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BtoB SaaSの現場で使えるデザインとスクラムの手法

⛄️マネフォデザイナー Advent Calendar 2021の22日目の記事です⛄️

メリークリスマス🎅
もうすぐクリスマスですね🎄

BtoB SaaSの開発現場で活用している、とっておきのデザインやスクラムの手法をご紹介します。

世の中に様々なプロダクトが溢れる中で、ユーザーに選ばれるためには、ユーザーの本質的な課題を解決するプロダクトが求められます。

今回ご紹介する手法を活用することで、ユーザー視点から課題を捉え、より良い解決策を導く手助けになると思います。

対象読者
・デザイン手法を取り入れたいけど、何をしたら良いか分からない方
・要件定義フェーズで何をすれば良いのか分からない方
・新規事業を担当することになった方

時間がない方は、下記の「まとめ」をご覧ください。
実際のプロジェクトに取り入れたい方は、1から順に読み進めることをオススメします。

まとめ
1. インセプションデッキ
プロジェクトの目的、背景、優先順位などを書く
2. ステークホルダーマッピング
社内外のヒト、組織、サービスの全体像を把握する
3.企業版ペルソナ
サービスを利用する企業像とユーザー像を定義する
4. カスタマーレター
ユーザーから届いて欲しい手紙を考える
5. ストーリーボード
ユーザー体験を絵コンテで把握する
6. サービスブループリント
ユーザーとシステムのタッチポイントを明確にする
7. プロトタイピング
画面デザイン案を素早く制作する

1. インセプションデッキ

1. インセプションデッキ

「インセプションデッキ」とは、プロジェクトの目的、背景、優先順位などを書いたドキュメントです。

プロジェクトの初期段階にチーム全員で「インセプションデッキ」を制作します。

チーム全員で「誰に」「何を」「なぜ」「どうやって」届けるのか明確にすることで、メンバー間の共通認識が高まります

プロジェクト進行中に悩んだ時、「インセプションデッキ」を見返すことで、プロジェクトの目的に立ち返ることができます。

参考:まつこ ー オンラインでもできる!インセプションデッキづくりワークショップのススメ

2. ステークホルダーマッピング

2. ステークホルダーマッピング

「ステークホルダーマッピング」は、プロジェクトに関連する社内外の人、組織、サービスを図式化したものです。

社外のステークホルダーを図示することで、顧客、パートナー企業、関連するサービスとプロダクトとの繋がりを整理できます。

社内のステークホルダーを図示することで、プロジェクトを進行する上で、どの組織にいつ何を相談すべきかの計画を立てることができます。

参考:UX TIMES ー ステークホルダーマップ

3. 企業版ペルソナ

3. 企業版ペルソナ

ペルソナとは、サービスの典型的なユーザー像のことです。

BtoB SaaSの場合、「企業版ペルソナ」として、典型的な企業像とユーザー像を定義します。

企業像を定義する理由は、企業規模や業界によって、業務内容や意思決定の流れが異なるためです。

企業像を明確にすることでユーザー像がイメージしやすくなります。

企業像は事業規模、業界、業種、企業課題、売上などを加味して定義します。

ユーザー像は、業務の流れを加味して、複数のユーザー像を定義します。例えば、スタートアップの社長と社員。大企業の経理部長と経理担当などです。

参考:CONTENT MARKETING LAB ー 【実践解析特集vol.4】BtoBの「ペルソナ」と「カスタマージャーニーマップ」設定

4. カスタマーレター

4. カスタマーレター

「カスタマーレター」とは、ゴールから逆算して考えるための手法です。

プロジェクトがリリースされたと仮定して、「企業版ペルソナ」から届く感謝の手紙に何が書かれているかを考えます。

ユーザー視点で手紙を書くことで、プロジェクトで実現したいことが明確になります。

「ワーキングバックワードプロセス」と呼ばれる手法のひとつで、プレスリリースやFAQを書くこともあります。

参考:DevelopersIO ー 【レポート】『「あなたのお客様は誰ですか?」から始まるAmazonのイノベーションのメカニズム、その手法をハンズオン』を受けてきた #AWSSummit

5. ストーリーボード

5. ストーリーボード

「ストーリーボード」とは、ユーザー体験を絵コンテやマンガのような形で表現したものです。

企画をする中で難しいことは、実現しようと考えるユーザー体験が本当に価値があるのか評価することです。

ユーザー体験をビジュアルや絵で描くことで、ユーザー体験の理解が進み、評価しやすくなります

絵を描くのが苦手な人は、無料イラスト素材などを活用して、作成しています。

参考:NIJIBOX BLOG ー ストーリーボードとは?アイデアを可視化しUXデザインに活かす方法と作り方を解説

6. サービスブループリント

6. サービスブループリント

「サービスブループリント」とは、サービスを利用する際のユーザーとプロダクトの両方の動きを時系列で表現したものです。

体験を可視化する手法としては、他にも「カスタマージャーニーマッピング」、「エクスペリエンスマンピング」、「メンタルモデルダイアグラム」など、様々な手法があります。

その中で、「サービスブループリント」を選択している理由は、ユーザーの行動を起点にして、フロントエンド、サーバーサイド、データベースなどの繋がりが可視化されるため、他の手法よりも詳細な設計に繋げやすいためです。

参考:NIJIBOX BLOG ー サービスブループリントとは?使うメリットと作り方、カスタマージャーニーマップとの違いをやさしく解説

7. プロトタイピング

7. プロトタイピング

プロトタイピングは、画面デザイン案を素早く制作し、開発するプロダクト像を明確にしていく一連のプロセスです。

はじめに、紙やデジタルツールを利用して素早く画面デザイン案を描きます

完成度は気にしなくて問題ありませんので、描いた画面デザイン案を活用し、関係者と議論しながら詳細を詰めます。

ある程度の合意が取れた段階で、Figmaなどのデザインツールを活用して、画面デザイン案の精度を高めます。

参考:UX TIMES ー ペーパープロトタイプ

まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます!

以上が、マネーフォワード社内でいつも使っている、とっておきのデザインやスクラムの手法です。

最初にお伝えした通り、実際のプロジェクトで活用する場合は、1から順番に進めることをオススメします。

進め方のポイントは、ひとつの工程を完璧に終わらせることよりも、素早くつくって、何度も1〜7の手順を繰り返すことです。

なぜなら、プロジェクトを検討する際には、様々なことを考慮する必要があり、必ず考慮漏れが発生します。

1〜7を繰り返すことで、何度も新しい発見や考慮漏れを見つけることができ、プロジェクトの精度を高めやすくなります。

ご紹介した中から気になる手法があれば、ぜひ2022年から活用してみてください!

参考図書

より深く理解したい方向けに参考図書をピックアップしました。年末年始に読んで頂けると嬉しいです!

明日のAdvent Calendar

今年、名古屋から東京に引越してきたデザイン戦略室 ハナザワさんです。
明日の記事もお楽しみに!


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