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『アワ・ワールド : メルケルのドイツ』"測れないものは、守れない!"独メルケル首相の名言(環境研究)

 ドイツのメルケル首相が引退するので、特集された30分番組。ドイツは大統領がいるのだが、憲法で大統領は中立的な存在と定められていて、儀式的、形式的な職務に限られており、イスラエルの大統領、あるいは日本の天皇のような存在に位置付けられているようだ。

 メルケル首相は16年の任期中にいろいろなことを行っているが、最もインパクトがあったのは2015年の難民受け入れを推進したことで、それを「良し」とする人と、旧東ドイツの少数派のように、それがドイツを変えてしまった、と断言する層に分かれる。

 この番組では取り上げられていないが、ドイツではコロナ以前に、100万人の難民の受け入れによって、すでに退治していた20種以上の感染症が、医師の発見、治療経験がないため、再び拡散することになったなどの副作用をもたらしていたようだ。

 しかし総じて、科学者であったメルケル首相のアプローチは分析的で合理的、なおかつ人間性も他の大国のように上から目線でないなど、評価が高い。

 メルケル首相に世界が感謝しなければないとしたら、ESGにおいての以下の貢献で、科学者のリーダーでなければこの発言はできなかっただろう。

 「ESGの重要性が世界各国で語られる中、このような『ESGへの思いや気持ちだけ』ではESGが定着することはなった。そんなとき、大きな転換点が、2007 年ドイツのポツダムに G8 の環境大臣が集まった場で起こった。
 G8の席上、独メルケル首相が、自然の、生物多様性の価値をもっときちんと測りましょう、と提唱したことが大きなブレークスルーとなったのだ。

 "測れないものは、守れない!" 独メルケル首相
 
 このメルケル首相の名言によって、排出CO2や水使用量の計測、科学的なアプローチで環境負荷を計測することや、自然資本会計(EP&L)などが、地球環境を守ることにつながる、というコンセンサスが得られ、TEEBプロジェクト(生態系と生物多様性の経済学:The Economics of Ecosystems and Biodiversity)なども開始され、計測し数値化したデータを可視化(開示)することで理解を促す、という流れがさらに加速されたのだ。」

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。