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【2022CBL】神社を守るコミュニティビジネス

2022年度、8期のCmmunity Based Learning(通称:CBL)の1つである「神社を守るコミュニティビジネス」の全6回の講義が12/3(土)にて終了しました。

地域にある神社は、歴史・文化・信仰の交差点にあり、未来へ継承すべき拠点の一つです。しかし近年では、人口減少に伴い、宮司不在(あるいは兼任)という神社が、全国的に増えてきており、その原因の一つに「経営的な課題」があると言われています。今回は、丹波篠山市内の神社をフィールドに、そもそもの神社・神職の仕組みから、神社を中心として展開されるコミュニティビジネスの事例や可能性を学び、地域の神社を存続・継承し、かつそこから地域を元気づけるようなコミュニティビジネスの手法を学ぶ講座でした。

この講義のファシリテーター/講師の尼崎えびす神社宮司の太田垣 亘世さんは、外資系航空会社の客室乗務員として約6年間、香港にて生活。退職後、西宮神社での研修を経て、実家の尼崎えびす神社に奉職されています。また、国連NGO組織のオフィサー兼神職として2年間、ニューヨークの学校や地域社会で日本文化を紹介するなど、世界を股にかけて活躍する実践者です。

講座振り返り

1回目(7/30:神社と神職の仕事の仕組みと神社の全国的課題を学ぶ)

「神道を学べば日本人の顧客サービスが見えてくる」
初回講義の中で、最も印象に残っている言葉です。
身近だけどあまりよく知らない神社の世界。
日本人の「しっくりくる感覚」が、神道に由来することが多いんだなということに感動し、また日本において、あるいは世界を目指すビジネスをするにしても、神道をベースとして学ぶことの意義を改めて感じる講義でした。
講師は、元CA、現在は尼崎えびす神社で宮司を務める太田垣先生。
全国的に「宮司不在の神社の存続」が危惧されていますが、今も変わらず我々の心のそばにある神社。
受講生の皆さんと、新たな視点と発想によって丹波篠山の神社の未来を、これから考えていきたいと思う時間でした。

2回目(8/21:現地視察・宮司へのヒアリング)

今回は、丹波篠山市内の城下町の中心部にある春日神社(おかすがさん)にお邪魔しました。実は、立派な文化財、アクセス良好、お祭りも現役と、素晴らしい神社なのですが、数年前に先代の宮司さんが亡くなられた後、専任の宮司さんは不在という状況があり、地域の方々で神社を守られているという状況があります。
当日は、普段は見ることが出来ないような「本殿」「能舞台」なども氏子さんからの案内を受けながら、お話をお伺いしました。
これまでの歴史はもちろん、「クラウドファンディング」など新しいことにも取り組まれており、新たな可能性を感じた1日になりました。

台風で落ちてしまった”鏡”を協力して元に戻します。
「屋外能舞台」は、春日神社が西日本最大の大きさを誇ります。

3回目(9/18:神社を中心としたフィールドでのコミュニティビジネスの事例)

今回は、阪神尼崎駅からも見える大きな鳥居が目印の”尼崎えびす神社”にて行われました。ここでは、CBL講師である太田垣先生が宮司をされていて、
神様のお勉強をする「しあわせ講話」や、地域の住民や子どもとつながって協力して開催される「手づくり市」、外国人の「巫女体験」など、神社をフィールドとした新たな取り組みについて、フィールドを見ながら、講義を受けました。
今回の講座では御祈祷に始まり、”尼のえべっさん”の特別な空気を存分に味わうことができ、とても贅沢で、清々しい気持ちとなりました。
また、その後には近くの「尼崎城」へ。丹波篠山にも「篠山城」の城跡があり、観光としての可能性について学びました。

4回目(10/8:ビジネスモデルの検討)

「神社とつながってビジネスをする、というのはどういうことか」
という講義では、改めて「日本人とは何か」という深いテーマに向き合う内容でした。
「神社を守りつつ、ご自身ができること、やりたいことのイメージを」
次回、氏子さんとの意見交換を控える中、これまでに得た情報や、受講生の皆さんのご経験から湧いてきたアイディアを整理し、意見交換を行いました。
改めて神社をフィールドにする事の可能性の多さに気づかされました。

5回目(11/5:ビジネスモデルブラッシュアップのための視察・意見交換)

今回は2回目となる春日神社現地で、神社関係者として氏子さんを交えた開催となりました。
これまでの講義で練ってきたビジネスアイディアや想いをぶつけ、寒さも忘れるほど熱い議論が交わされました。
その中で「これはやろう!」と盛り上がるアイディアもいくつか。今後、実現されていくことを期待しています。

6回目(12/3:ビジネスモデル発表会)

「改めて、神社とはどういう場か?」「今何が課題になっているのか?」
今回の講義では,これまでの活動をそれぞれが振り返り、意見交換を行いました。
改めてみなさんの話を聞いていると、神社に対して抱いているイメージは本当に多様で、でもそれを全て受け止めてくださる神社の”懐の深さ”みたいなものを感じました。
スクール生それぞれの神社への想いはみんな違っていても、このお春日さん(春日神社)を通じて皆さんが繋がり続けていける、と感じる、不思議な安心感のある時間でした。
スクールスタッフとしても,皆様の更なる飛躍を応援しております。

みんなで「ハート」ポーズ!

CBL「神社を守るコミュニティビジネス」の講座ページは下記より