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サーナイトexデッキのサケブシッポを活用する

リザードンデッキやドラパルトデッキにおいて、アタッカーをどのポケモンにするか頭を悩ませることは少ない。
一方、サーナイトというデッキにおいてアタッカーの用兵は大問題だ。

フワンテが勇気のお守りを伴って高打点を出すのが印象的だが、どの防御ポケモンに対しても過不足ないアタッカーかといえば、決してそうではない。前回の記事が意図せずそのような内容になったが、こいつは相手のシステムに干渉し終えた後の、リザードン・ドラパルトのようなエースを倒す際に、いわば決戦兵器的に運用されるべきであり、道中はより「ちょうど良い奴ら」が適している。

ハバタクカミやミミッキュはバトル場に立つのが攻防に渡って偉い。クレセリアもドラパルトの攻撃を切り返しながらドロンチを取れる。
サーサイトなんかもよくアタッカーに回る。190打点も勿論えらいが、相手の技を一発耐えて(後々フトゥー博士の研究によって回収することも含め)というディフェンス面での事情が多分に勘案されている。

こうした多様なオフェンス戦略の中にサケブシッポもいる。
フワンテよりは打点が劣るものの、クレセリアよりも高いベンチ狙撃の汎用性を買われてサーナイトデッキに概ね1枠確定で採用され続けている。

実は、私はサケブシッポをうまく使いこなせていない。フワンテ一辺倒の下手くそな攻めをよくしては逆転不可能なサイドレースに行き詰ったりしている。
なのでこの記事はどちらかというと、自分に向けての備忘録的な記事である。サケブシッポでできることを検討することを通じて、多彩なオフェンス戦略をとれるようになりたい。


ボスを使わずにシステムを取れる

サーナイトデッキの呼び札は概ね、ボスの指令1、カウンターキャッチャー2の採用となっている(友達手帳や追加のボスが取られることもある)。
特にサイド枚数を先行するような展開となると、呼び札はかなりの貴重品だ。

アーケオスなどの早期に干渉したい特定のシステムポケモンがいるマッチアップにおいて、呼び札によらずに後ろに干渉できるサケブシッポは大変に重宝する。

殴る側が攻撃対象を主体的に選択できるというのはゲームプランを選択できるということだ。
サーナイトが理想とするゲーム展開――相手のシステムへの攻撃や手札への干渉を通じて、相手を機能不全にさせる――を実現するのにサケブシッポは適した攻撃札となる。

ボスを使って相手を縛る

相手を機能不全にさせることには、サイドをとらせないターンを作ることも含まれる。
サケブシッポはバトル場のポケモンの頭上を越えてベンチに攻撃するので、機能しないポケモンをバトル場に留め置くことも可能だ。これは相手に空白のターンを作るのにつながる。

サーナイトは立ち上がりが遅いデッキなので、2,3ターン目くらいまでの、こちらがキルリアを複数並べてサナも立てて、ということをしている間に、環境のデッキはハチャメチャしてくる。
ルギアはアーケオスを2体立ててくるし、ミライドンはテツノカイナ(ベビーバトンつき!)でサイド2枚を取り始めている。序盤の遅れを取り戻すためにも、相手に有効なターンを作らせないことが重要なのだ。

具体的には、呼び札を用いて逃げづらそうなポケモンを前に引っ張ってくる。そのポケモンを飛び越えてサケブシッポでベンチを狙撃する。
相手がバトル場のポケモンを逃がせなかったり、逃がすために展開に必要なリソースを吐かせたり(アーケオスを逃がす為にアーケオス自身の特性を使わせたり、ビーダルを逃がす為に逃げエネ2枚を強要したり)できれば大きい。

縛るターンに手札干渉を絡めるのも重要だ。なにせ、この作戦はプライムキャッキャーやポケモン入れ替え(逃げエネ1のポケモンを縛っている場合には、手張りの1エネでも)あたりで失敗する。
アンフェアスタンプや終盤のナンジャモは無闇に打たずに是非このタイミングに合わせて打ちたい。

サケブシッポの打点範囲

☆280=HP奇数調整お守り7エネ
 280-ピジョットex、ルギアVstar、アルセウスVstar、ギラティナVstar
 260-ガチグマex
☆240=お守り6エネ
 240-タケルライコex
 230-テツノカイナex、エンテイV、トドロクツキex
 220-パオジアンex、ミライドンex、ルギアV、アルセウスV、ギラティナV
☆200=お守り5エネ
 190-ロトムV
 180-ミュウex
 170-ネオラントV
☆160=4エネ
 160-輝くリザードン、セグレイブ、イキリンコex
 150-アーケオス
 140-トドロクツキ、コライドン、輝くアマージョ、チヲハウハネ
 130-輝くゲッコウガ、輝くフーディン
☆120=3エネ
 120-ビーダル、サンダー
 110-チラチーノ、ウッウ
 100-ネイティオ、テツノツツミ
 90-ドロンチ
☆80=2エネ
 80-ヤミラミ
 70-ミミッキュ
 70-キュワワー

サケブシッポの打点倍率はフワンテに劣る。サイコエンブレイスでの1エネあたり40打点の計算だ。
高い打点を出すにあたり多くのエネルギーが必要になる。

今はマシマシラがいるので、お守りがなくても4エネでロトムV=190ラインを落とし得る。
このあたりから、ネオラントやイキリンコあたりのベンチにいがちなサイド2枚ポケモンにも届き始める。

