映画『JUNK HEAD』

2021年4月1日、UPLINK吉祥寺で『JUNK HEAD』(堀貴秀監督、2021年)を観た。
毎月1日が全国の映画館のサービスデーで割引なのと、緊急事態宣言が解除され、21時まで上映可能となった(20時終映だと勤め人は平日映画を観るのが困難)こともあるのか、63席のシアターはほぼ満席だった。

もう、とにかく「良く出来ている!」の一言。
キャラクターの造形も動きも、背景も、音楽も、ストーリーも、素人だった人がイチから作り上げたとは思えないレベルだ。

ストーリーに突出するところはないが、オーソドックスなアドベンチャーものとして、破綻もなくバランス良くまとめられていると思う。
アドベンチャーもので100分間観客を飽きさせないというのは、すごい力量である(その日は若いカップルもいたし、女性客も多かったにも関わらず、である。私ももちろん楽しんだ)。

冒頭でいきなり、「とりあえず撃っとけば」の一言で主人公がガチで撃墜されてしまうのには驚いたが、それがタイトルの所以となる展開の発端に繋がっているところとか、よく考えられている。

ノンバーバルなのもいい。
これは、素人がほぼ一人で作る上で選択せざるを得なかった方法なのかもしれないが、最終盤、それを逆手に取って明かされる衝撃の事実(あの三人組にそんななま…)にセンスを感じた(思わず吹き出してしまった)。

繰り返し褒めるが、このクオリティーの映画をほぼ一人で作り上げたというのは驚異的だ(スタッフロールで同じ名前が延々とスクロールしていくのは、ミニシアターといえども商業映画でなかなか見られないだろう)。

確かにアラを探せばいくらでも出てくるだろうし、しかも、(ノンバーバルでナレーションもないため)色々説明されていない、というか、わからないことが多いので、突っ込みたくなるかもしれないが、そんなことを論(あげつら)うのは野暮というもの。
エンターテインメントなんだから、ただ楽しめば良いのであって、結果、楽しかったのなら、それで良いのだ。
それに続編も予定されているとのこと。
もしかしたら、それへの伏線なのかもしれない、と思って、続編を心待ちにする楽しみもあるというものだ。

ところで、当初、余程(観客が)入らないと予想していたのだろうか。
公開から一週間足らずでパンフレットが完売していた(残念…)。

それにしても…
どうして素人は、小学生レベルの「下ネタ」が好きなのだろう…

この記事が参加している募集

#映画感想文

69,031件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?