動物ですかと問われ、おそらく猫ですと答えた。ちょうど会話の終わり掛けに、別の住民からの連絡が入ったらしかった。最後に、「回収に業者を向かわせます、ご連絡ありがとうございました」「よろしくおねがいします」のやりとりで終えた。

・反省
結果として、直視し実体を確認するという行動がとれなかった。むごい光景に捉われ、死亡していると決めつけていた。惨憺たる状況ではあったが、発生直後なのかも知れず命と向き合うという選択肢はあった。看取る、弔うということもあり得た。死に至らずとも、要救護の状態であったり、救出できたとしても事故後に後遺症が残ったりする可能性もある(参考:猫の交通事故によるケガとは
また、運転者の視点からは、動物が飛び出してきた瞬間にどう対処すべきか、事故を起こしてしまった場合にどう対応すべきかという問題があるだろう(参考:動物が飛び出して来たらどうする?ロードキルを起こしてしまったら?
これには自動運転の実装も関係している(参考:なぜ自動運転車は「カンガルーが苦手」なのか

担当者が業者名を言っていたように記憶するが、失念してしまった。連絡を終えてしばらく時間をおいてから、ふだん閲覧しないであろうページにたどり着いた(参考:動物死体収集運搬等業務委託代表的な4つの入札方法


設計書

山陽紙業(北部、中部)
株式会社ワイ・エス・ディ(南部)
地域のインフラを支える仕事に感謝。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?