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「WEBザテレビジョン」で書いたテレビコラム一覧

WEBザテレビジョンにて、その月に見たテレビについてのコラムを月1で連載しています。

記事一覧がまとまったものがないので、自分の整理のためにもここにまとめておきますね。上から下にいくにつれて古いです。

『M-1グランプリ2022 アナザーストーリー』(2022年12月27日)

「泣きながらお母さんに電話するのがウザい」と言われているのを、わかっていてやらせるアナザーストーリーに、わかってて電話をかける井口、たぶんわかってて電話に出るお母さん、そして、わかっていてテレビを見る私たち。あの日、最終決戦で叫んだ井口は、全員を共犯関係にして、アナザーストーリーを一周回してしまったのだった。

ウエストランド井口がお母さんに電話をかける…「M-1グランプリ2022 アナザーストーリー」で生まれた”共犯関係”

『ドラフトコント2022』(2022年11月25日)

キャプテンは千原ジュニア、小藪一豊、春日俊彰(オードリー)、田中卓志(アンガールズ)、長田庄平(チョコレートプラネット)の5名。若手芸人のなかには、各賞レースのチャンピオンをはじめ、実力者たちがひしめく。誰と誰が一緒になっても夢の組み合わせだし、キャプテンがどんな人選をするのか期待しちゃう。まさに「ドラフト」のワクワクと、実力者による「コント」の面白さ、両方を味わえる番組なのである。

千原ジュニア・チョコプラ長田・小籔千豊ら…「ドラフトコント2022」それぞれの戦い方

『じゃないとオードリー』(2022年10月24日)

先に若林が入っている楽屋に、春日が入ってくる。2人とも挨拶をしない。声もかけない。春日は無言で椅子に荷物を置き、若林は無言で雑誌を読んでいる。
(中略)
オンオフを使い分けるのは本物のスターではない!と番組は突きつける。プロデューサーの佐久間宣行が告げた今回の企画は、「オフゼロオードリー」。今日一日、常に「オン」のテンションを保ち、共演者やスタッフすべてを笑顔にしろ、というものだった。

「じゃないとオードリー」“オフ”が暗いオードリーが“オン”でさらけだした本音

『不夜城はなぜ回る』(2022年9月29日)

「なんなんだその趣味は」と思うが本当の話なのだ。その番組とは「不夜城はなぜ回る」(TBS系)。MCは東野幸治で、「深夜に明かりがついている建物=不夜城」を調査するのは、番組を企画した入社5年目の大前プジョルジョ健太ディレクター(以下、プジョルジョD)である。

深夜に明かりが灯る建物をアポなし突撃『不夜城はなぜ回る』、東野幸治も太鼓判を推すディレクターの「趣味」

『神回だけ見せます!』(2022年8月30日)

私たちが生まれたときから、テレビは24時間365日放送され続けている。そのすべてを見ることは不可能で、これまで星の数ほどの番組を見逃してきたことになる。でも実はその中に、自分が知らないとんでもない「神回」が眠っているのだ……改めてそう思わせてくれる番組が「神回だけ見せます!」である。

「神回だけ見せます!」佐久間宣行&伊集院光が味わい尽くす、日本テレビに眠る“神回”たち

『アメトーーク! ダチョウ倶楽部を考えようSP』(2022年7月25日)

7月19日放送の「 アメトーーク! ダチョウ倶楽部を考えようSP」(テレビ朝日系)は、肥後克広と寺門ジモンの2人体制となった、“新生ダチョウ倶楽部”について考える2時間だった。
ダチョウ倶楽部はいつもなら呼び込まれて登場するところ、今回はスタジオの椅子に座ってのスタート。あまり声が出ていない「ヤー!」から始まり、「2人でやるダチョウ倶楽部は何にも決まってない」という現状説明、新たな立ち位置を説明するも噛み噛み……その様子に土田晃之が「蛍原さん、俺コイツらが心配だよ!」と叫ぶ。スタジオは笑いに包まれたが、出演者も視聴者も同じ気持ちだったに違いない。

「アメトーーク!ダチョウ倶楽部を考えようSP」新生ダチョウ倶楽部と“いないけどそこにいる”竜ちゃん

『千鳥の鬼レンチャン』(2022年6月29日)

日曜日のゴールデンタイムは、一週間を通じて高視聴率の番組が並ぶ。NHKでは大河ドラマが、TBSでは日曜劇場があり、バラエティでは「ザ!鉄腕!DASH!!」「世界の果てまでイッテQ!」(いずれも日本テレビ系)、「ポツンと一軒家」(テレビ朝日系)が根強い人気を誇っている。
そんな激戦区で、フジテレビが4月からスタートさせたのが「千鳥の鬼レンチャン」だ。千鳥とかまいたちという、レギュラー番組を多数持つ売れっ子同士が、人気番組たちの狭間でのびのびとツッコミを入れている。

