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いのじ
2020年1月11日 08:20
人間の記憶は曖昧で、無責任なものだ。ましてや子供の頃の記憶なんてほとんどファンタジーに近い。::::幼い頃に住んでいた家は、海の目の前にあった。徒歩5秒。一車線の道の向こう側にはたくさんの水がいつもたゆんたゆんと波打っている。就寝は9時。私と妹は2階の寝室へと追いやられて、クスクス笑いながら布団の中に潜り込んだ。妹の寝息が聞こえ出した頃、エンジン音がして、タイヤが側溝の蓋を踏む