BtoB SaaSの現場で使えるデザインとスクラムの手法
メリークリスマス🎅
もうすぐクリスマスですね🎄
BtoB SaaSの開発現場で活用している、とっておきのデザインやスクラムの手法をご紹介します。
世の中に様々なプロダクトが溢れる中で、ユーザーに選ばれるためには、ユーザーの本質的な課題を解決するプロダクトが求められます。
今回ご紹介する手法を活用することで、ユーザー視点から課題を捉え、より良い解決策を導く手助けになると思います。
時間がない方は、下記の「まとめ」をご覧ください。
実際のプロジェクトに取り入れたい方は、1から順に読み進めることをオススメします。
1. インセプションデッキ
「インセプションデッキ」とは、プロジェクトの目的、背景、優先順位などを書いたドキュメントです。
プロジェクトの初期段階にチーム全員で「インセプションデッキ」を制作します。
チーム全員で「誰に」「何を」「なぜ」「どうやって」届けるのか明確にすることで、メンバー間の共通認識が高まります。
プロジェクト進行中に悩んだ時、「インセプションデッキ」を見返すことで、プロジェクトの目的に立ち返ることができます。
2. ステークホルダーマッピング
「ステークホルダーマッピング」は、プロジェクトに関連する社内外の人、組織、サービスを図式化したものです。
社外のステークホルダーを図示することで、顧客、パートナー企業、関連するサービスとプロダクトとの繋がりを整理できます。
社内のステークホルダーを図示することで、プロジェクトを進行する上で、どの組織にいつ何を相談すべきかの計画を立てることができます。
3. 企業版ペルソナ
ペルソナとは、サービスの典型的なユーザー像のことです。
BtoB SaaSの場合、「企業版ペルソナ」として、典型的な企業像とユーザー像を定義します。
企業像を定義する理由は、企業規模や業界によって、業務内容や意思決定の流れが異なるためです。
企業像を明確にすることでユーザー像がイメージしやすくなります。
企業像は事業規模、業界、業種、企業課題、売上などを加味して定義します。
ユーザー像は、業務の流れを加味して、複数のユーザー像を定義します。例えば、スタートアップの社長と社員。大企業の経理部長と経理担当などです。
4. カスタマーレター
「カスタマーレター」とは、ゴールから逆算して考えるための手法です。
プロジェクトがリリースされたと仮定して、「企業版ペルソナ」から届く感謝の手紙に何が書かれているかを考えます。
ユーザー視点で手紙を書くことで、プロジェクトで実現したいことが明確になります。
「ワーキングバックワードプロセス」と呼ばれる手法のひとつで、プレスリリースやFAQを書くこともあります。
5. ストーリーボード
「ストーリーボード」とは、ユーザー体験を絵コンテやマンガのような形で表現したものです。
企画をする中で難しいことは、実現しようと考えるユーザー体験が本当に価値があるのか評価することです。
ユーザー体験をビジュアルや絵で描くことで、ユーザー体験の理解が進み、評価しやすくなります。
絵を描くのが苦手な人は、無料イラスト素材などを活用して、作成しています。
6. サービスブループリント
「サービスブループリント」とは、サービスを利用する際のユーザーとプロダクトの両方の動きを時系列で表現したものです。
体験を可視化する手法としては、他にも「カスタマージャーニーマッピング」、「エクスペリエンスマンピング」、「メンタルモデルダイアグラム」など、様々な手法があります。
その中で、「サービスブループリント」を選択している理由は、ユーザーの行動を起点にして、フロントエンド、サーバーサイド、データベースなどの繋がりが可視化されるため、他の手法よりも詳細な設計に繋げやすいためです。
7. プロトタイピング
プロトタイピングは、画面デザイン案を素早く制作し、開発するプロダクト像を明確にしていく一連のプロセスです。
はじめに、紙やデジタルツールを利用して素早く画面デザイン案を描きます。
完成度は気にしなくて問題ありませんので、描いた画面デザイン案を活用し、関係者と議論しながら詳細を詰めます。
ある程度の合意が取れた段階で、Figmaなどのデザインツールを活用して、画面デザイン案の精度を高めます。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます!
以上が、マネーフォワード社内でいつも使っている、とっておきのデザインやスクラムの手法です。
最初にお伝えした通り、実際のプロジェクトで活用する場合は、1から順番に進めることをオススメします。
進め方のポイントは、ひとつの工程を完璧に終わらせることよりも、素早くつくって、何度も1〜7の手順を繰り返すことです。
なぜなら、プロジェクトを検討する際には、様々なことを考慮する必要があり、必ず考慮漏れが発生します。
1〜7を繰り返すことで、何度も新しい発見や考慮漏れを見つけることができ、プロジェクトの精度を高めやすくなります。
ご紹介した中から気になる手法があれば、ぜひ2022年から活用してみてください!
参考図書
より深く理解したい方向けに参考図書をピックアップしました。年末年始に読んで頂けると嬉しいです!
明日のAdvent Calendar
今年、名古屋から東京に引越してきたデザイン戦略室 ハナザワさんです。
明日の記事もお楽しみに!
いただいたサポートでお茶でも飲みに行きませんか?☕