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『メメント』後付再構築(Postdiction)の映画と言える

 クリストファー・ノーラン監督の弟ジョナサン・ローランの小説をベースにした映画。Mementoとはラテン語で「思い出せ」を意味し、過去の体験や出来事などを思い出すために保管しておく小さな思い出の品を指す。

 妻を殺されそのショックから10分間しか記憶を保てないという記憶障害を抱えることになった主人公が、妻を殺害した犯人を探す過程を描いており、ストーリーを終わりから始まりへ、時系列を逆向きに映し出していく。

 脳には過去の記憶から未来を予測する「Prediction」と、AI用語だが後付再構築を意味する「Postdiction」がある。この映画は、ワーキングメモリーを失った主人公がポラロイドカメラの写真とメモという「メメント」を使い後付再構築をしていく映画とも言えるだろう。次の例は、スティーブ・ジョブズの人生を、第3者の私なりが勝手に考えた後付再構築だ。

 映画そのものも時間を逆流させているため、観客と主人公が同じ感覚になれるメリットもある。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。