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『エール!』「ジェリコの壁が揺れるほど」という表現がヨーロッパ人らしい

 フランスの田舎町のベリエ家の家族の物語。フランスは農業大国ということもあるが、チーズという付加価値のある商品を作ることで家族単位のビジネスが十分成り立つのが羨ましい。しかも映画にあるように、地産地消のマルシェでダイレクトに販売することもできる。また、主人公のような才能のある人材をすぐに評価できる教師がいることがこの映画を成立させているが、日本だと決められたコースに乗せていくだけの教師が大半ではないだろうか。(明治時代は人材は育成、教育するのではなく、人材は発掘、登用するものだった)

 学生の頃、ひとりでプログラマーの仕事をメーカーから請け負っていたとき、見積もりをとってくれと言われたカメラ屋さんを訪問したら経営者が聴覚障害の人で、打ち合わせに苦労したことがあった。事前にそのことを打診してくれれば、テンプレートなどのコミュニケーションの手段を考えて行けたのだが、断らると困ると考えたのだろうか。今ならアプリなどで会話を文書にしたり、その逆も可能なので、補完するテクノロジーはありがたいものだ。

 主人公が何度も歌う歌のフレーズに「ジェリコの壁が揺れるほど」という表現があったが、これを聞いたフランス人の感覚は閉ざされた壁が崩れるというものなのだろうか。ヨーロッパ人はヨシュア記を読む人は少ないようなので、実はそれが人類初の民族浄化だという意識はないのだろう。

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Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。