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サーナイトからゴージャスマントを抜いて大丈夫なのか
かつてサーナイトのエーススペックがヒーローマントだった頃からHPを増やすポケモンのどうぐ(以下、単に道具)の枠は3枠だった。
アンフェアスタンプになった後も、ゆうきのおまもり(以下、単にお守り)2、ゴージャスマント1で計3枚体制は相変わらずだった。
それが、最近ゴージャスマントが抜けつつある。
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チャンピオンズリーグ2024札幌準優勝のリストが皮切りだったように思われるが、お守り2、ゴージャスマント0の計2枠のみの道具構成が多く見受けられるようになった。
マシマシラの加入によってHP330ラインをフワンテ・お守りで突破できるようになった。ゴージャスマントじゃなくてもいい。
ここまでは分かった。
じゃあ、道具2枚でいいのか。ここが気になっている。
単純な話だが、道具2枚では2回しか高打点で殴れない(HP僅かのフワンテは返しに落とされるため)。3回高打点プランはとれない。高打点で殴れる回数は道具の枚数で頭打ちになる。
また、ポケモンカードにはサイド落ちの話もある。3枚のうち1枚がサイドに行くだけなら、2回高打点で殴っている最中に、途中で拾うということもあるだろう。
が、2枚のうち片方のサイド落ちが発生した場合には問題ないのか。
せせこましい議論であり大変恐縮だが、もしマントをデッキから抜くことができるならこんなに喜ばしいことはない。
前回の記事の通り、サーナイトはデッキ枠を切望しているし、マントは特に初動札でもなかったため、デッキの円滑化にトラブルを生じるリスクもない。初手に来てほしくない札がデッキからなくなる分、多少回りやすくもなるだろう。
道具の枚数問題は、要は高打点で何回殴りたいのかという話と密接不可分だ。
そこで、環境でよく見かけるデッキを、HPラインを見つつも仮想敵として想定しながら考えていこうと思う。
対ドラパルト
330-リザードンex
320-ドラパルトex
★300-お守りフワンテ(HP奇数調整すると330)
280-ピジョットex
★240-お守りサケブシッポ(HP奇数調整すると260)
☆190-サーナイトex
190-ロトムV
☆180-道具なしフワンテ
170-ネオラントV
☆160-道具なしサケブシッポ
130-輝くフーディン
100-ネイティオ
90-ドロンチ
☆ 70-ミミッキュ
他ドラメシア、ネイティ等
各打点表に共通するところだが、マシマシラの存在のため、+30分は増加可能である。
フワンテはマシマシラによってHP10回復して(HP奇数調整)6エネ330打点を出せる他、別のポケモンからダメカン30を調達して乗せ換える事によってもHP330ラインを突破できる。
さて、ドラパルトの型によっては、というかピジョット型相手には、道具の枚数でサイドの取り方が変わってくる。
ピジョットとドラパルトを計3枚取る2-2-2-プランが取れないのだ。
もっとも、(ピジョットは優先して落とすにしても)ドロンチも手札を回転させるシステムの為、それらを落とす1-1-2-2(順番は流動的)のプランは悪くはない。
クレセリアが採用されているのであれば、自軍のダメカンのリフレッシュと併せてドロンチ(やネイティ)を落とせるので、こういったサイド取りプランになるだろう。
ロトムやネオラントが出てきて、崩れたスタジアムでトラッシュされないのであれば道具2枠での2-2-2のサイドプランも可能となる。
上記の2匹は160+マシマシラ30=190圏内にいるため、サケブシッポを用いる場合でも道具は不要だ。
対リザードン
概ねドラパルトでの議論が当てはまるが、特にピジョット型に対しては道具が2枠しかないのは問題だ。
ピジョット、リザードンを計3枚とる2-2-2のサイドプランを選択できない。ピジョット型のリザードンを重く見るなら道具は3枠取る必要があるという結論になるだろう。
また、ゴージャスマントが抜けた弊害もある。マントではなくお守りでフワンテを強化する場合、ヒトカゲのヒートタックルで落とされてしまう。
相手にリザードンを立てる要求をする場合には問題となる。
長らくサーナイトに道具枠が3枠設けられていたのは、恐らくリザードンがトップメタであったのが主因だったのではないか。
もっとも、ロトム・ネオラントが出れば道具2枚で2-2-2プランができるのはこちらも同じだ。
ビーダルが登場するようなら1-1-2-2のサイドプランにもうまみが生じる。HP60の種ポケ(特にポッポはHP60以下しかいない)をマシマシラで2ターンかけて1匹落とすのも悪くない(輝くアマージョが採用されている場合このプランは不可能だ)。
総じて、道具が3枚欲しいものの、1枠分ないことによってやりようがないという程にはならなそうだ。
対ルギア
★300-お守りフワンテ(HP奇数調整すると330)
280-ルギアVstar
