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『マルクス・エンゲルス』ひとりの天才よりも、100人の凡人で天才以上の能力を(世界の歴史)

 「資本論」は読んだことがないが、最近『人新世の資本論』(斎藤幸平)を読んで興味を持ったので、マルクスとエンゲルスのペアシステムを描いた映画を鑑賞してみた。

 少し前に山本七平さんから学んだことだが、マルクスはユダヤ人、フロイトもユダヤ人。ユダヤ人が他の人類を含めた人類全体の普遍的な真理を追求する時、自分の主張にユダヤ人の特殊性を感じさせることを極端に恐れる、と言う。確かにマルクスは、生涯ユダヤ人嫌いだったようだし、資本論に「神の存在」が入り込む余地はない。
 この映画で、もう少しその点に触れてもらうと、資本論を人類の普遍的な価値に昇華させたいと深層で願ったであろうマルクスの内面を描き出すことができたのではないだろうか。

 また、資本論の1巻はマルクスが書き、16年後にマルクスの死後、親友のエンゲルスが遺稿を編集し、2巻、3巻が出版され、現在のコミュニズムの教科書になっているようだが、マルクスが残した「研究ノート」(メモ)には自然資本をコモンとして捉える「脱成長コミュニズム」などが記載されていたらしい。もしマルクスが、「脱成長コミュニズム」に対する思考がまとまり、2巻、3巻にまとめられていたとしたら、あるいはエンゲルスがそこまでをも読み取る力があったとしたら、ガイア(地球)は安心感に包まれていたかも知れない。

 マルクスというひとりの天才を支えたエンゲルス、そして現在、親友エンゲルスの役割を世界中の研究者が引き継ぎ、「新MEGAプロジェクト」として100冊の資本論が出版されるらしい。つまり、たくさんの研究者が、マルクスがまとめきるきれなかったことや、エンゲルスが気づかなかったことを提示しようとしているのは心強い。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。