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『世界一美しいボルドーの秘密』ラフィットに群がる中国人の姿はバブル時代の日本人に似ている

 ジロンド川流域のボルドー地域はイギリス領だったこともあり、イギリス王の庇護もありイギリスの消費者に支えられて伸びてきた歴史があると思うが、巨大市場である中国がボルドーワインを投機を含め買い漁っている、という2015年のドキュメンタリー映画。

 フランス人はワインの生産地(テロワール)を大切にするが、中国人はブランドを大切にする。特に中国人が好きなブランドはラフィット、ラ・トゥールだ、とサンテミリオンのワインショップの店長が発言していた。このワインショップは2010年に訪れたことがあるが、どうも「ラ」の発音が発音しやすいようで、ランシュ・バージュなども人気があるようだ。
 「ラ」の発音の中で、特に人気があるのはラフィットで、2010年頃は高値で購入することが難しくなっていた。どうやら理由は2008年に行ったラフィットのマーケティングで、中国人が好きな数字「八」を2008年のボトルにデザインしたことが功を博したようだ。2009年のボルドーワインは評価が高いが、味とは別に「八」の字が中国人のプライドをくすぐった訳だ。

 しかし、2011年にボルドーワインバブルが崩壊し、ボルドーワインの価格は6割落ちてしまった。そして、中国ではラフィットのボトルが1本500ドルで流通さて、偽物のラフィットが瓶詰めされて売られ、寒暖差の激しいウイグル自治区のトルファンなどで中国産ワインが製造されるようになっているとのこと。
 これ以上フランスワインを荒らさないで欲しい、と思う反面、1980年代の日本のバブル時代にも、同じように世界中の高級品を買い漁った日本人がいたことも事実なので、人のことは批判できない。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。