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『ザ・スクエア 思いやりの聖域』スウェーデンではシニカルな笑いがウケるのだろうか

 美術館の館長が主人公。「ザ・スクエア」は、通りかかる人々を利他主義へと導き、他人を思いやる人間としての役割を訴えかけるものとして展示された。これを注目させようと広告代理店がSNSでバズる企画が必要で、それには弱者を扱ったものが良いとして、「ザ・スクエア」の中にいる乞食の少女を爆発させた動画をYoutubeにUpした。当然バズるのだが、このようにSNSの活用をコンサルする会社や、企画提案する社員の2人のうちの一人は髪が長く、もう一人は少し真面目な感じで、確かに日本の広告代理店でもこのような組み合わせの場合をよく見かけるので、世界共通なのかと笑ってしまった。

 スウェーデン映画というと、ロイ・アンダーソン監督の『さよなら、人類』『愛おしき隣人』『散歩する惑星』を観たことがあるが、いずれも予定調和をまったく感じないシニカルな笑いを誘うものという印象がある。この映画もストーリーがあるんだかないのだか分からないが、次から次へとシニカルな笑いを演出する。そういうスタイルの映画がスウェーデン映画の特徴なのではないだろうか。

 映画を観ることで、その国の人の感性というか、感情の深いところが感覚的に捉えることができるのが面白い。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。