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聖剣3でループもの【3】 役者が揃うまで

それでは【2】で挙げた、続編を考えるときに難しい問題となる「6人中、誰のルートを正史にするの?」を「6人全員、正史で主人公」で解決していきます。便宜上アンジェラを1周目の主人公で進めますが、他のキャラでもだいたい似たような過程で話が進むと思ってください。

主人公や仲間に選ばないと、シナリオ上で最も不遇なNPCになる彼女です。こんな形の救済があってもいいじゃありませんか。

死んだはずだよお富さん

世界を救って故郷に帰って、いろいろあったけどこれから新しい日常が始まろうかという矢先に。死んだはずの宿敵たちが突然現れて、1周目の状況がまるで当たり前のようにプレイバック。いったい何が起きたのでしょう。

具体的には、紅蓮の魔導師が理の女王の隣で他国侵攻の演説をしたり。ホセじいがアンジェラ王女に「形だけで魔法は使えない、心が伴ってないと」などとお説教を始めます。しかもアンジェラ以外、誰も不審に思わない。

全く同じことの繰り返しで、自分以外の誰も疑問に思わない。みんなでたちの悪いイタズラをやってるわけでもなく、さすがに怪しいと思い始めます。

寒いのはもう嫌!

そして、理の女王の所へ行くよう言われると。古代魔法を使うための生贄にされる、という先の展開は分かっていますので。こっそり旅支度をして単身アルテナから抜け出すでしょう。今度は魔力の暴走ではなく、自分の意思で転移魔法を使って。1周目で精神的に成長していた彼女は、もはや精霊の助けなしでも普通に魔法が使えるようになっていたのです。

それから少し時間を置いて、王女の逃走が発覚。前のループと同じように、反逆罪の汚名を着せられて刺客が放たれます。今回はさすがに防寒着を着て寒さで行き倒れしないように注意しているでしょう。それでも1周目と同じ母娘にばったり会って、暖かいシチューをご馳走になったりしてそうです。

仲間にさえ会えれば

わけも分からず、突然ループに巻き込まれたアンジェラの希望は、1周目で共に旅したふたりの仲間。この流れなら城塞都市ジャドに行けば、とりあえず彼らの誰かに会える。そう思って旅を続けます。1周目の経験で賢くなってるでしょうから、道中は偽名を使ったり旅の踊り子に扮したりするかもしれません。

ジャドでは再会してすぐ分かるように、いつもの初期クラスの衣装に着替えて武器屋へ直行。ジャドを占領した獣人たちに商品を取り上げられた店主に愚痴ってるデュランへ声をかけます。ですが…

一緒に旅したはずの仲間デュランは、アンジェラのことを覚えてません。初対面だと言い張ります。軽くショックを受けるアンジェラ。

だったらフェアリーなら、何か知ってるはずだと思い。とっさの機転でデュランを護衛として雇うことにし(お金がなければ色仕掛けで)ふたりで夜を待ってジャドを脱出、アストリアでフェアリーが来るのを待ちます。

今度はあんたが勇者よ

今晩あたりフェアリーが出そうと言われ、半信半疑だった1周目の記憶が無いデュランは、まるで占い師か予言者のように先の出来事を言い当てるアンジェラに得体の知れないものを感じます。そして真相を確かめるため一緒にフェアリーを迎えに行きます。

すると、フェアリーは1周目の旅仲間アンジェラを覚えていました。自分は新たなマナの女神になって聖域で眠っていたはずなのに、気が付くとまたもフェアリーになってて、マナの樹の危機を知らせるために飛び出していた。

彼女もわけが分かりませんが、アンジェラの話から照合すると「フェアリーと、フェアリーに選ばれた者だけがループの記憶を保持している」ことに気付きます。そこでアンジェラとフェアリーの考えは一致しました。

今度は無理やり、デュランがフェアリーの宿主に選ばれました。するとどうでしょう、確定した運命が不確定になったことで、彼は1周目の記憶を取り戻します。聖剣の勇者たちがループに抗う術を得た瞬間です。

6人旅か、3人ずつ2チームか

その後の彼らは、ループする世界で脱出の方法を探りながら。毎回のループで常に違う者をフェアリーの宿主に選び。リースとホークアイ、ケヴィンとシャルロットもループの記憶を保持する仲間に加えました。

フェアリーを迎えに行くとき、半分の3人がアストリアに残って獣人たちを待ち伏せで撃退し、村の滅亡を阻止する成果もあげられました。もう何周もしているので、そこいらの獣人には負けません。

彼らは、大切な人を何度も繰り返し失う悪夢の中にいましたが、ループの中で記憶を持つ者同士励ましあい、少しずつ歴史を良い方向へ変えようと前に進みます。

こうして、6人の主人公候補全てのルートが「微妙に違うループの話」として一本の線でつながりました。ここまでをさらっと流すように見せとけば、お話の導入として十分でしょう。次の【4】では、いよいよループの原因に迫っていきます。

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