260-ガチグマex
★240-お守りサケブシッポ(HP奇数調整すると260)
230-テツノカイナex
220-ルギアV
210-水オーガポンex
☆190-サーナイトex
☆180-道具なしフワンテ
170-ネオラントV
☆160-道具なしサケブシッポ
150-アーケオス
140-輝くアマージョ
110-チラチーノ
例えば、ルギアVstar、テツノカイナex、ガチグマexの3枚を取るような大立ち回りを望むなら道具は3枚必要だ。
もっとも、そうしたシチュエーションは少ないように思われる。
実際的にはアーケオス2匹に干渉していくことになるため、1-1-2-2を狙うことになるだろうか。
道具サイド落ち問題も、まずシステム(アーケオス)を取ってからの高打点狙いになるので、4枚サイド取ってそこにお守りがあることを願うことができる。
対オーガポン・タケルライコ
★300-お守りフワンテ(HP奇数調整すると330)
★240-お守りサケブシッポ(HP奇数調整すると260)
240-タケルライコex
210-オーガポンex
☆190-サーナイトex
190-ロトムV
☆180-道具なしフワンテ
180-ミュウex
170-ネオラントV
☆160-道具なしサケブシッポ
160-イキリンコex
140-チヲハウハネ
130-輝くゲッコウガ
道具2枠でも何の問題もなさそうな対面だ。
問題をシンプルにしているのが、HPが210でexである草オーガポンの存在で、道具なしフワンテ180orサーナイトの190+マシマシラの30で、道具なしにサイド2枚を取ることができる。
お守りサケブシッポでオーガポン落とす(2)-ボスでオーガポン呼んでサーナイト+マシマシラ、裏のフワンテ育てておく(2)-フワンテでタケルライコ落とす(2)が理想的なプランだろうか。
(※5/27追記 オーガポンexはテラスタルポケモンなのでサケブシッポでは「ベンチにいる」オーガポンにダメージを与えられませんでした。)
道具が1枚サイド落ちしていたとしても、4枚サイド取った内の1枚に道具があれば、上記のプラン通りである
対ミライドン
★300-お守りフワンテ(HP奇数調整すると330)
★240-お守りサケブシッポ(HP奇数調整すると260)
230-テツノカイナex
220-ミライドンex
200-ライチュウV、ライコウV
☆190-サーナイトex
☆180-道具なしフワンテ
180-ミュウex
☆160-道具なしサケブシッポ
160-イキリンコex
130-輝くゲッコウガ
120-サンダー
100-テツノツツミ
☆ 70-ミミッキュ
道具2枚で済むのかという論点だけなら簡単だ。サナ+マシマシラの220圏内にミライドン(220)、ライチュウ(200)、ライコウ(200)がいる。
サケブシッポが道具なしでイキリンコ(160)を落とせるのも大きい。
サケブシッポ繋がりでいうと、ヘビーバトン付きのテツノカイナを倒す際は、ベンチにいる状態で倒すのが望ましい(ヘビーバトンはバトル場で倒された時のみしか働かない)。
呼び札で縛れそうなポケモンを前に出し、サケブシッポでベンチのテツノカイナを狙う。この際は道具が必要だ。
道具2枠で2-2-2プランができそうですね、でこの記事の論点的には解決だが、この対面の困難性は別のところにある。
何せ後攻1ターン目にテツノカイナの強襲にあう。
対応するためには、こちらも様々な策を講ずる必要がある。その中には例えば、サンダーの110打点をミミッキュが耐えるために道具をつけることも候補に挙がるかもしれない。
フワンテの打点上昇に気を取られがちだが、お守りは「HPを50UPするアイテム」だ。
対ロスト
★300-お守りフワンテ(HP奇数調整すると330)
280-ギラティナVstar
260-ガチグマex
★240-お守りサケブシッポ(HP奇数調整すると260)
230-トドロクツキex
220-ギラティナV
☆190-サーナイトex
☆180-道具なしフワンテ
☆160-道具なしサケブシッポ
130-輝くゲッコウガ
110-ウッウ
100-テツノツツミ
☆ 90-ハバタクカミ
80-ヤミラミ
70-キュワワー
ギラティナ型・バレット型を問わず、ハバタクカミを前に立てることが重要な対面である。特性による牽制がとにかく偉く、それが長じてアタッカーとしても運用される。
一方、お守りフワンテによる攻撃はリスクが高い。
最近のサーナイトはジラーチが採用されていないため、ロストマインを非常に重く受けてしまう。また、フワンテの返しのターンはキュワワーが回り始めてしまう。
概して、お守りフワンテの強打というよりは、ハバタクカミで根気強く殴っていくことが重要なマッチアップである。
この話の帰結として、例えばギラティナ相手は、キュワワーによってロストを肥やせない為にアビスシークをしてくるが、ハバタクカミは90打点で居座り続けることになる。急いでお守りフワンテでギラティナを退けたりはしない。
