花の百名山 秋田県
ちょうど一年前、山岳会の先輩から来年森吉山に登るけど行くか、と尋ねられた。
その先輩は毎年、遠くの山の計画を立てみんなを誘う。入会の浅かった私は、今回初めて参加させてもらった。
森吉山は秋田県の北の方に位置し、花の百名山といわれている、人気の高い山だ。ゴンドラで登るため、険しさのない、のんびりハイキングになる。たくさんの花に出会うのが楽しみだ。
一年も前から計画しているものだから、あれよあれよと参加人数が増え、10人乗りのハイエースが3台レンタルされた。
なんだか、大人の修学旅行みたいだ。若い時は大人数で行動することを避けていた。おじいちゃんやおばあちゃんが『町内会の旅行で、…』と話し出すとへぇ〜と思って聞いていたものだけれど、自分もそれと一緒じゃないか。そして、最初はどうなるかと思っていた、この大所帯がとても楽しい旅行になって、始終、笑い転げていた。
あいにく天気は下り坂。
ともすれば、三日間、雨が降り続くところだったのだが、移動日の1日目と森吉山ハイクの2日目がなんとか持ち堪えた。今年は特に熊被害のニュースも多く、それを見るたび震え上がっていた。けれど、こちらは30人の大所帯、さすがに熊も近寄ってこないだろう。
余談ではあるが、熊鈴やラジオをつけて歩くと良いように熊は、5人以上のグループは遠ざけると聞いた。ただ、昨今の人を襲う熊にはそれが通用するのか怪しいところ。
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さてさて、私たち30人の団体は、意外とまとまりがあって、不都合も、よそ様に迷惑をかけることもそんなになかった(と思う)
しかし、この大所帯の計画も今年で最後。どんどん増える会員に他にも参加希望があり、計画が立ち行かなくなってきているらしい。
飛行機の手配から始まって、ホテルの部屋割り、車の手配、ひとりで主催してくださった先輩には感謝しかない。
3日目、登るはずだった秋田駒ケ岳には行けなかったけれど、ハイエース3台で男鹿半島を巡り、ナマハゲ館、田沢湖のたつこ像などを見て満喫した。とても思い出深い旅になった。
三日間の行程を済ませて、やっと伊丹に着いた頃、『僕は明日から北海道』『私は明後日から』という声を聞いた。山好き人の計画は尋常じゃない。ここにいると私の感覚まで狂ってくる。
…さぁ、夏山はこれからが本番!
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