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「段取り」は段取り前にほとんど終わってた

『いちばん大切なのに誰も教えてくれない 段取りの教科書』を読みました。

くまモンの生みの親であるクリエイティブディレクター・水野学さんの著書。多忙すぎる日々をどう「段取り」しているのか、実際に携わった「相鉄ブランドアッププロジェクト」や「芽乃舎」などの仕事を例にとって教えてくれます。

で、「段取り」の本ということはあれですよね、タイムマネジメントとかスケジューリングとか効率化ですよね……と思って手に取ったんですが、そういう話はこの本の後半、半分過ぎたところからようやく出てくるんですよ。

それまでの前半、217ページ中116ページを使って何を説明しているかというと、「その仕事の目的はなにか」「コンセプトは」「知るべきことは」「やらないことは」という、目的地と道のりを決める話。仕事に手を付ける前段階。

チームで共有できるコンセプトでないと道に迷うし、調査を怠ると抜けが出るし、目的を実現する方法を誤ると結果がでない。ここを疎かにすると、結局後半の段取りもグズグズになる。「準備が9割」とまで言う。

いくら枝や葉っぱを気にしても、土そのものがダメなら、花は咲かないよなぁと。

本書ではチームでのプロジェクト対応を想定しているけど、フリーランスのライターである自分にも「あっ」となることも多い。「ビジネスでは目標と結果を勘違いしがち」というその一つ。

プロジェクトの成功ってなぁに?と聞かれたとき、目標としている販売数量や金額を満たしたら、と答えがち。でも水野さんは、それって「結果」ですよね、と言う。

水野さんが手がけた「東京ショコラファクトリー」は、「目標」を「東京でいちばんのおみやげになること」と考えた。最高の東京みやげができたら、みんなうれしいし、東京のイメージもよくなるかもしれない。たくさん売れたら儲かるかもしれないけど、あくまでそれは「結果」だと。

Webで記事を書いていると、PVやシェア数がどうしても気になる。でもそれって「結果」なんだよなぁと。読んだ人の琴線に触れたり、行動に現れたり、共感する人がいたり、ちょっと世の中がよくなったり……と、記事の先になにかアクションが現れるのが言わば成功であって、数字はあくまで「結果」なんですよね。これを読んだ人にこうなってほしい、という視点を忘れないようにしよう。

あと、最近お腹周りが気になってきて、体重計に乗ってはため息をついているんですけど、数字は結果なのでコンセプトから練り直そうと思います。

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