バレット型はトドロクツキあたりのex・Vポケモンでハバタクカミの支配に抗ってくる場合が問題となる。この場合も1度サーナイトで190打点を刻みつつ、次のターンにハバタクカミで倒すというのが相手をうまく動かさないという戦略に一貫的だ。
この場合も、(サイドの残り2枚を取りきる場合でないのであれば)お守りフワンテの強打は求められない。
対パオジアン
★300-お守りフワンテ(HP奇数調整すると330)
★240-お守りサケブシッポ(HP奇数調整すると260)
230-テツノカイナex
220-パオジアンex
☆190-サーナイトex
☆180-道具なしフワンテ
☆160-道具なしサケブシッポ
160-セグレイブ
130-輝くゲッコウガ
120-ビーダル
70-マナフィ
サーナイトの190+マシマシラの30=220圏内にパオジアン(220)がいる。テツノカイナ(230)には届かない。
ベンチのセグレイブ・ビーダルに積極的に干渉したいマッチアップだ。
道具がなくても上記2匹はサケブシッポ圏内なのでマナフィがベンチにいないのであれば積極的に狙っていきたい。
道具をつけなければならないのはテツノカイナが出てきた返しくらいだ。
2枠の道具のうち片方がサイド落ちして、道中で拾えなかったとしてもさして影響ないだろう。
余裕があればマナフィがキャンコロ手裏剣を耐えるようにお守りを貼ってもいいかもしれない(その場合はキルリア2体が取られることになるが、こちら側がまごついていて2回目の手裏剣を防ぎたい場面はあるだろう)
道具サイド落ち問題
2枚採用のカードがどれくらいサイド落ちするのかについて、1枚がサイド落ちする確率は18.31%、2枚とも落ちる確率は0.85%だ。
2枚両方サイドに行く可能性は限りなく低いが、同じ両落ちでもサーナイトexが両落ちた場合と比べると、絶望具合は相当ましといえる。
サーナイトexの場合はゲーム進行が著しく滞るが、お守りの場合は、序盤はシステムポケモン等を倒してサイドを取りに行き、道中でお守りをGETすることができるからだ。
さて、より現実的な1枚落ちを考える。1-1-2-2のようなサイド取りをする場合、最後の一発に、サイド落ちした2枚目のお守りが必要になるとしても、その道中で4枚サイドから拾える。
私は確率に明るくないので、これをどう評価すべきかわからない。
例えば、18.31%(1枚サイド落ち確率)×33.33%(6枚のサイドから4枚取って目当ての1枚ではない確率)=0.061%という計算自体は成り立ちそうに思える。このことから1落ちしたお守りを4/6から拾えない確率は非常に低い!という結論も出はしそうだ。
一方、最初のサーチでお守り1落ちが判明した場合(現に18.31%側の方でプレイすることとなった場合)、「6枚のサイドから4枚取って目当ての1枚である確率」66.67%のゲームが始まってしまう。
分のいい賭けであることは間違いないのだが、身を任せていいかというと相当ドキドキする。加えて、サイドから最初の2枚を取ってハズレだった場合、「残った4枚のうち2枚に目当ての1枚がある確率」は50%だ。
この話をしているのは、まず第一に「お守りの必要枚数自体は2枚で過不足ないがサイド落ちを嫌ってもう1枚保険で入れるか」という話に、サイドから拾えるから不要というのが反証足りえるのかの検証のためだ。
その上で第二に、現に1枚サイド落ちした際に、そのことをどう考えるか評価するためだ。
こちらは構築側の話ではなくプレイング側の話で、プランニングの修正幅をどれくらいもたせるかという話になる。
終わりに
ピジョット型のリザードン・ドラパルト相手に2-2-2プランを望む場合に道具枠が3枠必要となる、それ以外には2枠で差し支えない、というのが一応の結論になりそうだ。
また、サイド落ちを嫌って保険で1枠足すのかという話についても、道中でサイドから拾い得る(そういうゲームでドキドキしたくないという人も勿論いるだろう)ため不要なのではないか、という話もした。
最初からこの結論に向けて書き始めたのではなく、自分自身どうなのか気になって検討を始めたという経緯だったため、個人的にも驚いた点がある。
特に道具が1枚で足りる対面があるというのは発見だった。リファインやハイパーボールで厳しいディスカードを多々求められるのでお守りも選択肢に含めて検討していきたい。
言うまでもなく、お守りフワンテはサーナイトデッキが持つオフェンス戦略の中核を担うカードだ。
しかし、状況に応じて、的確な攻撃対象を選択し、より適した攻撃方法で用兵することができれば、それがデッキパワーを引き出すことに繋がる。
ゴージャスマントを抜くことによって生じる1枠は、こうしたサーナイトの戦略に資するカードに費やしたいものだ。
(この記事はこれで終わりで、賽銭箱だけ置いておきます。記事中に出てきた打点表がひとまとまりになったものが下にあるだけです。元は自分用に作成していたものなので、フワンテ・サケブシッポがその打点を出すのに何エネ必要なのかも書いてあります)
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