『千鳥の鬼レンチャン』千鳥&かまいたちと「会わない」ことで生まれる“多彩なツッコミ”

『ハネノバス』(2022年5月27日)

「ハネノバス」は、宮下草薙の草薙航基と、四千頭身の後藤拓実による旅番組だ。昨年秋にシーズン1(全10回)が、この4月からシーズン2が始まっている。ゲストはおらず、出演者は2人のみ。旅番組だけど有名観光地には行かないし、食レポもないし、地元の人と触れあうこともない。バンジージャンプをしたり、サイコロで行き先を決めたりなど、体を張ることもない。同行するスタッフは2~3人で、カメラは車載カメラと1台の手持ちカメラしかない。

宮下草薙・草薙と四千頭身・後藤の旅番組「ハネノバス」骨折すら笑いに変える“ゆるさ

『ここにタイトルを入力』(2022年4月27日)

例えば4月18日に放送された#2「フワちゃんの浅草のんびりツアー」、事前に公式HPに載っていた番組概要はこうだった。
「フワちゃんが浅草で街ぶらロケを敢行! 今や、おじいちゃんおばあちゃん、外国人観光客だけでなく女子高生にとっても注目の観光スポットとなっている「浅草」の最新スポット&グルメを紹介!」
ところが、番組はスタッフによる「ロケで撮影したデータが全部消えました」という告白からスタート。「大丈夫なの?」と心配するフワちゃんに、「一応頑張ってなんとかしたので大丈夫です」と返すスタッフ。そして始まった本編は、防犯カメラなどに映り込んだフワちゃんの映像をつなぐことで”なんとかした(でも全然なんとかなっていない) “街ブラ番組だった。

防犯カメラで街ブラ、何も起きないマジック番組…“狂気と正気”が同居する「ここにタイトルを入力」

『笑いの正体』(2022年3月28日)

祝日の夕方、あまりにも突然にその番組は始まった。3月21日放送の「笑いの正体」(NHK総合)。深海のような深い青のセットをバックに、MCの中居正広がカメラに向かって語りかける。
「さて皆さんは、笑いはどのようにして生まれるのか、考えたことはありますでしょうか。この番組では、笑いの進化の歴史を辿りながら、その正体に迫っていきたいと思います」

中居正広MC「笑いの正体」松本人志・かまいたち・野田クリスタルらが漫才を語り尽くした38分

『星野源のおんがくこうろん』(2022年3月2日)

金曜日の夜に、音楽を語らう贅沢な時間が流れている。2月11日からNHKEテレで始まった新番組「星野源のおんがくこうろん」(全4回)は、星野源によるこんなナレーションで幕を開ける。
「歴史を変えた音楽家にスポットを当てるこの番組。音楽家が制作した楽曲を聴き、その人生を見つめながら、星野源が学び、みんなで楽しく語り合います。僕らが語らう姿を見ているうちに、あら不思議、あなたの音楽の感受性が、いつの間にか“田起こし”されているかもしれません」

星野源がパペットたちと音楽を語らう“ぜいたくな時間”「星野源のおんがくこうろん」

『佐藤健&千鳥ノブよ!この謎を解いてみろ!』(2022年1月25日)

そのスケールの大きさに、3時間ずっと興奮しながら見てしまった。1月17日放送の「佐藤健&千鳥ノブよ!この謎を解いてみろ!~ハテナ島からの脱出~」(TBS系)である。
ある日突然、謎の組織“秘密結社Q”にさらわれる佐藤健とノブ。目隠しを外す、とそこは絶海の孤島“ハテナ島”だった。あのゲームにインスパイアされた秘密結社Qの格好に「Netflixで見た」「ここ韓国の可能性ある」とツッコみつつ、島からの脱出を賭けた命がけの“謎解きデスゲーム”が始まる……。

佐藤健、本気で謎解きに挑む“頼れるかっこよさ”「佐藤健&千鳥ノブよ!この謎を解いてみろ!」

『お笑い実力刃』フォークダンスDE成子坂SP(2021年12月25日)

「フォークダンスDE成子坂を1時間にわたり特集する」と聞いたとき、「2021年の今!?」と声が出た。フォークダンスDE成子坂。ボケ担当の桶田敬太郎と、ツッコミ担当の村田渚によるコンビ。1991年にデビューし、1999年に解散。90年代のお笑いブームをけん引した、伝説の2人だ。
特集が組まれたのは、12月22日放送の「お笑い実力刃」(テレビ朝日系)の「この芸人だけSP」特別編。「この芸人だけSP」では、毎回1組の芸人をゲストに呼び、ネタやトークを交えてその笑いを徹底的に掘り下げる。今回の「伝説の芸人 フォークダンスDE成子坂SP」では、彼らと同世代の“戦友”たちの証言が集められた。

