天狗とは?
すっかり更新滞りましてすみません!
今日からまた再開します。
さて、呼吸のお話から鼻、そして天狗さまの事に触れてきました。
今回はその「天狗」について詳しく書いてみたいと思います。
天狗さまの特徴として、
・鼻(または口ばし)が長く、前方に伸びている
・背中に羽根が生えていて自由に飛べる
・一本歯の高下駄を履いている
・風を起こせるうちわを持っている
・目力が強く、眉毛がスゴい
などがあります。
他にも、額の上に頭襟(ときん)という黒い小さなかぶり物を付けたり、ぼんぼりの付いた袈裟(梵天袈裟といいます)を付けていたりと、服装が修験道の行者である山伏と似ていたりします。
これは山伏や修行僧が死後天狗に転生した姿とも言われています。
また、神道の猿田彦大神も天狗と同一視されるときがあります。
ではでは、天狗さまの特徴を見ていきましょう。
鼻や口ばしが前方に伸びているのは、以前記しましたように前方へのベクトルやバランスなどが整う、といった身体感覚的な面の表れだと思います。
また、精神的なことの象徴としての「鼻の長さ」もあります。
(これについては後ほど)
次に背中の羽根について。
天狗は山に住むと言われ、断崖絶壁のような険しい山を好むとされます。
山は異界、と恐れられていました。
険しい山はなおさら人間を拒みます。
そのような所でも自由自在に動き回れるのが天狗。
肉体という縛り、これは「水」の要素。
肉体を酷使して疲れ、痛み、恐れなどの自己の弱い心を意志の炎で燃やし、心身を軽くしていく。
地に縛られない身体という要素、水と反対の「火」の要素が天狗は強い。
天狗の顔が赤いのは火を象徴とするからとされます。
火の心身で高みを好む時、現れてくるのは空を自在に飛べる羽根。
地を離れ生きるのは鳥。
鳥もまた火の性質(ちなみに逆に水の性質が強いのは蛇)。
その象徴であり、道具でもある羽根を背中に持つのが天狗だと思います。
また、鳥は飛ぶために体の軽量化がなされていて、実は骨の中は空洞化していてもろいそうです。
簡単に折れてしまう骨に、無理やり力はかけられません。
ではどうするかというと、必要最小限の力で空気や風をとらえ、バランスをとって飛ぶのです。
これを感覚する面白い遊びがあります。
平にした段ボールを持って、羽根の様にあおいでみてください。
力をかけすぎると、簡単に曲がってしまいます。
曲がらない様に空気や風を感じてとらえると、鳥の感覚が垣間見られると思います。
もし鳥の羽根を持ってる方は、あおがずともつまんで軽くそれを動かしてみてください。
羽根の毛一つ一つにからむ空気の抵抗、それから生まれる浮力などなど、鳥の感覚の細やかさみたいな物が感じられるかと思います。
これを精神面にも使ってみる、というのもまた面白い。
「風」という要素もなかなか奥深く、自然現象の風の他にも、この身が出会う様々な出来事や要素も向かってくる「風」と言えます。
それらに心身とらわれずフワリと飛び越え自由自在に生きる、という姿もまた天狗らしい。
山中の断崖絶壁などの難所も、生きる中で出会う局面としての「風」と見立てると天狗の精神が垣間見られる気がします。
この、地や出来事に縛られないという要素の象徴が羽根、そして一本歯の高下駄だと思います。
「風」をとらえ自在に動き、「風」にとらわれず自由に生きる。
カッコいいなぁ〜(笑)
そこからまた「風」を自在に操るうちわが持ち物ということも読み取れますね。
そして、天狗は心身を地へと引っ張る水の要素を嫌います。
色欲、怠惰、よどみなどなど。
快楽、しんどい事からの逃避、貪りなどは心身を地に縛り付ける要素。
「水」のダークサイドとも言えるんじゃないかな。
それらを断ち切るのは経験、智慧、強い意志。
その表れが天狗の鋭いあの眼と眉毛、だと思えます。
眼は光によって現された世界の形をとらえる感覚器官。
ただし私たち凡人はその眼に映るものに、期待や経験からくる思い込みや感情の「フィルター」をかけて見てしまいます。
そうして歪んだ世界と知覚して、間違いを重ねて生きています。
鋭い眼力はそれらの歪みや濁りを取り除き、真の姿を現す力。
またその智慧の眼には、世界を歪めようとするモノを祓う力もあるのではないかと思うのです。
眼力の光で正しく世を照らす、という様な。
また「光」というのも天狗の要素で、光の熱は水を蒸発させ、光そのものは「道」を照らす。
「導きの神」という側面はここら辺りから来ている様な気がします。
天狗は山に棲むと書きましたが、夜空にまたたく星も実は天狗とつながっています。
わわわ、やっぱり長くなってきました(笑)
続きはまた次回に。
(今度からは早めに更新します😅)
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