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写真を撮る母

お風呂にまだ入れていた頃の話になるが、真冬に風呂に入った瞬間にガスをよく切られていた。
当時はガスのスイッチが、脱衣所の外のリビングにあった。

母が消した後は、私がすぐ出てきてガスをつけれないように、脱衣所のドアを全開にしていた。
リビングで母が、ニヤニヤしながらずっと待ち構えていた。
小学生の思春期だったので、恥ずかしく出れなくて風呂で最長2時間凍えていた事がある。
死ぬかもしれないので出ていくしかなかった。

そのうち、もう見られてもどうでもいいやと、ガスを止められても堂々と付け直しに行くようになった。
おもしろくない母は、今度はカメラをもって待ち構え、写真を撮るようになった。
撮った写真は近所にばら撒くと言われた。
もちろん下半身を狙ってシャッターを押してくる。
物凄く怖かった。
こうして私は風呂を諦めた。

母は何故そんな事をしていたのだろうか。
全くわからない。
私が生きる事が気に入らなかったのであろうか。

いずれにせよ、この写真とあともう一つの出来事で私は親子という関係を諦めたのである。
もう一つの出来事はまたの機会に。

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