このラインより上を落とそうとするなら勇気のお守りが必要だ。
ヘビーバトンの効果は「バトル場で」相手のポケモンからワザのダメージを受けてきぜつしたときでないと発動しないので、これがついたテツノカイナを落とす場合は、呼び札で別のポケモンを縛りつつ、ベンチのテツノカイナをサケブシッポで狙撃するのが望ましい。

ここより上をサケブシッポで対処しようとするのは難しい。
理論上はマシマシラ分の+30と合わせてピジョットもサケブシッポで落とし得るということになっているが、そもそもサーナイトデッキに入っている超エネの枚数が8,9枚であることを考えると、ちょっと現実的じゃない。ここから先はフワンテの仕事になるだろう。

まぁサケブシッポのメインターゲットはアーケオスやビーダルくらいのHPラインのシステムポケモンだ。高いHPではないが、早いタイミングでこいつらに干渉してほしい。
しかし、序盤の3,4エネというのは実はそう簡単に達成できる枚数でもない。

アーケオスは最速で先手2ターン目に立つ。2つ前の記事でも考察したがこちらは後手1ターン目でエボリューションできてキルリアを立てられたとしてもリファインができるのは後手2ターン目からだ。
返しの攻撃のタイミングでトラッシュに3,4枚の超エネを落としておくには、別途、ハイパーボール・大地の器・ゲッコウガあたりも必要になる。手張り→逃げ、でもいいが、要は手札にある程度エネを抱えている必要がある。

…書いてて分かったが、サケブシッポの打点倍率にフラストレーションを抱きがちな理由が分かった気がする。
打点表にした段階だと「なんだサケブシッポって意外と色々触れんじゃーん」となったが、なんとなく対戦中の直感と合わなかった。サケブシッポは早い段階でシステムに触って欲しいタイミングがあるのに、序盤はトラッシュにエネがあまり落とせないので必要HPラインに届かない事が多々あるのだ。

この辺は、序盤に一定枚数の超エネを落とせるデッキ構築論、みたいな話と親和的なので、いつかこの辺についても考えていきたい。
ここではとりあえず、サケブシッポは思ったよりも打点が出ないので注意しようくらいの話にとどめておく。

マナフィに対策される

マナフィはベンチポケモン全員に「相手のワザのダメージを受けない」効果を付与する。
マナフィが相手にいる限り、サケブシッポの攻撃は無力化される。

サーナイトミラーでも出したほうが良いとされるが、クレセリアには無力

逆に言うと、マナフィを落とせさえすればサケブシッポは通せる。
ハバタクカミの攻撃でベンチに20飛ばす効果をマナフィは防がないので、マシマシラが2ターンかけて20+30+30でマナフィを落とすことも可能である。この場合、釣り竿で復旧させる隙を与えないのでそのターン中はサケブシッポはフリーアタックだ。

余談だが、新弾「ナイトワンダラー」のサマヨールが個人的に熱い。

ナンジャモやカウンターキャッチャーとの嚙み合いもよい

カースドボム50+マシマシラ30でマナフィを落とすことができる。
キャンセルコロン+月光手裏剣で今までは煮え湯を飲まされてきたが、今度からはこちら側が手裏剣の代わりにボムを食らわせてやれる。

サケブシッポはカウンターキャッチャーで縛るターンにナンジャモで手札干渉を絡めてやるのが効果的だが、カースドボムは「きぜつ」なのでこれらのカードとも相性が良い!
サーナイトはデッキ枠がギチギチで泣く泣くカードを抜いているような現状だが、サマヨールが割って入ってこれるか注目したい。

テラスタルのexには攻撃を防がれる

ちょうどいいHPなだけに残念

「ベンチにいる限り、ワザのダメージを受けない」を持っている。
こちらにもサケブシッポは無力だ。

環境でよく見かけるテラスタルとしては、リザードン、ドラパルト、オーガポン、ゲッコウガ、フーパあたりだろうか。
マナフィと比べて「うっかり」が発生しやすいので注意したい。特にオーガポンシリーズは狙いやすいHPなだけに、その場の思い付きで攻撃しがちだ。

フワンテに比べて場に出づらい

サケブシッポのHPは90であり、仲良しポフィンからは出ない。この点は、フワンテに劣る。
ラルトスのついでに出せるのでフワンテは何かと重宝するのだ。

逆にいうと、それ以外の方法では出る。ルールを持たないポケモンなのでボウルタウンからも出る。
ハイパーボールはサーナイトの進化ラインに充てられるので、大体はネストボールかボウルタウンからの登場となる。間接的にペパーからも触れる。

要は、この辺のカードからちゃんと攻め手を検討ようになりたい。なんとなくベンチにいるフワンテにかまけて、私はこの段階で躓いている気がする。

終わりに

ただ殴るだけのフワンテと違って、サーナイトデッキに入っているアタッカーには色々と小器用な奴らがいる。
そこでいくとサケブシッポは後ろのポケモンを直接触れるし、前のポケモンを縛れたりと結構器用な奴だ。

一方で、トラッシュの超エネ枚数によっては思ったより打点が出なかったり、マナフィ一枚で機能停止したりする。テラスタルにも当たらない。
長所と短所を踏まえて適切な運用が求められる。

序盤のシステムへの干渉から、劣勢な盤面からポケモンを縛って空白のターンを相手に押し付けてワンチャンスを切り開く役割まで、サーナイトデッキのプレイングの幅を大きく広げるポケモンだ。
手札のネストボールやボウルタウンからこのポケモンを通じてゲームプランを思い描けるようになりたい。

(特に続きはないですが、賽銭箱だけ置いておきます。次はサーナイトデッキにおける新弾のサマヨールについて検討したいと思っているので、執筆のモチベーションになります)

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