太田光・有田哲平・伊集院光ら…芸人16人が語る“伝説の芸人“フォークダンスDE成子坂とは何者だったのか

『もう中学生のおグッズ!』(2021年12月3日)

10月から始まった、もう中学生の冠番組「もう中学生のおグッズ!」(テレビ朝日系)を、皆さんもうご覧になっただろうか。
まだ見たことがない人のために、11月23日放送回のオープニングがこんな感じだったとお伝えしたい。場所はどこかの会議室。もう中学生が段ボールで作ったジャガイモから顔を出し、タイトルコールもそこそこに、カメラに向けて1人でのんびり話し始める。

「もう中学生のおグッズ!」自由すぎるボケ&止まらないツッコミに感じる“心地よさ”の正体

1週間に遠隔操作ドッキリ2回(2021年10月27日)

わずか1週間のあいだに、「くりぃむナンタラ」と「水曜日のダウンタウン」で特殊な遠隔操作ドッキリが続いたので振り返っておきたい。どちらも「特別なスキルを持つ複数の人間が、たった1人を操ったらどうなるか」という実験になっていたのだ。

「くりぃむナンタラ」「水曜日のダウンタウン」、大喜利とクイズの化物を生み出した“遠隔操作ドッキリ”

『ワルイコあつまれ』(2021年9月24日)

9月13日朝8:35。Eテレに突如登場した“慎吾ママ”にネットは騒然となった。「いないいないばぁっ!」が終わったあと、往年の「おっはー!」と共に始まったのは、「慎吾ママの部屋」というコーナー。ピンクを基調とした部屋に座るのは、香取慎吾が扮する慎吾ママと、草なぎ剛が扮する徳川慶喜で…….。その番組は「ワルイコあつまれ」。香取慎吾、草なぎ剛、稲垣吾郎の3人による教育バラエティーだ。

稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾、Eテレ「ワルイコあつまれ」で見せた“演技力と対応力”

『魔改造の夜』(2021年8月25日)

扇風機50m走の結果が出たあと、出場した全チームが涙を見せていた。努力が酬われた嬉しさ、思うようなタイムが出なかった悔しさ。喜び、いらだち、悲しみ。あらゆる感情が会場を包み込む。
……いやいやちょっと待ってオリンピックみたいに言ってるけど「扇風機50m走」ってなんなんだという方、これは「魔改造の夜」(8月14日、21日放送、NHK BSプレミアム)の話である。

うっかり感情移入してしまう…「魔改造の夜」が教えてくれたエンジニアの”本気”

『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(2021年7月31日)

14段のロングソフトクリームを130円で売る食堂、しょうゆラーメン500円にチャーハン食べ放題が付いてくる中華屋、専用の器具に吊されて出てくる長さ30cm超のエビフライ、1品頼んだだけでサービス品がテーブルを埋め尽くす韓国料理店……。

常識外れの飲食店が毎週出てくる、「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」(毎週火曜夜7:00-7:56、日本テレビ系)から目が離せないでいる。よくあるグルメ番組だと思ったら大間違いだった。

「オモウマい店」衝撃サービスにツッコミが追いつかない!“いい人”密着ドキュメンタリー

『ラヴィット!』(2021年6月23日)

今年4月から「日本でいちばん明るい朝番組」として始まった「ラヴィット!」(TBS系)。ワイドショーが軒を連ねる朝8時台に、あえてニュースを取り上げず、食やファッションなどの生活情報を届けている。MCは川島と田村真子TBSアナウンサーの2人。芸人多めの曜日レギュラーたちがその脇を固める。
その「ラヴィット!」、開始当初は視聴率の苦戦がよく報じられていた。ランキングのVTRが中心で、せっかく腕のある芸人が揃っているのにスタジオパートが少ないことを、残念に思う声もあった。
ところが、開始から3カ月を経ち、「ラヴィット!」はいま、ゴリゴリの大喜利が毎朝見られる場所になりつつある。

「ラヴィット!」情報番組の皮をかぶった“大喜利バラエティ”で光る麒麟・川島のMC

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連載一発目に書いたコラムが『ラヴィット!』でした。
当時はまだ番組が始まったばかりで、進む方向を手探りしていたころ。ネットニュースで叩かれたりしているなか「いま面白いことになってるよ!」と発信したら、川島さんにまで届いて嬉しかったです。

これからも「面白いことになってるよ!」「これすごいよかったよ!」というスタンスで、コラムを書けたらと思います。


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